【3837】アドソル日進(東証一部) NT
現在値 2,584円/100株 PER33.6 PBR5.32 3月配当優待 9月配当優待
大企業向け大規模システムの開発に強み持つ。技術水準に定評。
配当は3月末・9月末の年2回で、合計28円のため配当利回りは1.08%となります。
アドソル日進は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で200株以上を保有する株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.27%となります。なお長期優遇制度もあり、1年以上の保有で500円分のクオカードが追加進呈されますので、その場合の配当優待利回りは、約1.47%まで利回りが上昇します。
業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 104億円、営業利益 5.4億円 EPS 64.9円
■2017年3月期 売上高 116億円、営業利益 7.6億円 EPS 59.1円
■2018年3月期 売上高 109億円、営業利益 8.3億円 EPS 61.3円
■2019年3月期 売上高 121億円、営業利益 10.1億円 EPS 75.9円
■2020年3月期 売上高 126億円、営業利益 11.0億円 EPS 77.1円 ce
□2019年9月2Q 売上高 65.2億円、営業利益 6.2億円 EPS 48.1円
□2019年12月3Q 売上高 98.7億円、営業利益 9.5億円 EPS 73.0円(2/6)
2019年9月中間期の売上高は前年同期比10.0%増の65.2億円、営業利益は同18.5%増の6.2億円となり、期初予想を上回りトップラインから2桁の増収となりました。期初の受注残高は過去最高の22億円を確保していましたが、上期中での受注高も過去最高の67億円となり全般好調に推移しました。主力の社会インフラ事業において、電力・ガス分野の自由化・保守に関する案件や運輸分野における旅行関連案件が好調に推移しました。その一方、先進インダストリー事業についてはメディカル・決済分野が引き続き好調を維持したものの、セキュリティソリューション分野で大手公益企業向け案件の契約終了が響き、セグメント減収となっています。また、両セグに含まれる横断事業のIoXエンジ(ニアリング)事業の売上高は16億円となり、およそ全社売上の4分の1となりました。
2020年3月期の通期予算については期初公表予想を据え置いており、売上高が前期比3.3%増の126億円、営業利益は同8.7%増の11.0億円を見込んでおり、10期連続の営業増益を予想しています。社会インフラ事業の電力・ガス分野において分社化案件(電気は発送電分離、ガスは導管分離)の好調が続いているほか、先進インダストリー事業についても、好調な先進EV・自動運転分野にくわえ、決済関連も堅調に推移しているため、両セグとも順調な仕上がりが期待されます。なお、上期末時点における受注残高も前年同期比8.7%増の24.9億円を確保しているほか、2月6日に公表されている3Q決算によれば、売上高が前年同期比10.3%増・営業利益は同20.2%増と、予算に対して大幅超過ペースでの進捗が確認されるため、今期も上振れ濃厚気配と言えます。
今期は翌2021年3月期を最終年度とする3年中計の中間年度となっており、最終的に売上高126億円(CAGR5%)・営業利益12億円(CAGR13%)を目標に据えていますが、売上高については今期の前倒し達成がほぼ確実な情勢であり、利益予算についても今期の着地上振れを前提に前倒し達成が十分射程に入る状況です。本中計期間の具体的な取り組みは「IoTからIoX」への移行であり、当社が得意とするIoT技術とセキュリティ技術を高度融合させ、業容拡大していく方針です。社会インフラ事業では、宇宙システムや高度道路情報システム等の開拓を目指すほか、先進インダストリー事業に関しては、先進EV自動車・自動運転領域を拡大させ、これらの注力領域に対して当社のセキュリティを掛け合わせ、最終的なIoXソリューションとして複合的に提供していくというのが、基本的なシナリオとなります。
現状、一番の得意先である三菱電機(売上構成比20~30%)、東京ガスG(同10~15%)が先進自動車領域や宇宙領域、エネルギーインフラ系の事業投資意欲が強いので、勝手に数字が出来てしまっている部分もあり、この2社に売上の30~40%を依存してしまっているのが弱点と言えば弱点でしたが、昨年5月には健保組合の組成と運営を代行するバリューHR(6078)と新たに資本業務提携を締結しており、相互に2%の株を持ちあうなどしています。バリューHRとの連携により、当社が相対的に手薄な医療関連の業容拡大(医療情報PF等)が期待され、当社が「Lynx」の独占販売権を持ち、特に強みを持つセキュリティ分野との親和性が高く、高付加価値化サービスへの期待が高まります。
以上、現在進行中の中計は達成ないしは前倒しでの達成が確実と判断されるため、既に興味の中心は次期中計となりますが、早くも会社側では今春での前倒しローリングを予告しているため、一旦はその数字を待つ格好となります。株主還元については、従来の配当性向33%から「35%以上」へ一段引き上げており、今期の配当金は【4.1→6→9.5→13→20→21→27→28円(予】、と12期連続の増配を予定しています。当社は、事実上の無借金経営であるほか、発行済株式数の1割弱を握る筆頭株主が自社従業員持株会となっているため、配当性向段階から更なる上積みが可能と考えており、今期の配当額は利益成長も相俟って、最終的な出来上がりの配当金は「30円+α円」との見方を変えておりせん。
*参考記事① 2019-08-28 2,017円 NT
バリューHRと資本業務提携を締結、業績好伸が続く・アドソル日進(3837)。
*参考記事② 2019-02-19 1,641円 NT
増額ローリング後の新中計も、早くも前倒し達成圏か・アドソル日進(3837)。
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