バリューHRと資本業務提携を締結、業績好伸が続く・アドソル日進(3837)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3837】アドソル日進(東証一部) NT

現在値 2,017円/100株 PER26.1 PBR4.66 3月配当優待 9月配当優待

大企業向け大規模システムの開発に強み持つ。技術水準に定評。
配当は3月末・9月末の年2回で、合計28円のため配当利回りは1.39%となります。

アドソル日進は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で200株以上を保有する

株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.63%と

なります。なお長期優遇制度もあり、1年以上の保有で500円分のクオカードが追加進呈さ

れますので、その場合の配当優待利回りは、約1.88%まで利回りが上昇します。

業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 104億円、営業利益 5.4億円 EPS 64.9円 
■2017年3月期 売上高 116億円、営業利益 7.6億円 EPS 59.1円 

■2018年3月期 売上高 109億円、営業利益 8.3億円 EPS 61.3円 

■2019年3月期 売上高 121億円、営業利益 10.1億円 EPS 75.9円 

■2020年3月期 売上高 126億円、営業利益 11.0億円 EPS 77.1円 ce

□2019年6月1Q 売上高 31.6億円、営業利益 2.9億円 EPS 22.6円(8/6) 
□2019年9月2Q 売上高 61.2億円、営業利益 5.3億円 EPS 40.3円 ce


2019年3月期の売上高は前期比10.9%増の121億円、営業利益は同21.6%増の10.1億円

なり、3Q後の増額予算にサヤ寄せする形で着地し、トップライン段階から2桁の伸び

なり、9期連続の増益を果たしました。主力の社会インフラ事業において、電力・ガスの

自由化・分社化に関する案件が増勢となったほか、先進インダストリー事業については、

次世代自動車・自動運転分野に加え、メディカル・決済分野がいずれも好調に推移しま

した。また横断事業のIoXエンジ(ニアリング)事業についても、EMSやセキュリティ分野

が順調に拡大し、全社の業績を底上げしました。


進行期である2020年3月期の予算については、売上高が3.3%増の126億円、営業利益は

同8.7%増の11.0億円を見込んでおり、10期連続となる営業増益を予想しています。社会

インフラ事業については、電力・ガス分野において分社化案件(電気は発送電分離、ガス

は導管分離)が本格的に増加する見込みとなっているほか、先進インダストリー事業につ

いても、続伸が見込まれる次世代自動車・自動運転分野にAIやビッグデータなどの先端

技術を組み合わせることにより、付加価値創出を図る方針です。なお期初時点における

受注残高は過去最高の22億円を確保しているほか、8月6日に公表されている1Q決算に

ついては、売上高が前年同期比10.9%増・営業利益は同23.3%と、期初予算に対して大幅

超過ペースでの進捗が確認されるため、今期も順調な仕上がりが期待できます。

 

今期は翌2021年3月期を最終年度とする3年中計の中間年度となっており、最終的には

売上高126億円(CAGR5%)・営業利益12億円(CAGR13%)を目標に据えていますが、売上

については今期の前倒し達成がほぼ確実となっているほか、利益予算についても前倒し

達成が十分射程に入る状況です。本中計期間の具体的な取り組みは「IoTからIoX」への

移行であり、当社が得意とするIoT技術とセキュリティ技術を高度融合させ、業容を拡大

していく方針です。社会インフラ事業では、宇宙システムや高度道路情報システム等の

開拓を目指すほか、先進インダストリー事業に関しては、先進EV自動車・自動運転領域

を拡大させ、これらの注力領域に対して当社のセキュリティを掛け合わせ、最終的なIoX

ソリューションとして複合的に提供していくというのが、基本的なシナリオとなります。

 

特にセキュリティ分野については、米社ライセンスである“LynxSECURE”のセキュリティ

以外のIoT組み込みOSや、IoTソリューションにくわえ、Lynx社全製品の独占販売契約を

締結し、本邦における総代理店の地位を確保したため、Lynx絡みの製品・サービス収益

がストック的に効いてくることが期待されます。また、足許5月には健保組合組成と運営

を代行するバリューHR(6078)と資本業務提携を締結しており、相互に2%の株を持ち合う

ほか、当社のセキュリティ技術と同社の保険加入者のデータを組み合わせ、医療関連に

おける高セキュリティ・プラットフォームの構築を目指します。特に同社のクライアントは

大手企業が多いため、当社のプレゼンス拡大が期待されるほか、電気・ガスや自動運転

等に比べて手薄な医療分野での業容拡大を図る“橋頭保”となることが期待されます。


なお株主還元については、従来の配当性向33%から「35%以上」へ一段引き上げており

今期の配当金は【4.1→6→9.5→13→20→21→27→28円(予】、と12期連続の増配を予

定しています。ただ当社は、事実上の無借金経営であるほか、発行済株式数の1割弱

を握る筆頭株主が自社従業員持株会となっているため、配当性向段階から更なる上積

みがあると考えており、今期の配当額は利益成長も相俟って、最終的には30円を軽く超

えてくるものと予想しています。

 

*参考記事① 2019-02-19 1,641円 NT

増額ローリング後の新中計も、早くも前倒し達成圏か・アドソル日進(3837)。

 

*参考記事② 2018-09-19 1,834円 NT

中計は前倒達成、セキュリティ訴求で業容拡大へ・アドソル日進(3837)。

 

 

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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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