中計は前倒達成、セキュリティ訴求で業容拡大へ・アドソル日進(3837)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3837】アドソル日進(東証一部) --

現在値 1,834円/100株 PER29.1 PBR4.80 3月配当優待 9月配当優待

大企業向け大規模システムの開発に強み持つ。技術水準に定評。
配当は3月末・9月末の年2回で、合計22円のため配当利回りは1.20%となります。

アドソル日進は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で200株以上を保有する

株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.47%と

なります。なお長期優遇制度もあり、1年以上の保有で500円分のクオカードが追加進呈さ

れますので、その場合の配当優待利回りは、約1.74%まで利回りが上昇します。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 90.0億円、営業利益 4.0億円 EPS 52.7円 
■2016年3月期 売上高 104億円、営業利益 5.4億円 EPS 64.9円 
■2017年3月期 売上高 116億円、営業利益 7.6億円 EPS 59.1円 

■2018年3月期 売上高 109億円、営業利益 8.3億円 EPS 61.3円 

■2019年3月期 売上高 115億円、営業利益 8.8億円 EPS 62.4円 ce

□2018年6月1Q 売上高 28.5億円、営業利益 2.4億円 EPS 17.8円(5/8)

□2018年9月中 売上高 56.3億円、営業利益 4.2億円 EPS 32.0円 ce

2018年3期の売上高は前期比5.5%減の109億円、営業利益は同8.5%増の8.3億円となり、

減収増益となりました。主力の社会システム事業において、ここ数年間に渡って業績を牽

引してきた電力・ガス自由化関連の案件がついにピークアウトして、保守フェーズへ移行

したことや、2020年に控える電力会社の発送電分離案件が遅延した影響が響き、対予算

でも減収となりました。ただIoTシステム事業に関しては、先進EVや自動運転向けが拡大

したほか、セキュリティ分野が好調に推移し、利益面で全社業績を底上げしました。


進行期である2019年3月期の予算については、売上高が4.6%増の115億円、営業利益は

5.7%増の8.8億円と9期連続の営業増益を予想してます。本年3月末時点での受注残高は

前年同期比20.9%増の20.3億円を確保しており、実績期は一服となった社会インフラ事業

については、遅延気味となっている電力案件の取り込みと、5Gに代表される次世代通信

関連の拡大を図ります。また、好調の続くIoTシステム事業(今期より、先進インダストリー

事業とIoX総合エンジニアリング事業にセグメントを分割)については、次世代EV自動車を

中心とする組込システムの受注が好調なため、当該セグは順当に続伸が見込まれます。


実績期は今2019年3月期を最終年度としていた3年中計「Vision2020」の中間年度となって

おり、売上高110億円(ほぼUNCH)・営業利益8億円(CAGR14%)を目標としておりましたが、

売上高・営業利益目標ともに1年前倒で達成となりました。そのため、当期を初年度とする

新3年中計「Vision2021」を策定しており、最終年度である2021年3月期に売上高126億円

(CAGR5%)・営業利益12億円(CAGR13%)を新たな目標としています。

 

本中計のテーマは「IoTからIoX」への移行であり、当社が培ってきたIoT技術とセキュリティ

技術を高度融合させて、業容拡大する方針です。社会インフラ事業では、宇宙システムや

高度道路情報システム等の新領域の開拓を目指すほか、先進インダストリー事業に関して

は先進EV自動車・自動運転領域を拡大させ、これらの注力領域に対して当社が得意とする

セキュリティを掛け合わせ、最終的なIoXソリューションサービスとして提供する青写真です。

これらは未だ漠とした部分が大きいものの、当社はインフラ系企業や官公庁の実績が多く、

受注自体の下地はあることから、セキュリティの付加価値を上手くセールス出来るかどうか

といった営業力が鍵になってくるかと思われます。なお、中計目標自体は保守的と考えます。


株主還元については、従来の配当性向33%から「35%以上」へとさらに一段引き上げており、

配当金は【4.1→6→9.5→13→20→21→22円(予】、と11期連続の増配を予定しています。

このほか、中計最終年度の2021年3月期には年28円まで増配することもアナウンスされて

いますが、これは3年後の予想EPS79円に対して、機械的に35%を掛けただけとみられます

ので、実質無借金の好財務や、従業員持株会が筆頭株主(10.3%)であることなども踏まえる

と、一層株主還元に舵を切る可能性もあり、年30円配当もそう遠くないと考えています。

 

*参考記事① 2017-12-21 1,257円 --

業績強含みで、高値圏でも満額の自社株買い・アドソル日進(3837)。

 

*参考記事② 2017-08-13 1,082円 --

中計前倒濃厚で、上方ローリングに期待・アドソル日進(3837)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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