業績強含みで、高値圏でも満額の自社株買い・アドソル日進(3837)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3837】アドソル日進(東証一部) --

現在値 1,257円/100株 PER24.2 PBR3.47 3月配当優待 9月配当優待

大企業向け大規模システムの開発に強み持つ。技術水準に定評。
配当は3月9月の年2回で、合計20円のため配当利回りは1.59%となります。

アドソル日進は株主優待制度を導入しておりまして、3末9末時点で200株

以上を保有する株主に対して、500円分のクオカード等を進呈しております
ので、配当優待利回りは約1.98%となります。なお長期優遇制度もあり、1年

以上の保有で500円分のクオカードが追加進呈されますので、その場合の

配当優待利回りを算出した場合、約2.38%まで利回りが上昇します。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 84.3億円、営業利益 3.0億円 EPS 39.8円 
■2015年3月期 売上高 90.0億円、営業利益 4.0億円 EPS 52.7円 
■2016年3月期 売上高 104億円、営業利益 5.4億円 EPS 64.9円 
■2017年3月期 売上高 116億円、営業利益 7.6億円 EPS 59.1円 

■2018年3月期 売上高 117億円、営業利益 8.0億円 EPS 52.3円 ce

□2017年9月中 売上高 53.9億円、営業利益 4.0億円 EPS 31.3円(11/7)

2017年9月中間期の売上高は前年同期比5.8%減の53.9億円、営業利益は

同9.6%減の4.0億円となり期初予想比で減収増益となりました。主力の社会

システム事業において、ここ数期の業績を牽引してきた電力・ガス自由化関

連の案件がついにピークアウトとなり減収となったものの、5Gや防災、カード

向けが堅調に推移したほか、IoTシステム事業では、メディカル・セキュリティ

関連が伸長したため、事務所リニューアル費用とR&D費用の増加で減益と

なったものの、利益は期初予想を上回って着地しています。


2018年3月期通期の予算は据え置いており、売上高は前期並みの117億円、

営業利益は同4.2%増の8.0億円を見込んでいます。9末時点での受注残高は

前年同期比14.6%増の23.6億円となっており、中間では過去最高の受注残を

抱えているような状況であるため、据え置いた通期予算はかなりのコンサバ

想定かと思われます。なお当社は、期末偏重し易い官公需があることもあり、

ある程度通期予算の着地が見えた後に、増額していく傾向があるようです。


今期は2019年3月期を最終年度とする中計「Vision2020」の中間年度となって

おり、3年で売上高110億円(ほぼUNCH)・営業利益8億円(CAGR14%)を予想し

ていましたが、売上高目標に関しては前期に達成しているほか、営業利益の

8億円目標についても、上述のとおり今期で達成となる公算が高い状況です。

そのため、本中計は今期中にローリングされることがアナウンスされており、

決算マテリアルによれば、来春に新たな中計がリリースされる予定ですので、

一旦はそこで開示される(であろう)中期的な定量目標を待つ形となります。

 

今後の業容拡大策として本年7月に三菱電機系商社の菱洋エレクトロ(8068)

との業務提携を発表しており、同社の得意とするAIをベースとしたIoT技術・

ソリューションと、当社の得意とするインフラ系を中心としたIoTシステム及び

セキュリティを融合したサービスを提供していく方針です。また、5月にはISO

やJISの認証機関である日本検査キューエイの株式を取得し、当社顧客分野

における、効率的なセキュリティ・マネジメントの分析・手法の開発を強化し、

より付加価値の高いセキュリティサービスの提供を目指します。


株主還元については、従来の配当性向30%から33%以上へ引き上げており、

配当金は【4.1→6→9.5→13→20→20円(予】、とハイピッチで増額しています。

前期には一部指定の記念配が含まれていましたが、最終利益が減益予想と

なる今期も、減配せずに20円配当を据え置く方針です。驚いたのは、株価が

高値圏で推移しているような現状でも、平然と自社株買い(12万株・約1.32%)

を繰り出してきたことで、来年3月の買付期限を待たずに全て買い切りました。

 

この自社株買いにより、今期の総還元性向はおよそ80%にまでハネあがり、

自社株買いの枠自体も現在の株価水準をはるかに上回る2億円(@1,666円)

を取っていたことも鑑みると、非常に強い株主還元志向が伺えます。これは

借金が殆どない好財務を還元原資に出来るということもありますが、当社は

筆頭株主が従業員持株会(11.2%)であることも影響していると思われ、株主

のためというよりは従業員への還元強化の側面が強いのかもしれません。

 

*参考記事① 2017-08-13 1,082円 --

中計前倒濃厚で、上方ローリングに期待・アドソル日進(3837)。

 

*参考記事② 2016-08-05 754円* --

年率15%水準の利益成長が継続、アドソル日進(3837)。

 

 

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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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