増額ローリング後の新中計も、早くも前倒し達成圏か・アドソル日進(3837)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3837】アドソル日進(東証一部) --

現在値 1,641円/100株 PER23.0 PBR4.03 3月配当優待 9月配当優待

大企業向け大規模システムの開発に強み持つ。技術水準に定評。
配当は3月末・9月末の年2回で、合計26円のため配当利回りは1.58%となります。

アドソル日進は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で200株以上を保有する

株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.19%と

なります。なお長期優遇制度もあり、1年以上の保有で500円分のクオカードが追加進呈さ

れますので、その場合の配当優待利回りは、約2.80%まで利回りが上昇します。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 90.0億円、営業利益 4.0億円 EPS 52.7円 
■2016年3月期 売上高 104億円、営業利益 5.4億円 EPS 64.9円 
■2017年3月期 売上高 116億円、営業利益 7.6億円 EPS 59.1円 

■2018年3月期 売上高 109億円、営業利益 8.3億円 EPS 61.3円 

■2019年3月期 売上高 121億円、営業利益 10.0億円 EPS 71.5円 ce修正

□2018年9月2Q 売上高 59.3億円、営業利益 5.2億円 EPS 39.7円 
□2018年12月3Q 売上高 89.4億円、営業利益 7.9億円 EPS 60.1円(2/7)


2018年9月中間期の売上高は前期比9.9%増の59.3億円、営業利益は同23.8%増の5.1億円

となり、期初予想を上回って、トップライン段階からほぼ2桁の伸びを確保しました。主力の

社会インフラ事業については、電力・ガス自由化関連の案件が盛り返したほか、宇宙分野

が堅調に推移しましたが、前期に計上した防災関連の大型案件剥落の影響があり、概ね

前年並みとなりました。一方、先進インダストリー事業については、先進EVや自動運転に

加え、メディカル・決済分野がいずれも好調に推移したほか、横断事業のIoXエンジ(ニアリ

ング)事業についても、EMSやセキュリティ分野が拡大し、全社の業績を押し上げました。


なお、2019年3月期の通期予算については、3Q通過後に増額しており、売上高が前期比

10.4%増の121億円(従予:115億円)、営業利益は同20.4%増の10.0億円(従予:8.8億円)に

それぞれ修正し、9期連続の営業増益を予想しています。社会インフラ事業については、

電力・ガス分野において、従来の自由化案件に加えて、分社化に関する案件が増えた

ことや、先進インダストリーおよびIoXエンジ事業における先進EVや自動運転の引き合い

が増勢となっており、これら分野に絡むセキュリティ分野も複次的に伸びている状況です。

なお、増額後予算に対しても3Qは超過進捗ペースのため、再増額の可能性もあります。


前期は進行中の2019年3月期を最終年度としていた3年中計「Vision2020」の中間年度と

なっていましたが、売上高110億円(ほぼUNCH)・営業利益8億円(CAGR14%)を目標として

いましたが、何れも1年前倒で達成しました。そのため、今期を初年度とする新3年中計を

策定しており、最終年度の2021年3月期に売上高126億円(CAGR5%)・営業利益12億円

(CAGR13%)を新たな目標に据えていますが、既述の通り初年度から営業利益10億円が

射程に入ったため、増額ローリング後となる本中計も前倒しペースで進捗しています。

 

本中計期間の具体的な取り組みは「IoTからIoX」への移行であり、当社が得意とするIoT

技術とセキュリティ技術を高度融合させ、業容拡大する方針です。社会インフラ事業では、

宇宙システムや高度道路情報システム等の開拓を目指すほか、先進インダストリー事業

に関しては、先進EV自動車・自動運転領域を拡大させ、これらの注力領域に対して当社

の“LynxSECURE(※米社ライセンス)”に代表されるセキュリティを掛け合わせ、最終的な

IoXソリューションとして複合提供していくのが、基本シナリオとなります。また、これらの

オーガニック成長以外の取り組みとして、本年4月末に福岡の地場SIerであるヒューマン

テクノシステム(年商20億円、利益僅少)の三社割当を引き受けて、追加出資する予定と

なっているため、来期からの業績貢献が見込まれるほか、中計の上振れ要素となります。


株主還元については、従来の配当性向33%から「35%以上」へとさらに一段引き上げており、

配当金は【4.1→6→9.5→13→20→21→22円(従予】、と11期連続の増配を予定していまし

たが、去る2月15日に今期の配当を前期比5円増の26円とすることを明らかにしています。

そのため、中計で公表されていた2021年3月期の年間28円配に早くもリーチしてしまって

いるような状況であることから、実質無借金の好財務や、従業員持株会が実質的に筆頭

株主(10.5%)であることなども踏まえると、更に踏み込んだ株主還元に舵を切る可能性も

高く、年35円レベルの配当もそう遠くないと考えています。

 

*参考記事① 2018-09-19 1,834円 --

中計は前倒達成、セキュリティ訴求で業容拡大へ・アドソル日進(3837)。

 

*参考記事② 2017-12-21 1,257円 --

業績強含みで、高値圏でも満額の自社株買い・アドソル日進(3837)。

 


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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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