【3199】綿半ホールディングス/建設部門軟調だが、中計は1年前倒しでの達成が濃厚。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3199】綿半ホールディングス(東証一部)  NT

現在値 1,408円 P/E 13.2  P/B 1.63  3月配当 9月株主優待

長野県地盤のホームセンター(HC)と建設事業がニ本柱。
配当金は3月一括の18円のため、配当利回りは1.28%となります。

綿半ホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する9月末株主に対して、2,000円相当の長野県特産品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.69%となります(※権利確定半年前までに株主名簿確認あり)。

業績を確認していきます。
■2017年3月期 売上高 927億円、経常利益 19.9億円 EPS 68.2円 

■2018年3月期 売上高 1,023億円、経常利益 25.0億円 EPS 75.2円

■2019年3月期 売上高 1,064億円、経常利益 25.0億円 EPS 81.8円
■2020年3月期 売上高 1,201億円、経常利益 28.1億円 EPS 76.9円
■2021年3月期 売上高 1,150億円、経常利益 33.5億円 EPS 106.9円 ce修正
□2020年9月中 売上高 588億円、経常利益 24.3億円 EPS 78.0円(10/30)

2020年9月中間期の売上高は前年同期比0.1%増の588億円、経常利益は同2.4倍の24.3億円となり、売上高は予算を若干下回ったものの、利益は10億円以上上回って着地しました。主力のHC事業については、前年同期の消費増税前仮需の反動があったものの、改装店舗が好調だったため、既存店売上高は101.5%と堅調に推移しました。また、新型肺炎禍でDIY用品や園芸品等の好採算品が想定超に推移したほか、チラシ等の経費抑制が効いて、利益は一段増となりました。一方、建築事業については例年並みの売上となったものの、ららぽーと愛知東郷町駐車場等の好採算案件の引渡しが多かったものの、東京事務所閉鎖もあり先々の受注が低調に推移しました。

2021年3月期通期の予算については、既に期中に2度増額しており、売上高は前期比4.3%減の1,150億円(期予:1,202億円)、経常利益は同19.1%増となる33.5億円(期予:28.5億円)を予想しています。既に12月分まで開示されている月次状況によれば、HC事業における既存店の月次売上高は、10-12月の3Q期間も100%を大きく超える水準で推移しており、増税仮需反動で前年はハードル低いといった割引要素があるものの、順調な進捗が確認されます。一方、新型肺炎禍で上期の受注残高が217億円→111億円に半減した建設事業については、その影響が4Qに発現する見込みであり、当初増益を見込んでいた期初予想から一転して減益となる見通しです。


今期は3年中計の中間年度であり、翌2022年3月期に売上高1,200億円(CAGR4%)、経常利益32.0億円(CAGR8%)を目標に掲げていますが、トップラインはともかく利益目標については1年前倒しで今年度中に達成することが確実な情勢です。ただ会社側では、足許では経常利益率をKPIとしている旨アナウンスしており、既に2.9%水準に達しているものの、これは新型肺炎禍の“特需”でブーストしている部分があるので、表記中計目標から逆算される経常利益率である2.7%を巡航水準の目標としているものと考えられます(※本中計開始前は2.4%)。


現状、新型肺炎禍の影響で建設事業がモタついているため、トップライン成長のために引き続きMAを中心とした業容拡大策が中心になると考えられます。2019年8月には静岡県を中心に木造戸建て住宅事業を展開するサイエンスホーム(年商23億円)を買収しており、同社買収にともないのれん代が7億円が生じたものの、同社の巡航ベースの経常利益は年2億円のため、7年償却により当面は年1億円程度の利益がオンされます。これ以外にも製茶卸売・菓子製販の三原商店を完全子会社化したほか、足許昨年10月にはオンライン家具通販のリグナ、11月には佐久市を中心に調剤薬局を中心に調剤薬局を展開するほしまんを相次いで買収しており、方向性としてはHC出店増より業容ウイングの拡大により成長を図っていく方針とみられます。

 

一方、株主還元については概ね配当性向20%を基準に配当しており、業績が好調に推移している今期は前期比/期初予想比ともに1円増配となる18円を予想しています。目下の自己資本比率は28.6%で推移しており、当社は比較的MAに積極的な企業であることから、財務温存のために当面の還元水準を維持していくものと考えられます(※株主優待制度だけは分割後据置で実質的に拡充)。

 

*参考記事① 2018-01-30 2,145円*分割遡及修正済 UP

今期上振れ濃厚&中計前倒し圏も、株価は割高圏に突入・綿半HD(3199)。

 

*参考記事② 2017-01-03 821円*分割遡及修正済 NT

PB商品が選択可、綿半ホールディングス(3199)から株主優待が到着したので短評。

 

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