今期上振れ濃厚&中計前倒し圏も、株価は割高圏に突入・綿半HD(3199)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3199】綿半ホールディングス(東証一部)  -

現在値 4,290円 PER33.6 PBR3.36 3月配当 9月株主優待

長野県地盤のホームセンター(HC)と建設事業がニ本柱。
配当金は3月一括の26円のため、配当利回りは0.61%となります。

綿半ホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有

する9末株主に対して、2,000円相当の長野県特産品を進呈しております

ので、配当優待利回りは約1.07%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 853億円、経常利益 13.7億円 EPS 118円
■2015年3月期 売上高 835億円、経常利益 11.3億円 EPS 155円
■2016年3月期 売上高 887億円、経常利益 17.1億円 EPS 128円 
■2017年3月期 売上高 927億円、経常利益 19.9億円 EPS 136円 

■2017年3月期 売上高 1,013億円、経常利益 21.0億円 EPS 127.7円 ce
□2017年9月中 売上高 493億円、経常利益 9.3億円 EPS 59.9円(10/30)

2017年9月中間期の売上高は前年同期比14.5%増の493億円、経常利益は

同45.1%増の9.3億円と増収増益を確保したほか、予算比でも上振れました。

主力のHC事業では前期に買収したJマートのフル寄与にくわえ、EDLP戦略

の奏功により、既存店売上高は103.7%と非常に好調に推移しました。一方、

建築事業については、案件が下期に偏重している影響で減収減益となって
いますが、受注残高は前年同期比で12.3%増の140億円を確保しています。

なお2018年3月期通期の予算については据え置いており、売上高は前期比

9.2%増の1,013億円、経常利益は同5.8%増となる21.0億円を予想しています。

HC事業では11月末から「700品目値下げ」を実施しており、開示されている

12月までの既存店月次によれば、台風の影響で沈んだ10月を飲み込んで、
9ヶ月累計期間で102.1%と高水準をキープしています。建築事業については

ららぽーと名古屋港明の立駐工事などが今期計上(?)になるとみられます。

いずれにせよ両セグとも増収増益を見込んでいるほか、上期の上振れ分

反映されていないため、据え置いた期初予想は走破圏と推察されます。


今期は3年中計の中間年度となっており、最終年度となる2019年3月期に

売上高887→1,000億円(CAGR4%)、経常利益17.1→22.0億円(CAGR9%)を
目標に掲げていますが、1年前倒しで今年度中の達成が視野に入ります。

トップラインに関しては、2016年に年商130億円超を誇るJマート社を僅か
1.9億円という“捨て値”で買収した効果が大きく、昨年設立した共同仕入

会社による原価低減効果により、今後は利益面の貢献も見込まれます。
 

また、建築事業においては得意の立駐建設において“6層7段式”と呼ば

れる高層立駐建築で、消防規制が緩和される大臣認定を取得しており、

昨年7月には沖縄小売最大手のサンエーとパルコの肝入りの合弁事業

である、「浦添西計画」の大型立駐を受注しており、来期業績への寄与

が見込まれます。“6層7段式”の立駐は、今後は他のSCからの受注

期待されるため、中長期に建築事業の受注を下支えするとみられます。

 

・・ということで、HC事業・建築事業ともに当面の成長に陰りのない状況

であり、新しい中計数値の公表が待たれますが、株価水準について

既にHC業種や建築業種のバリュエーションをはるかに上回るレベルで

中期的な成長を織り込んでしまっています。蛇足となりますが、当社は

筆頭株主が従業員持株会であり、従前は10%を超える保有高を有して

おりましたが、直近の開示によれば、持分は既に9%台に低下しており、

主要株主から外れています(従業員の換金売りと推察されます)。

 

今後は(従業員の換金売り対策を含め)株主還元の強化も一法ですが、

MAを成長の柱とする当社にとっては、財務体質の維持も重要であり、

現状の株価水準を正当化するには、かなり難しい局面に差し掛かって

きたような印象を受けます。

 

*参考記事① 2017-01-03 1,642円 --

PB商品が選択可、綿半ホールディングス(3199)から株主優待が到着したので短評。

 

*参考記事② 2015-12-01 1,270円 ---
優待導入で株主が9千人弱へ膨張、綿半ホールディングス(3199)。

 

 

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