【3492】タカラレーベン不動産投資法人/UUR出身の宰田氏が代表就任、当面はレバ活用で対応か。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3492】タカラレーベン不動産投資法人(東証REIT) OP

現在値 88,600円/1株 PER15.2 P/NAV0.80  2月分配/優待 8月分配/優待

タカラレーベンがスポンサー。オフィスと住宅を軸にホテルなども投資対象とする総合型。

予想分配金は2月末・8月末の年2回合計5,800円配で、分配金利回りは約6.55%となります。
 

タカラレーベン不動産投資法人は投資主優待制度を導入しており、2月末・8月末に10単元以上を保有する株主に対して、2,500円分のヤマダ電機優待券を進呈しておりますので、10単元保有時限定で配当優待利回りは最大で約7.11%となります。

業績を確認していきます。

■2019年2月期_第2期 営業収益 21.3億円、経常利益 11.7億円 DPU 3,392円

■2019年8月期_第3期 営業収益 29.1億円、経常利益 16.2億円 DPU 4,686円

■2020年2月期_第4期 営業収益 30.7億円、経常利益 17.0億円 DPU 3,694円

■2020年8月期_第5期 営業収益 27.5億円、経常利益 13.9億円 DPU 3,024円

□2021年2月期_第6期 営業収益 27.5億円、経常利益 13.8億円 DPU 3,000円(10/13)修正

□2021年8月期_第7期 営業収益 26.7億円、経常利益 12.9億円 DPU 2,800円(10/13)

 

2020年8月期_第5期については、営業収益が第5期比10.6%減の27.5億円、経常利益は同18.0%減の13.9億円となり、分配金は同664円減の3,024円となりました。第4期のPO及び期中取得物件が巡航化したものの、南青山の売却益一部計上が完全に剥落することが主因ではあるものの、当局要請もあり新型肺炎による賃料減免を一部受け入れたことが減収要因となります。当法人のホテル物件は賃料固定型ではあるものの、アリエッタホテル名古屋については賃料減免したほか、住宅以外の商業やオフィスといったアセットでも数件の賃料減免を受入したため、ポートフォリオ全体で76百万円の減収(猶予含む)となりましたが、見込で空損を計上していたこともあり、概ね予算通りの着地となりました。

 

進行中の2020年8月期_第6期の予算については、営業収益は前期比0.3%増の27.5億円、経常利益は同0.8%増の13.8億円を予想しており、分配金は同24円減の3,000円を見込んでいます。新型肺炎禍による見込空損を一定程度計上するものの、3月中旬に取得した本厚木住宅の巡航寄与や、第5期に稼働率を引き上げた大宮や盛岡といったオフィスビルの上乗せが寄与します。なお10月に解約したアリエッタホテルについては、当面は敷金を賃料充当するため、この期のP/Lには影響しない見通しです。

 

また今次公表の翌2021年2月期_第7期の予算については、営業収益は第6期比3.1%減の26.7億円、経常利益は同6.6%減の12.9億円を予想しており、分配金は同200円減の2,800円を見込んでいます。これはアリエッタホテルの減収がフルでマイナス寄与するほか、第5期取得の本厚木住宅の固都税効果発現による減収が主因となりますが、第6期に期中売却することになった盛岡ビル・郡山ビルの2物件の減収は織り込まれていないため、現時点での第7期予算は減額含みとなります。

 

当法人は上場時から3~5年(2021年~2023年)を達成時期とした中期分配金目標として、一過性損益を排除した巡航分配金を現状の3,100円から、内部成長のみで3,300円、外部成長ありの場合で3,500円まで引き上げる計画を掲げています。然しながら、今般の新型肺炎の影響で巡航分配金がベースで100円程度削れてしまったので、表記の分配金の達成時期を1年引き延ばし、2022~2024年へと変更しています。なお、本年7月よりユナイテッド・アーバンCIO(その後に丸紅AM社長も歴任)の宰田哲男氏が代表就任しています。

 

財務面については、鑑定上限LTVを60%まで許容しており、現在のLTVは46.2%水準となっています。当法人は地方物件が多く、非現金支出である減価償却費が大きいことから、当面はPOをせずにレバで期中取得ないし入替方式で対応していく方針とみられます。上述の盛岡ビル・郡山ビルの売却で得たキャッシュは、スポンサーの方に溜まっているパイプラインから取得するものとみられ、稼働中の流山住宅、聖蹟桜ヶ丘住宅、船橋住宅、ドーミーイン水戸が取得候補と考えられますが、売却時同様に5%台後半の利回りを確保することは難しいと思われ、LTVを引き上げて対応することが考えられます。

 

*参考記事① 2020-06-25 90,100円 OP

【3492】タカラレーベン不動産投資法人/ホテル軟調も、デットによる期中取得で上振れ余地も。 

 

*参考記事② 2020-01-06 126,400円 OP

【3492】タカラレーベン不動産投資法人/巡航分配金3,300円射程も、初回PO評価は中立。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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