【3172】ティーライフ/“巣ごもり”需要捉えて中計は前倒し圏、EC版BPO業を志向か。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3172】ティーライフ(東証一部)  OP

現在値 1,330円/100株 PER15.3 PBR1.15 7月配当優待 1月配当

PB健康茶、化粧品をカタログ、ネットで販売。製品製造など外部委託。
配当金は年2回・合計30円配当のため、配当利回りは2.26%となります。

ティーライフは株主優待制度を導入しており、7月末の単元株主に対して1,000円分の株主優待券を進呈していますので、配当と合算した配当優待利回りは3.00%となります。

業績を確認していきます。
■2017年7月期 売上高 73.2億円、経常利益 5.4億円 EPS 107円 

■2018年7月期 売上高 72.8億円、経常利益 4.7億円 EPS 99.6円 

■2019年7月期 売上高 92.8億円、経常利益 3.5億円 EPS 57.0円 

■2020年7月期 売上高 105.7億円、経常利益 5.2億円 EPS 99.0円 

■2021年7月期 売上高 99.0億円、経常利益 5.3億円 EPS 96.5円 ce 

□2021年1月2Q 売上高  49.0億円、経常利益 3.0億円 EPS 47.1円 四e 


2020年7月期の売上高は前期比13.9%増の105億円、経常利益は同47.8%増の5.2億円となり、2桁の増収増益を確保したほか、予算も超過しました。小売事業において、新型肺炎禍の“巣ごもり”消費で全般堅調に推移したほか、トライステージ傘下の日本ヘルスケアアドバイザーズ(NHA)から漢方薬通販事業を譲受したことにより、第2種・第3種医薬品群や機能性食品の拡販が進みました。またTV通販メインの卸売業についても、在宅率の向上により好調に推移し、高麗人参サプリ「J‘s kami高麗」、「黒にんにくゼリー」の売上が拡大しました。一方、不動産事業については、掛川センターの新規取得による貢献がありましたが、修繕費増で此方は費用先行となりました。


進行期である2021年7月期の予算については、売上高が前期比6.3%減の99.0億円、経常利益は同0.8%増の5.3億円と減収を見込んでいます。小売事業については、売れ筋シャンプーの「hugm」にくわえ、プ―アール茶の新製品である「ヘルシーボ」を投入し、最注力商品として売り出します。卸売事業については掛川センターへの拠点集約の進捗による採算性の向上、不動産事業については掛川センターのテナント誘致にくわえ、周辺業務として3PLの受注拡大を目指す計画です。


今期は下方ローリング済の新3年中計の中間年度となっており、翌2022年7月期に売上高101億円(CAGR2%)、経常利益5.2億円(CAGR12%)を業績目標としてセットし直しています。従来中計における業績目標は意欲的な数値となることが多かったものの、かなり現実的な数値となっており、実際に終わった初年度で数値的にはほぼ達成と言えるような状況まで仕上がっています。

 

成長戦略としては、引き続きアクティブシニア向けの新商品開発と海外事業(台湾・上海)によるオーガニック成長とともに、MAを活用した外部成長の2本軸となります。新製品開発については、当社主要顧客層とみられる40代以降のミドル~シニア女性客に親和性が高いヘアケア事業を強化しており、「natuwig」というつけ毛ブランドを開発し、この7月に藤枝に旗艦店を開業しています。また、継続推進しているMA策については、2018年8月にインテリア雑貨等ECのライフイット(売上高12.8億円、利益は僅少)を完全子会社化したほか、2019年9月にはNHAの漢方薬等一部事業(売上高3.7億円、営業利益▲2.7億円)の事業譲受を受け、外部成長を果たしています。

 

そしてこれらのMAにより傘下に収めた企業や、本業の集約を進めており、当社グループの一大EC拠点とすべく2019年9月に約15億円を投じて延床9千坪級の掛川センターを取得しています。また、当社は自らが非常に手間のかかるB2CのEC事業者としてノウハウ蓄積があることから、袋井・掛川の両センターについては、自社運用や倉庫転貸としての利用に留まらず、他EC事業者からの保管・発送・配送の業務受託といった小口3PL事業まで請け負う“EC版BPO事業”といったことも手掛けだしており、単なるネット茶葉小売業を枠を超えた業容の拡大が進んでいる印象です。


財務面については、実質無借金状態が続き剰余金が膨れ上がっていましたが、掛川センター取得の際に借金をしたため足許では若干悪化しています。配当については、これまでは大局的に増配基調【16→20→23→25→27→28→34→34→20→30円】を継続してきたものの、今年度は30円配当の据置を予想しています。配当性向の目安は30%ながら、予算段階から34.6%水準となるため、増減配なくそのまま配当される可能性が高そうです。

 

*参考記事① 2020-06-10 1,127円 OP

【3172】ティーライフ/新型肺炎裏にTV通販が好調、予算は上振れ着地か。

 

*参考記事② 2019-12-15 858円 OP

大型物流施設取得で、利益水準回復はこれから?ティーライフ(3172)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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