大型物流施設取得で、利益水準回復はこれから?ティーライフ(3172)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3172】ティーライフ(東証一部)  OP

現在値 858円/100株 PER13.7 PBR0.79 7月配当優待 1月配当

PB健康茶、化粧品をカタログ、ネットで販売。製品製造など外部委託。
配当金は年2回合計20円配当のため、配当利回りは2.33%となります。

ティーライフは株主優待制度を導入しており、7月末の単元株主に対して1,000円分の株主優待券を進呈していますので、配当と合算した配当優待利回りは3.17%となります。

業績を確認していきます。
■2016年7月期 売上高 72.0億円、経常利益 4.4億円 EPS 79.2円
■2017年7月期 売上高 73.2億円、経常利益 5.4億円 EPS 107円 

■2018年7月期 売上高 72.8億円、経常利益 4.7億円 EPS 99.6円 

■2019年7月期 売上高 92.8億円、経常利益 3.5億円 EPS 57.0円 

■2020年7月期 売上高 93.7億円、経常利益 3.7億円 EPS 63.5円 ce

□2019年10月1Q  売上高  23.2億円、経常利益 0.8億円 EPS 12.1円(12/4)
□2020年1月2Q 売上高  45.5億円、経常利益 1.9億円 EPS 28.2円 四e

2019年7月期の売上高は前期比27.4%増の92.8億円、経常利益は同24.3%減の3.5億円となり、2桁の減益となったものの、期初予算水準を着実にクリアしたほか、トップラインが好伸しました。前期に完全子会社化したライフイット(年商12.8億円)が通期で寄与したほか、「ダイエットプ―アール茶」や「メタボメ茶」といった従来の定番商品のほか、第3種医薬品「ピュアホワイト」、第2種医薬品「防風痛聖散」といった医薬品・機能性表示食品のラインナップを拡充した結果、販売が想定超で推移しました。2割強の増収ながらも減益となったのは、新シャンプー等の次世代商品や、台湾・中国等のアジア圏開拓を企図した先行投資費用を積み増したことによります。


進行期である2020年7月期の予算については、売上高が0.9%増の93.7億円、経常利益は4.4%増の3.7億円とほぼ横ばいを見込んでいます。今期は上述したような第2種・第3種医薬品群や「ピント一番ゴールド」といった機能性商品の拡販のほか、日本ヘルスケアアドバイザーズ(NHA)から事業譲受した漢方薬通販事業の追加により、ラインナップの拡充効果が見込まれます。また、卸売事業についても、主力の」北欧家具の「Danfill」、高麗人参サプリ「J‘s kami高麗」を中心に好調なTVショッピングの強化を図る方針です。尚、去る12月4日に1Qが開示されていますが、現時点ではおおむね予算水準での進捗とみられます。


今期は下方ローリング後の3年中計の最終年度となっており、本来的にはこの2020年7月期に売上高100億円(CAGR11%)、経常利益7.6億円(CAGR12%)を目指していましたが、終わってみれば修正予算に対しても大幅な未達となる見通しです。ただ今回開示した新3年中計では、2022年7月期売上高101億円(CAGR2%)、経常利益5.2億円(CAGR12%)を置きなおしており、これまでの中計数値感は爪を伸ばした印象が強かったものの、かなり保守化させてきた印象を受けます。

 

成長戦略としては、引き続きアクティブシニア向けの新商品開発と海外事業(台湾・上海)によるオーガニック成長とともに、MAを活用した外部成長が基本軸となります。MAについては、2018年8月にインテリア雑貨や、ベビー用品・登山用品などのECであるライフイット(売上高12.8億円、利益は僅少)を完全子会社化したほか、本年9月にはトライステージからNHAの一部事業(売上高3.7億円、営業利益▲2.7億円)の事業譲受を受けており、これら買収効果による上乗せもあって近年はトップラインは順調に増加しています。ただ当社の場合、これらMAによる効果が同じEC・TV通販内で取り扱うといった“足し算”止まりであり、今後の利益率の改善はこれら買収企業・事業のシナジー創出がポイントとなりますが、その一つの解決策として、本年9月に推定15億円程度を投じてヨシコンから延床9千坪級の掛川センターを取得しています。こちらにバラバラの子会社を寄せ集めて、有機的に結合していけるかどうか(最悪でもEC等の他社に転貸してプロパティ事業として家賃を稼げるかどうか)が、中長期的な利益良化のポイントになろうかと思います。

財務面については、毎期の利益の積み上げが進んでおり、実質無借金で剰余金が膨れ上がっていましたが、既述の掛川センターの取得のために有利子負債を積み増したため、足許の財務は多少悪化してきています。配当については、これまでは増配基調【16→20→23→25→27→28→34→34→20→20円(予】を継続してきたものの、今期も20円止まりとなる見通しです。これは公表配当性向である約30%を機械的に適用してきているものとみられますが、今後のMAや施設増強のための資金温存・バンカビリティ確保を意図していると考えられます。

 

*参考記事① 2018-12-10 1,136円 OP

想定外の大幅減配は、物流賃貸業本格化の兆し?ティーライフ(3172)。

 

*参考記事② 2017-11-21  1,392円 OP

今期はまさかの減益予想も、還元余力をもて余す・ティーライフ(3172)。

 

 

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