分配金成長の蓋然性は随一・三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(3471)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_8138.jpg

【3471】三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(東証REIT) NT

現在値 463,000円/1株 PER40.6 P/NAV1.45 1月分配 7月分配 投資主優待なし

物流特化型、スポンサーは三井不動産。REITの中では屈指の低LTV運用に特徴。
予想分配金は年2回の合計12,887円配のため、予想分配金利回りは約2.78%です。

業績を確認していきます。

■2018年1月期_第3期 営業収益 26.2億円、経常利益 11.8億円 DPU 5,563円 

■2018年7月期_第4期 営業収益 31.4億円、経常利益 14.4億円 DPU 5,832円 

■2019年1月期_第5期 営業収益 32.8億円、経常利益 15.2億円 DPU 6,105円 

■2019年7月期_第6期 営業収益 49.6億円、経常利益 22.0億円 DPU 6,496円(9/13) 

■2020年1月期_第7期 営業収益 50.7億円、経常利益 22.1億円 DPU 6,541円 ce 

■2020年7月期_第8期 営業収益 50.8億円、経常利益 21.0億円 DPU 6,346円 ce 

 

2019年7月期_第6期の営業収益は第6期比51.5%増となる49.6億円、経常利益が同44.9%増の22.0億円となりました。分配金については同391円増となる6,496円となり、こちらは期初予想との比較でも81円の上振れとなりました。大幅な増収増益となったのは、本年2月のPO(後述)による物件取得による上乗せ効果によるところが殆どであるものの、第5期中取得の「つくば」の巡航化や太陽光発電収入の増加が増収寄与しました。その一方、第4期及び第5期取得物件の固都税費用化と運用報酬増加が重く、PO希薄化後のEPUベースでは第5期比マイナスとなる見通しでしたが、新規取得物件の営業費用を保守的に想定していたものとみられ、EPUも結局プラスとなりました。また、分配金のうちOPD(利益超過分配)も第5期比で410円積み増して吐き出す予想をしていましたが、好調な運用実態を反映し、積み増し幅を363円へと圧縮しています。


2020年1月期_第7期の予算については、営業収益が第6期比2.2%増の50.7億円、経常利益は同0.5%増の22.1億円を予想しています。分配金については同45円増の6,541円と増配を予想していますが、うちOPDについても同13円積み増しの698円を予定しています。2月のPO取得物件である「日野(10%)」「稲沢」「厚木Ⅱ」「つくば(40%)」「福岡Ⅰ」「IP印西」の巡航化が増収寄与する一方で、これら巡航物件の原価計上と、運用報酬の増加が見込まれるものの、PO費用の剥落もあり微増益を確保する見通しとなっています。

 

当法人は本年2月にグローバルオファリングにより、353億円(@313,986円)を調達し、上述の6物件を取得しました。発行済投資口数が4割以上増えるメガトン案POであり、NAVスレスレだったものの、ローンチ時のインプライド・キャップレートである4.4%を超過する鑑定NOI4.8%での取得となったほか、元より低水準であった財務レバレッジを“使う”形で、LTVを27.2%→32%水準まで引き上げて収益性を高める予定の資金調達であったことが評価されたオファリングとなりました。そのため、皮肉にも想定よりも高い価格で公募価格が決定することとなり、結果的に財務余力は温存されることとなりました(注:エクイティ調達額が増えてレバの引き上げが甘くなってしまったので、本来第6期の分配金はもっと多かったとみられる)

 

そのため、LTVは引き続き30%未満(今期末推定27.6%)に留まっており、三菱地所物流(3481)を除いてLTV40%水準が多い他の物流REITと比べた取得余力は非常に大きい状況です。当面はレバを効かせるだけでも、年率換算で5%程度の分配金成長はほぼ確実に達成可能とみられ、その原資となる三井不動産からの物件パイプラインは9物件・2,300億円程を確保しています。当法人は中長期的な目標として、2020年度までにAUM2,000億円(現在は1,567億円)を掲げていますが、この目線はかなり保守的であり、仮にLTVを現行水準から1000bps.程上乗せしてレバレッジを上げていくのであれば、年500円程度(期当たり250円)の増配でも楽々達成出来るものと判断しています。現状の株価水準は2月のPO時点よりもかなり高く、インプライド・キャップレートも3.6%程ですので、有り体に言えばどんな物件を放り込まれても易々と外部成長出来る状態と言えます。

 

*参考記事① 2019-05-31 349,500円 NT

REIT屈指の分配金成長力に期待、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(3471)。

 

 

会社四季報 2020年1集新春号 

新品価格
¥2,300から
(2019/12/8 15:29時点)

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 

特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村