【3474】G−FACTORY(東証マザーズ) OP
現在値 377円/100株 PER--.- PBR1.59 12月無配 6月株主優待
店舗型サービス業向け、内容設備リース等を提供。うなぎ専門店も運営。
配当基準日は12月ですが、配当実績はなく、今期も無配予想です。
G−FACTORYは株主優待制度を実施しており、単元株を保有する6月末株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、優待利回りは約2.65%となります。
業績を確認していきます。
■2017年12月期 売上高 29.0億円、営業利益 3.5億円 EPS 27.2円
■2018年12月期 売上高 29.1億円、営業利益 2.3億円 EPS 22.9円
■2019年12月期 売上高 39.5億円、営業利益 0.0億円 EPS▲16.5円
■2020年12月期 売上高 (未定)億円、営業利益 (未定)億円 EPS (未定)円 ce修正
□2020年6月中 売上高 18.5億円、営業利益▲0.4億円 EPS▲11.4円(8/13)
2020年6月中間期の売上高は前年同期比3.2%増の18.5億円、営業利益は同赤転の▲0.4億円となり、中間予想非開示のため計画比不明ながら減益での折り返しとなりました。経営サポート(厨房機器等のリース)事業については、引き続き自社リース会社による自ら賃貸へとシフトしているためトップラインが縮みがちではあるものの、年初からの新型肺炎影響の本格化により飲食事業者の新規出店意欲が後退したほか、最終的には家主に転嫁しているとみられるものの家賃減額に応諾したことも響きました。飲食事業については、前期取得のMIT社の通期寄与が始まったものの、ディナー業態の多い同社は新型肺炎の影響を大きく受けましたが、うなぎの「宇奈とと」については配達・持ち帰りに注力した結果、前年同期の9割前後の売上を確保した模様です。
なお2020年12月期の通期予算については、期初時点では売上高が前期比12.2%増の44.3億円、営業利益は同10倍強の0.7億円を予想していましたが、新型肺炎を理由に未定へと修正しています。主力の経営サポート事業については、サブリース店舗の賃料収入の減少や厨房機器等リース料の減少が見込まれる一方、退店支援業務や好立地空物件増加により引き合いが増加していることから、多少の穴埋めが期待されます。飲食事業については、配達・持ち帰りの親和性が高い「宇奈とと」については底堅い推移が見込まれる一方、MIT社が展開する高級業態は戻りが鈍い状況であり、同様にまちまちの状況となっています。そのため、全社トータルの通期落着については飲食事業が足を引っ張る形で、損益均衡水準ないしは赤字圏まで突っ込む公算が高そうです。
終わった2019年12月期は3年中計の最終年度であり、業績目標値として売上高38.0億円(CAGR14%)、営業利益6.8億円(CAGR15%)を目指していましたが、売上高は超過達成、利益は大幅未達となりました。サブリースと内装設備の自ら賃貸を柱としたストック型のモデルへの転換を志向していたため、リース会社への紹介手数料といった採算性の高い一過性スポット収入が剥落したものの、2019年に約2.7億円(借入金考慮後純額)で買収したMIT社の年商が10億円弱あったため、トップラインが押し上がった格好となります。一方、利益面については、新卒を含む採用強化による人件費や教育費用の増加にくわえ、純資産が殆ど無いMIT社ののれん代が2.7億円発生しており、これを5年で償却することから、年▲0.5億円強の営業減益要因(そもそもの同社利益は僅少)を新たに背負ってしまい、最終的には均衡圏にまで沈むこととなりました。
現段階では新たな中計については公表されていないものの、国内については新型肺炎禍で閉店した居抜き店舗の獲得を軸に経営サポート事業の業容拡大を図るほか、飲食事業についてはUber宅配を前提とした「宇奈とと」のゴーストレストラン化と、FCでの拡大を図る方針です。また、一足早く「宇奈とと」のFC展開が進んでいる海外事業については、既に香港5店・タイ1店・ベトナム1店の出店を済ませており、ロイヤリティや鰻等食材の輸出卸売収入の増加を目指すほか、現地店で練度が上昇したスタッフを即戦力人材(特定技能ビザ)として、人材不足の日本で登用するスキームを推進しています。ただこうした取組自体は進むとみられるものの、収益貢献には相応の時間を要するとみられるため、あくまで当面は本業の経営サポート事業の回復が待たれます。
なお、配当については無配を予定しています。2016年の上場時の公募で約6億円(@648円)を調達しており、新型肺炎禍の当座運転資金確保のための追加借入を考慮してなおネット無借金となっています。そのため自己資本比率は依然3割水準をキープしており、当面無配が予想されるものの、資金繰りの心配については特段必要ないものと考えています。
*参考記事① 2019-10-28 377円 BY
高級店運営のMITを子会社、業容拡大で改めて期待・G-FACTORY(3474)。
*参考記事② 2018-11-15 503円 OP
国内競合手強く海外注力中だが、今期も中計も未達ほぼ確実か・G−FACTORY(3474)。
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