【7674】NATTY SWANKY(東証マザーズ) BY
現在値 2,421円/100株 PER--.- PBR2.95 6月配当株主優待 12月株主優待
ギョーザを軸にした居酒屋「肉汁餃子のダンダダン」を首都圏を軸に展開。
配当基準日は6月末であり、実績ベースでは年5円のため配当利回りは約0.2%となります。
NATTY SWANKYは株主優待制度を実施しており、単元株を保有する6月末株主に対して、10,000円分の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約8.46%となります。
業績を確認していきます。
■2017年6月期 売上高 20.2億円、営業利益 0.8億円 EPS 14.4円
■2018年6月期 売上高 29.3億円、営業利益 1.6億円 EPS 69.7円
■2019年6月期 売上高 39.8億円、営業利益 3.1億円 EPS 126.2円
■2020年6月期 売上高 42.5億円、営業利益 0.1億円 EPS▲75.8円
■2021年6月期 売上高 (未定)億円、営業利益 (未定)億円 EPS(未定)円 ce
□2020年12月中 売上高 20.0億円、営業利益▲0.2億円 EPS 0.0円 四e
2020年6月期の売上高は前期比6.8%増の42.5億円、営業利益は同97.0%減の0.1億円となり、期初予想を大幅に下回って均衡圏スレスレでの着地となりました。既存店売上高については、本年2月までは概ね100%水準を挟んで堅調に推移していたものの、新型肺炎が本格化した3月以降は50%前後にまで沈んだため、12月間ならしの同売上高は84.4%に留まりました。なお出退店については、3Qまでは概ね計画どおりの出店が出来ていたことから、直営店を中心に16店を出店(2店の退店)となり、期末の総店舗数は直営/FCを合わせて90店となり、結果としてトップラインについては相当程度の増収を確保できた格好となります。
進行期である2021年6月期の予算については、新型肺炎禍の影響が不明であることから期初時点から未定としています。出店については4月から4ヵ月間に渡って新規出店を見送ってきたものの、8月からは出店を再開しており、住宅街店舗を中心に10店ほどの出店を予定しています。既存店売上高については、既に9月末までの期初3ヶ月間が開示されており、65.0%→75.9%→77.3%と右肩上がりで良化しているものの戻りが緩慢であり、住宅街店舗は堅調であるものの、オフィス・繁華性立地の店舗が苦戦しているような状況となっています。また、客数の大幅減を宅配・テイクアウトによる“まとめ買い”で客単価を大幅に押し上げているような格好であり、店舗により売上にかなりのムラがあるものと推察されます。なお当社の損分点については、既存店売上高でおよそ75%水準が目安となることから、足許の月次動向を鑑みれば通期での黒字確保は可能とみられます。
当社はIPOして間もないこともあり、中長期的な業績の定量目標は開示していません。現時点ではまだ運営店舗数が100店に満たない(期末90店)ことにくわえ、出店済店舗のロケーションについても1号店である調布を中心とした京王線の沿線とその周辺のドミナント展開となっていることから、まだ都内にも多くの出店余地を残しており、単純な大量出店による拡大策が効くフェーズとなっています。会社側では一都三県における260駅を重点エリアに定め、物件情報の獲得と直営店を中心に出店の機会を伺う形となります。直近1年では、高幡不動と新宿こそ京王線だったものの、国立・小金井・ひばりが丘・狛江・相模原といった京王線北側・南側にじわり出店しています。
一方、地方については出店済の福岡の3店をはじめ、札幌や新潟、広島、高松、熊本といった中核都市からの出店オファーが相次いでいるだめ、会社側では地元の有力FC企業と提携して一つの地方で複数店舗を展開させていく青写真を描いているようです。直近1年では仙台国分町と札幌にFC方式で出店を果たして進出を開始したほか、既に広島と宇都宮での出店が内定している模様です。特に餃子の本場である宇都宮での出店は今後のFCビジネスを拡大させる上で、当社看板商品である肉汁餃子の商品競争力を証明する上で非常に重要な戦略出店となります。
そして出店の原資となる資金については、昨年3月の上場時にOA込で約15億円(@3,270円)を調達しているものの、既に大凡使いきってしまっているため、この5月には新型肺炎の資金繰りも兼ねて主力4行に対して合計15億円分のコミラインを引いており、この未行使部分も全て行使することで出店費用に充てていく方針です。そのため、期末時点の自己資本比率は50%近傍の水準ですが、これは40%台まで悪化するものとみられますが、財務的にはなお余力が残っている状況のため、未定としている予想配当も「年5円+α」、の水準で配当される公算が高いと考えています。
*参考記事① 2019-12-04 3,660円 OP
FC展開による加盟金と卸売上の獲得が論点、NATTY SWANKY(7674)。
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