【9946】ミニストップ/公表ベースでは通期未定も、社内予算では均衡圏が目標か。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9946】ミニストップ(東証1部) NT

現在値 1,455円/100株 PER--.- PBR1.08 2月配当優待 8月配当優待

イオン系コンビニで業界4位。関東、東海地盤。ファストフードに強み。
配当金(実績)は年2回合計で22.5円のため、配当利回りは約1.54%となります。

ミニストップは株主優待制度を導入しており、2月末・8月末の単元株以上の株主に対し、ソフトクリーム券を5枚進呈していますので、1枚220円換算した場合の配当優待利回りは約3.05%となります。

業績を確認していきます。     
■2017年2月期 売上高 1,969億円、経常利益 22.8億円 EPS  7.4円 
■2018年2月期 売上高 2,069億円、経常利益 11.9億円 EPS▲32.9円 

■2019年2月期 売上高 2,053億円、経常利益 7.4億円 EPS▲31.6円 

■2020年2月期 売上高 1,934億円、経常利益▲21.2億円 EPS▲196.6円 

■2021年2月期 売上高(未定)億円、経常利益 (未定)億円 EPS (未定)円 ce

□2020年8月中 売上高 946億円、経常利益▲5.0億円 EPS▲68.9円 四e


2020年2月期の売上高は前期比5.8%減の1,934億円、経常利益は同赤転の▲21.1億円となり、減収減益となったほか期初予算比も大きくショートして着地しました。昨年7月から恒常的におにぎり100円販売を開始したことにより、下期にかけて客数・単価ともに回復し、“ついで買い”効果等により店頭FF品のタピオカドリンクやチーズハットグが伸びたものの、冷夏の影響もありソフトクリームやハロハロが伸び悩みました。その結果、国内既存店売上高は同100.6%と前年クリアとなったものの、予算前提の同101.2%に届きませんでした。売上のわりに利益が大きく毀損したのは、たばこや店頭FF品といった好採算品のミックス低下によります。なお総店舗数に関しては、国内は大幅減少・海外は増加となり、ネット純減99店・期末の総店舗数は5,350店となりました。


進行期である2021年2月期の予算については、新型肺炎の影響を合理的に算出することが難しいことから正式開示ベースでは未定となっていますが、参考値公表ベースでは売上高2,020億円、経常利益1.0億円(既存店売上高前提は100.1%)。図らずも昨年半ばより一部店舗(200店弱)で時短営業を試験運用し、今期より本導入しているため、新型肺炎で入客減少が懸念されるものの、深夜営業(24時~5時)の休止により採算性の底上げが期待されます。また、昨年開始したおにぎり100円販売とコーヒー80円販売の抱き合わせで朝食市場の取り込み強化を図るほか、実績期で大幅に減らした国内店舗数を純増80店程度まで引き上げる計画です。なお、海外主要国(韓国・中国・ベトナム)についても売上減に見舞われているものの、時短・休業店は僅かとなっています。

 

新型肺炎禍という状況もあり、目下走っている中期経営計画はないものの、中期的な取り組みとして、①PVシフト、②FCモデル刷新、③ソフトクリーム事業拡大、といった戦略を掲げています。①については弁当ベンダーから直接仕入れるよりも好採算であろうイオンのトップバリュ製品への切替、②については世の中的にコンビニ本部に対する“風当たり”が強くなっていることへの対応として、廃棄弁当やアルバイト人件費・社会保険料、家賃といった店舗運営経費を本部共通化するとともに、営業時間もオーナー側の意向を汲むスキームを導入し、FC加盟店の士気向上(働き方改革)を進める方針です。

 

③については一定のブランド力がある当社ソフトクリームに特化した専門店を集中展開する方針であり、早期100店体制を目指しています。また、カフェ等へのライセンス方式でソフトクリームマシンの貸与と原材料供給を行うスジャータ方式?での展開も併せて実施します。現状、専門店については「MINI SOF」を4店舗(横浜地下、京都五条、西新宿、吉祥寺)出店しているほか、「Softcream Time」というワッフルやスムージーも提供する上級業態を3店舗(溝の口、越谷LT、梅田)出店していますが、当社全体の店舗数との比較ではまだ僅少であるため、収益貢献するには相当な時間があかるとみられます。

 

なお株主還元についても、今期配当未定となっていますが、有利子負債をネットしてなお100億円超の現金を抱える好財務状態であるため、配当額の水準感はともかく有配(※想定年15円~22.5円)を維持するとみられます。当社も以前はイオンFS株式を20億円持っていたりと、イオン系各社の有価証券を多く保有していましたが、処分させられてP/Lの穴埋めに使われてきた経緯はあるものの、財務状況は依然として余裕があるものと考えています。

 

*参考記事① 2019-01-04 2,059円 NT

イオンと三菱商事の提携解消で、いよいよ本体に接近か・ミニストップ(9946)。

 

*参考記事② 2018-05-25 2,285円 NT

“まいばすけっと”前社長が会長職に就任、ミニストップ(9946)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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