【9946】ミニストップ(東証1部) --
現在値 2,059円/100株 PER68千倍 PBR1.08 2月配当優待 8月配当優待
イオン系コンビニで業界4位。関東、東海地盤。ファストフードに強み。
配当金は年2回合計で45円のため、配当利回りは約2.19%となります。
ミニストップは株主優待制度を導入しており、2月末・8月末の単元株以上の株主に対し、
ソフトクリーム券を5枚進呈していますので、1枚220円換算した場合の配当優待利回りは
約3.25%となります。
業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 1,621億円、経常利益 41.6億円 EPS 30.3円
■2016年2月期 売上高 2,135億円、経常利益 36.5億円 EPS 33.4円
■2017年2月期 売上高 1,969億円、経常利益 22.8億円 EPS 7.4円
■2018年2月期 売上高 2,069億円、経常利益 11.9億円 EPS▲32.9円
■2019年2月期 売上高 2,200億円、経常利益 27.0億円 EPS 0.03円 ce
□2018年8月中 売上高 1,064億円、経常利益 20.1億円 EPS 24.5円(10/10)
2018年8月中間期の売上高は前年同期比0.8%増の1,064億円、経常利益は同4.3%増の
20.1億円となり、増収増益となったほか、利益予算もクリアしました。国内既存店売上高
の予算前提100.5%に対して、98.7%に留まったたため、トップラインはショートしたものの、
夏場の記録的な猛暑により、利幅の高いハロハロ等の店内加工コールドスイーツが伸び
たため、利益面は順調な仕上がりとなりました。また韓国を中心とした海外も、タバコ販売
の減少にともなう売上減少が響き、既存店売上高は国内とほぼ同水準の98.4%に留まりま
した。なお総店舗数に関しては、純増17店の5,436→5,453店となったものの、期初計画の
純増323店の達成にはほど遠いペースでの進捗となっています。
なお、2019年2月期の通期予算については据え置いており、売上高は前期比6.3%増となる
2,200億円、経常利益は126.3%増の27億円を予想しています。既述のとおり、国内の出店
もかなり遅れて進捗しているため、今期業績への上乗せ幅も限定的となるほか、既存店売
上高も予算前提から凹んで推移しているため、トップラインの達成は絶望的な状況です。
他方、海外事業の出店についても、FC中心の韓国やフィリピンの出店が進んでいない点
にくわえ(フィリピンに至っては純減している)、現法による直営出店が多いベトナムは今期
110→200店、へと90店増やす計画ですが、こちらも上期純増は14店に留まっているため、
既存店売上のみならず新店による上乗せも期待出来ない状況です。ただ、利益予算つい
ては、上期の超過分と出店未達による費用浮きにより、達成する可能性を残しています。
当社は昨年5月よりイオン本体出身の藤本常務が社長へ昇任しているほか、本年2月から
“まいばすけっと”を事業開発を行い、イオン小型店事業のトップだった大池専務が代表権
を持った当社会長に就任し、2人代表制を敷いています。このように外形的にもイオンの支
配が強くなっていることは明らかであり、本年11月には資産効率化の名のもとに当社が保
有するイオンFS株を百万株(約20億円)をイオンに売却させられています。折しもイオンは、
SM事業各社の統合を全国的に進めている最中であり、当社をはじめとする小型店事業の
みイオン再構築構想から取り残されることは考えずらく、“手打ち”が始まったとみられます。
実はこれはイオンの内側だけの話ではなく、これまでイオンの筆頭株主として4.6%の持分を
保有していた三菱商事がその半分程を売却し、昨年末に資本業務提携を解消したことが関
係しているとみられています。その背景には、三菱商事側がイオン及び当社に対して傘下の
ローソンへの合流を改めて打診していたようですが、イオンが固辞したことが原因にあるよう
であり、それが事実であるとすれば、ローソンと当社の統合の目は薄れたと思われます。
その場合、当社の生き残りが難しい状況は変わらないので、やはりイオンの小型店事業の
まいばすけっととの統合が現実的であり、先に述べた再構築構想へと行きつく形となります。
*参考記事① 2018-05-25 2,285円 --
“まいばすけっと”前社長が会長職に就任、ミニストップ(9946)。
*参考記事② 2017-05-26 2,319円 --
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