【3458】シーアールイー/傘下REITが2ndPOを成功、物流選好の流れで飛躍期入りも。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3458】シーアールイー(東証1部)  OP

現在値 1,380円/100株 PER26.7 PBR1.96 7月配当優待 1月優待

物流施設の賃貸管理、開発、アセットマネジメント。首都圏地盤。
配当金は7月末の一括の21円配当のため、配当利回りは1.59%となります。

 

シーアールイーは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末の単元保有株主に対して、500円分、7月末の株主に対しては1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.60%となります。

業績を確認していきます。
■2016年7月期 売上高 338億円、経常利益 41.2億円 EPS 99.2円 
■2017年7月期 売上高 404億円、経常利益 49.5億円 EPS 146円 

■2018年7月期 売上高 335億円、経常利益 31.0億円 EPS 83.3円 

■2019年7月期 売上高 239億円、経常利益 13.8億円 EPS 27.9円 

■2020年7月期 売上高 436億円、経常利益 21.0億円 EPS 51.7円 ce
□2020年1月中 売上高 114億円、経常利益 4.5億円 EPS 12.1円(3/12)

 

2020年1月期の売上高は前年同期比17.7%増の114億円、経常利益は13.3%増の4.5億円での落着となり、期初予算との比較は無いものの2桁の増収増益となりました。主力の物流投資事業については上期竣工が無かったものの、PM事業においてML契約の増加やロジコムの買収効果により管理面積が順調に伸長しました。一方、AM事業については傘下REITの一時金収入の剥落により減収減益となったものの、当社はPM事業におけるFee収入の構成比の方が圧倒的に大きいため、PM事業メインで全社業績を底上げした格好となります。


なお2020年7月期の通期予算については期初のものを据え置いており、売上高が82.1%増の436億円、経常利益は52.0%増の21.0億円と大幅な増収増益を予想しています。物流投資事業においては、前期からの期ズレとなっていた竣工済3物件「LS千歳」「LS川越Ⅱ」「LS上尾」と今期竣工予定の「三芳」の販売を予定しており、前期販売が「LS川越」の1物件だけだったことから、当該セグで大幅増を見込んでいます。また、ストック型のPM事業やAM事業についても、買収したロジコムの通期稼働化が見込まれるほか、傘下REITが1月にPOを実施(※後述)したため、この一時金収入の計上が見込まれるものの、当社における今期販売物件は3Qではなく4Q期間での計上とみられます。

 

今期は3年中計の中間年度となっており、翌2021年7月期に売上高600億円(CAGR21.3%)、営業利益50億円(CAGR16.2%)、向こう3年間の投資額は900億円を計画しています。本中計の成長ドライバーは2017年2月に公募REIT成りを果たした「CREロジスティクスファンド投資法人」であり、今後の開発物件は原則として当該REITに下す方針としています。傘下REITは上場して暫くは株価的にも“鳴かず飛ばず”状況が続いたものの、昨今の物流施設選好の流れや経営陣による投資口買い増しといったコミットメント効果も相俟って、株価を順調に回復させ、本年1月には2回目のPOを成功させるまで順調に成長しました。同REITは今次POで「草加」「八潮」「瑞穂A」「瑞穂B」を取得していますが、これらは全て当社開発ではあるもののウェアハウジング済であり、業績にはほぼ寄与しませんが、REITが順調にスケールアップしている点は中長期的な当社業績に資するものと考えています。

 

また、REIT以外では、2018年12月にグロームHD傘下の中核会社である同業のロジコム(年商40億円、利益は僅少)を20億円超で買収しました。ロジコムは物流不動産の老舗企業であり、小さい上場会社を一つ丸飲みしてしまったようなものなので、管理床面積を一気に25%も上積みしたほか、物流不動産業界における当社のプレゼンスを確固たるものとしています。そのため、これら矢継ぎ早の取り組みや、今期販売予定の「三芳」を控除し、開発予定の「ふじみ野」を加算した今後のパイプライン面積は既に約10万坪(※今期販売予定は約3万坪とみられる)を確保していることから、表記中計の目標値は達成する公算が高いと考えております。

 

財務の状況については、ロジコムの買収に20億円を投じたこともあり、自己資本比率で30%水準を割り込んでおり、まだ高水準ではあるものの、足許の高株価を鑑みると増資の可能性も留意する必要があろうかと思います。配当予想については1円増配となる22円を予想していますが、当社はPM事業やAM事業で得られた“ストック収益”」の半分をメドに配当とすることにしているため、その計算式に照らしたものとなります。

 

*参考記事① 2018-12-17 1,011円 OP

まさかのロジコム買収で、REIT以外にも業容拡大・シーアールイー(3458)。

 

*参考記事② 2018-05-12  912円*分割修正済 OP

念願の傘下REIT上場だが、基本はケネディクス頼り・シーアールイー(3458)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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