【3458】シーアールイー(東証1部) ーーー
現在値 1,823円/100株 PER23.0 PBR1.48 7月配当優待 1月優待
物流施設の賃貸管理、開発、アセットマネジメント。首都圏地盤。
配当金は7月に一括の30円配当のため、配当利回りは1.65%となります。
シーアールイーは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末の単元保有株主に対し、
500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.19%となります。
業績を確認していきます。
■2014年7月期 売上高 220億円、経常利益 23.5億円 EPS 161円
■2015年7月期 売上高 252億円、経常利益 21.8億円 EPS 144円
■2016年7月期 売上高 338億円、経常利益 41.2億円 EPS 198円
■2017年7月期 売上高 404億円、経常利益 49.5億円 EPS 292円
■2018年7月期 売上高 315億円、経常利益 15.0億円 EPS 78.6円 ce
□2018年1月中 売上高 89.5億円、経常利益 4.6億円 EPS 18.5円(3/13)
2018年1月中間期の売上高は前年同期比12.8%増の89.5億円・経常利益は同1.6倍となる
4.6億円での着地となりました(期初時点の中間予想は非開示)。物流投資事業においては
上期の引渡物件はなく、セグメント売上高は僅か12百万円程に留まりましたが、PM事業に
於けるマスターリース物件が高稼働を維持したほか、2月に上場した「CREロジスティクス
ファンド投資法人(※後述)」のAMFeeや、アレンジメントFeeの計上がありました。
なお、2018年7月期通期の予算については据え置いており、売上高が22.2%減の315億円、
経常利益は69.7%減の15億円としています。物流投資事業では、3Qに傘下REITに卸した
「LS守谷」「LS鳥栖」にくわえ、既に竣工済の「LS千歳」「LS川越」をくわえた合計4物件の
販売を予定しているものの、前期に計上した15千坪を超える「LS浦和美園」のような大型
物件の販売が無いため、大幅な減収減益となります。ただ持分法会社であるエンバイオ
HD(6092)が好調なため、その分の持分利益が上振れする可能性はあります(影響僅少)。
2016年に私募REITとして運用を開始した「CREロジスティクスファンド投資法人」が本年
2月7日に念願の上場REIT成りを果たし、従来のようにリース会社に“ウェアハウジング”
しなくても、直接卸せるようになりました。公開価格@110,000円で上場したものの、当時
は地合が非常に悪く@104,500円で初値形成となりましたが、足許では@115,660円まで
順調に株価を回復させているため、今後も主スポンサーである当社の物件の“出口”と
して、POを軸とした外部成長が期待されます。
ただ当社の場合、中長期的な目標KPIをいくつか掲げているものの、肝心の業績の定量
目標値は設定していません。一応の目標AUMは5,000億円としており、足許では1,000億
円を超える水準に達しているものと推察されますが、目標には程遠い状況です。一応、
大株主であるケネディクス(4321)は自らがメインスポンサーとしては複数の上場REITを
有しているものの、物流REITだけは保有しておらず、本年1月にはマイナースポンサー
であった「日本ロジスティクスファンド投資法人」の運用会社株を、三井物産AMに一部
譲渡してしまったので、殆ど関与しなくなっています。よって、ケネディクスとしては物流
アセットについては、当社および当社REITを核として考えている可能性が高く、今後は
必然的に同社からのサポート拡大が期待されます。
なお財務に関しては、中間時点の自己資本比率で40%弱をキープしており、一旦は資金
調達懸念は遠のいていますが、当社は基本的には開発型の不動産業であり、資金力
が全てなので、どのタイミングで増資をしてもおかしくないことには留意する必要があり
ます(会社側もそれを匂わせているフシがあります)。ただその一方で、減益予想ながら、
配当を20→30円に増配しているほか、10億円(約4.72%)もの自社株購入枠を設定して、
実際に半分くらいまではしっかり買ってきているようですので、少なくとも今年いっぱい
くらいは増資してくる可能性はかなり低く、現株価水準は会社側としても“安い”という
認識をしているような印象を強く受けます。
*参考記事① 2017-11-17 1,505円 ---
今期中の「公募REIT成り」が業績より重要、シーアールイー(3458)。
*参考記事② 2017-05-07 1,612円 ---
REIT上場控え、ケネディクスの持分法会社へ。シーアールイー(3458)。
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