【3648】AGS(東証1部) NT
現在値 694円/100株 PER30.1 PBR1.05 3月配当優待 9月配当優待
独立系の情報システム会社。データセンター運用。りそな向けが3割。
配当は3月末・9月末の年2回合計11円配当のため、配当利回りは1.59%となります。
AGSは株主優待制度を導入しており、3月末の単元株主には1,000円のVJAギフトカード、
9月末の株主には1,000円のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは4.46%
となります。なお3月末・9月末優待ともに1年以上保有を継続することが、優待進呈条件と
なりますのでご注意ください。
業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 168億円、経常利益 6.9億円、EPS 22.4円
■2017年3月期 売上高 186億円、経常利益 8.7億円、EPS 80.1円
■2018年3月期 売上高 194億円、経常利益 8.6億円、EPS 32.0円
■2019年3月期 売上高 196億円、経常利益 8.6億円、EPS 30.5円
■2020年3月期 売上高 197億円、経常利益 6.1億円、EPS 23.0円 ce
□2019年6月1Q 売上高 45.5億円、経常利益 1.2億円、EPS 4.3円(7/30)
□2019年9月2Q 売上高 93.0億円、経常利益 2.4億円、EPS 8.9円 ce
2019年3月期の売上高は前期比1.0%増の196億円、経常利益は同変わらずの8.6億円と
なり、ほぼ期初予算線での着地となりました。主力の情報処理事業については、自治体
向けのIDC運用およびクラウドサービス案件が伸長したほか、償却費の減少等も寄与し、
当該セグが全社業績を牽引しました。その一方で、ソフト開発事業については、一般法
人向けが停滞したほか、その他情報事業については金融機関向けの機器保守案件等
が増加したものの、利益率の低下に伴って概ね前期比横ばいの水準となりました。
進行期である2020年3月期の予算については、売上高が0.2%増の197億円、経常利益
は29.4%減の6.1億円と3割弱もの大減益を見込んでいます。情報処理事業については、
昨年10月から開始された武蔵野銀行向けの税公金処理事務業務のBPO受託業務の
通期稼働効果等によりセグメント増収を見込んでいるものの、ソフト開発事業は開発案
件の一巡により一般法人向けが引き続き停滞することから、当該セグは連続で減収と
なる見通しです。また、実績期では好伸したシステム機器販売事業(利益貢献は僅少)
も反動減となる見込みです。利益面が大きく圧迫されるのは、人件費のベースアップや
いわゆる“働き方改革”への対応費増が主な要因となります。
今期は2022年3月期を最終年度とする5年長期経営計画の3年度目となっており、最終
的には売上高210億円(CAGR3%)・経常利益10.4億円(CAGR4%)を目標としています。
今回長計では、DC(データセンター)を軸としたクラウド型にくわえ、ソフト開発事業(SIer
業務)についても、AIやIoTといった付加価値をつけて、受注の高単価化を狙うとともに、
本年3月にはAmazonからパートナーライセンスを取得し、非常に高いシェアを誇る同社
のクラウドである「AWS」の一貫導入サービスを開始し、受注範囲の拡大を狙います。
具体策としては、依然として売上高の33%を占める最大の依存先であるりそなグループ
(埼玉りそな銀行)や、埼玉国保、全国生協連(共済)などの金融関連機関に対して、RPA
の活用等を提案しつつ、BPOの受託を増やしていく戦略になるかと思われます。特に
今期からはりそなHDシステム部長だった石井氏が会長に退任し、りそな銀行の副社長
だった原俊樹氏が管理本部長から社長に昇任しており、古巣からどれだけBPOの受注
を取ってこれるのか、お手並み拝見・・・といったところになろうかと思います。但し、売
上高の達成はともかくとしても、本長計策定時点よりも人件費が高騰していることから、
利益目標である経常利益10.4億円はかなりハードルが高いものと考えています。
なお当社は現金同等物を40億円抱える無借金企業であり、筆頭株主も従業員持株会
(11.3%)ですので、潜在的に相応の株主還元インセンティブが機能するとみております。
実績期は残念ながら配当が年11円のまま据え置かれてしまい、今期も年11円の予想
をしていますが、下値では確りとした自社株買いに期待したいと思います。
*参考記事① 2018-09-14 770円 NT
大株主売出後は軟調推移だが、株主還元余力は大きい・AGS(3648)。
*参考記事② 2018-02-12 813円* NT
10末の分割後も優待基準を維持、今期は増益着地も・AGS(3648)。
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