【8877】日本エスリード(東証1部) BY
現在値 1,582円/100株 PER4.7 PBR0.57 3月配当優待 9月配当
マンション企画開発・販売。大阪で供給トップ級。森トラスト子会社。
配当は年2回、合計40円配当のため、配当優待利回りは2.53%となります。
日本エスリードは株主優待制度を導入しており、3末時点の単元株主に対して、3千円相当
のグルメカタログを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.42%となります。
業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 371億円、経常利益 33億円、EPS 135.5円
■2017年3月期 売上高 393億円、経常利益 50億円、EPS 201.1円
■2018年3月期 売上高 483億円、経常利益 67億円、EPS 279.0円
■2019年3月期 売上高 571億円、経常利益 72億円、EPS 290.0円
■2020年3月期 売上高 670億円、経常利益 80億円、EPS 330.5円 ce
□2019年6月1Q 売上高 57.4億円、経常利益 0.4億円、EPS▲1.1円(7/27)
□2019年9月2Q 売上高 260億円、経常利益 26億円、EPS 103.6円 ce
2019年3月期の売上高は前期比18.3%増の571億円、経常利益は同8.0%増の72.3億円と
なり、増収増益を確保したほか、期初予算水準もクリアしました。江坂(129戸&102戸)、
新大阪(123戸)、梅田(160戸)をはじめとする引渡し戸数が、計2,511戸(前期は1,921戸)
に達し、2.5千戸を超える高水準となりました。そのため、前期にオフィスビル2棟・83億
円という一過性の大型不動産販売があったことの剥落影響がかなり大きかったものの、
本業の分譲事業の積み増しで完全にカバーした格好となります。また、引き続き“期末
完成在庫ゼロ“状態が継続出来ていることにより、販売期間の短縮と広告費の削減が
実現出来ているため、費用バッファーの掃き出しにより利益が押し上げられています。
進行期である2020年3月期の予算については、売上高が17.1%増の670億円、経常利益
は10.5%増の80.0億円を予想しています。今期は八尾(30戸)、南草津(38戸)、など2800戸
もの販売を見込んでいますが、例年通り引渡しの時期が期末に集中するスケジュールと
なっているため、3Qまでは見栄えのしない数字となる見通しです。但し、実態の営業状況
としては、期初時点において販売予定戸数のおよそ三分の一にあたる912戸分の契約残
高を既に抱えていることから、今期についても会社予算が達成される公算が高そうです。
当社は2013年に森トラストによるTOB(@915円、約40億円)で、同社の連結子会社に納まり、
そこから6年程で業績は大きく伸長しましたが、剰余金を株主還元に殆ど回してこなかった
ため、自己資本比率はついに60%台後半水準に達し、マンデベの財務としては相当持て余
した水準となっています。おそらく森トラストの方に資金需要がなかった(あるいは二段階の
TOBを水面下で意図していて、配当による掃き出しを回避していた可能性もありえる)のか、
配当金は長らく年間25円で固定されていました。然しながら、直近2期では年5円ずつ増配
しており、今期も更に5円積み増して年40円配を予想しています。これでもなお配当性向は
12%という低水準ではあるものの、資本政策にはこれまでと変化がみられるほか、実績期
から決算説明会資料を再度開示するなど、IR姿勢にも明らかな変化がみられます。
最も端的に表れているのが、本年10月に当社商号を「エスリード」へと変更する点ですが、
当社はこれまでマンション分譲(管理・再販含む)と、収益不動産販売だけを事業ドメインと
してきましたが、足許では開発型の民泊事業に参入するほか、中古買取再販事業の強化
や自社のマンションゼネコン化、エネルギー事業の拡大など、急ピッチで業容の拡大を進
めているような状況です。そのため、IR姿勢の変化からも感じとれるように、時価総額経営
へと方針転換した可能性あもると考えており、場合によっては真逆のシナリオ・・・つまり、
森ビルがサンウッドを売却したように(現親会社はタカラレーベン)、森トラストが非中核事
業である当社を切り離し、少しでも高く売却したい意向が燻っている可能性もあります。
*参考記事① 2018-07-31 1,743円 OP
親会社である森トラストの方針に変化か?日本エスリード(8877)。
*参考記事② 2017-08-03 1,959円 OP
好業績と好財務光るが、株主還元は期待薄・日本エスリード(8877)。
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