【9876】コックス(東証JQスタンダード) UP
現在値 162円/100株 PER148.6 PBR0.46 2月無配 株主優待あり
イオン系カジュアル衣料専門店。GMSやSCに店多い。ブルーグラスと合併。
コックスは無配ながら株主優待制度を導入しており、単元株を保有する2月末の株主に
対して、20%割引優待券を3枚進呈していおります。
業績を確認していきます。
■2016年2月期 売上高 213億円、営業利益 ▲4.1億円 EPS▲26.7円
■2017年2月期 売上高 209億円、営業利益 ▲1.5億円 EPS 2.8円
■2018年2月期 売上高 200億円、営業利益 ▲4.1億円 EPS▲25.9円
■2019年2月期 売上高 191億円、営業利益 ▲13.4億円 EPS▲59.8円
■2020年2月期 売上高 190億円、営業利益 1.5億円 EPS 0.3円 ce
□2019年8月中 売上高 97.0億円、営業利益 ▲1.0億円 EPS▲1.8円 四e
2019年2月期の売上高は前期比4.6%減の191億円、営業利益は赤字幅が拡大し▲13.1億
円となり、期初予算比でも大きく落ち込みました。これは期初からオケージョン対応を強化
して、アウターの品揃えと在庫を積み増したものの、春以降の不安定な気候と6月の地震、
その他台風や豪雨等の影響で消化が進まず、商品回転が悪化したことに由ります。特に
営業利益の悪化が著しいですが、これはマークダウンによる在庫処分が主たる要因です。
また、出店計画についても、期初計画では出店6店・閉店16店で純減10店を見込んでいま
したが、結果的には不採算店の閉鎖が大きく先行し、結果的には出店6店・閉店は26店と
なり、期末時点での国内店舗数は20店の純減となる238店となりました。
進行期の2020年2月期の予算については、売上高が0.7%減の190億円、営業利益は黒転
の3.0億円を予想しています。実績期で20店の店舗純減となっているほか、今期について
も店舗数の約4割を占めるとみられる不採算店の閉鎖を継続し、純減10店超を予定してい
るような状況であるため、会社側のトップライン微減予想にはかなりの過大感があります。
その他定性的な取組みとしては、引き続きバリューチェーン見直しやEC拡大といったSPA
改革を進め、利益率を改善させる目論見ですが、内容がかなり漠としているため、こちらも
実現確度は高くないとみられます。なお、既に5月度(1Q分)まで開示されている既存店売上
速報によれば、期初3か月間は前年同月比87.7%という壊滅的な数字で落着しています。
今期は3年中計の最終年度となっており、本来であれば売上高240億円(CAGR5%)、営業利
益10億円(大幅黒転)を目指す形となるはずでしたが、本中計初年度から大きく下回る結果
だったこともあり、本計画値は既に“有名無実化”しています。当社については親会社である
イオンの支援もほぼ無いようであり、2018年からはイオン出身社長ではなく傍流のマイカル
出身の寺脇社長が就任しており、今期からは商品開発本部長も兼任さ(せら)れています。
また、2017年に着任したプロパーの坂部役員も今期から営業本部長と店舗サポート部長ま
で兼任さ(せら)れており、役員陣による気合い重視の立て直しシフトを敷いているものの、
イオン本体は当社に対して人的資源も含め、これ以上のリソースを割く気が無いことが火
を見るより明らかな状況であり、中長期的にかなり苦しい状況にあると言えそうです。
一方、財務面については、2015年6月に22億円の資本剰余金を振り替えることで利益剰余
金の欠損を埋めたものの、慢性的な赤字基調の継続により再び欠損状態となっています。
それでもイオンCMS預け金28億円や65億円もの有価証券を抱えたキャッシュリッチの無借
金企業であり、イオンFSをはじめとする有価証券保有各社からの配当金だけで年間1.8億
円の配当金を受領しており、当社の経常利益を大きく底上げしています。そのため、当社
の投資論点は、ジリ貧業績がこの優れた資産性を蝕んでいく状況で、何処のタイミングで
イオン本体が救いの手を差し伸べるのか(あるいは差し伸べないのか)という観点であり、
暫くは当社業績よりも親会社によるグループ再編計画が最も重要なポイントになります。
*参考記事① 2017-05-24 261円 OP
連続赤字で復配遠のくも、謎の低位安定感・コックス(9876)。
*参考記事② 2015-05-15 268円 NT
利益剰余金への振替で配当開始も?コックス(9876)の短評。
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