【2798】ワイズテーブルコーポレーション(東証2部)--
現在値 2,356円/100株 PER34.4 PBR14.0 2月無配株主優待 8月株主優待
ワイズテーブルコーポレーションは今期も無配継続を予定していますが、株主優待制度
を導入しており、2月末・8月末に単元株を保有する株主に対して、5,000円分の食事券を
年2回進呈していますので、配当優待利回りは約4.24%となります。
業績を確認していきます。
■2016年2月期 売上高 150億円、経常利益 2.3億円 EPS 42.9円
■2017年2月期 売上高 149億円、経常利益 3.6億円 EPS 74.9円
■2018年2月期 売上高 139億円、経常利益▲0.1億円 EPS▲172円
■2019年2月期 売上高 137億円、経常利益 0.1億円 EPS▲250円
■2020年2月期 売上高 137億円、経常利益 2.8億円 EPS 68.6円 ce
□2019年8月中 売上高 67.9億円、経常利益 0.8億円 EPS 17.4円 ce
2019年2月期の売上高は前期比1.4%減の137億円、経常利益は黒転となる0.1億円となり
僅かに増益を確保したものの、予算を大きく下回って着地しました。XEX事業においては、
既存店売上は前期比104%と好調に推移したものの、代官山(※後述)の閉店による売上
剥落が大きく影響したほか、TKSC名古屋の改装休業も響き大幅減収となりました。その
一方、サルバトーレ他事業については既存店売上で同102%を確保するなど底堅く推移し、
セグメント増収と果たしました。ただ利益面については、全社的な人件費増加やFC店舗
の直営化によるコスト増、業態変更の改装費用等も響き、損益均衡圏止まりとなりました。
進行期である2020年2月期の予算については、売上高が0.3%増の137億円、経常利益は
黒字幅拡大の2.8億円と増収増益を予想しています。XEX事業は改装オープンしたTKSC
名古屋の巡航化が寄与するほか、XEX梅田(WEST)の良化も見込んでおり、既存店売上
想定を109%(!)という強気な水準で設定しています。またサルバトーレ他事業については、
既存店売上想定を101%水準で設定しているものの、不振のFC店については低調な業績
が続く前提としています。そのため、基本的にはXEX事業の持ち直しで全社業績を持ち上
げる計画であるものの、そちらは数値前提が強すぎるので、予算の達成は不透明です。
当社はXEX事業のシンボル店舗を、川崎汽船が保有する商業施設“ラ・フェンテ代官山”
で「XEX代官山」として運営してきましたが、川崎汽船が当該施設を野村不動産に70億円
弱で売却してしまったことで立ち退きに遭い、2018年7月6日に閉店しました(施設取り壊し
後は、野村のPROUDになるようです)。そのため、閉店に伴いレストラン部分のみならず、
好採算の婚礼部分も全て取りこぼす形となったほか、XEX事業全体としてもブランド力が
低下してしまう形となっていたため、次の一手が待たれる状況でした。
そしてやっと足許ではそれが具体化してきており、XEXの名前こそ冠さないものの、今秋
渋谷の駅前で東急不動産が開発中の東急プラザ渋谷に、「CÉ LA VI Tokyo(セラヴィ)」
を出店する予定となっています。同業態はLVMHとオーナーのベルナール・アルノ―氏、
PEファンドが、シンガポールのマリーナベイサンズを皮切りに香港やサントロペで展開し
ている総合エンタテイメントレストランであり、日本では当社がイコールパートナーとして
50%の持分を保有して展開します。日本一号店となるので、この渋谷店が上手くいけば、
他大都市での店舗展開も期待出来るため、東急プラザ渋谷の17・18階で一気に2フロア
賃借する本業態は、当社の社運を賭けたビッグプロジェクトと言って間違いありません。
気になるのは財務状況であり、度重なる店舗の閉鎖とそれに伴う減損計上もあり、足許
の自己資本比率は9.6%まで低落しています。尤もぶっちぎりで累損も溜まっているので、
配当の是非は論じるまでもないのですが、さすがに心許ない財務状況になってしまった
ので、希薄化覚悟でも第三者割当による資本増強が望まれるところではあります。
*参考記事①
XEX代官山の立退閉店?の影響は大きく、復配も遠く・ワイズテーブルコーポレーション(2798)。
*参考記事② 2017-06-04 2,747円 --
剰余金欠損回復で復配リーチ圏に、ワイズテーブルコーポレーション(2798)。
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