XEX代官山の立退閉店?の影響は大きく、復配も遠く・ワイズテーブルコーポレーション(2798)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2798】ワイズテーブルコーポレーション(東証2部)--

現在値 2,809円/100株 PER57.4 PBR7.15 2月無配株主優待 8月株主優待

ワイズテーブルコーポレーションは今期も無配継続を予定していますが、株主優待制度

を導入しており、2月末・8月末に単元株を保有する株主に対して、5,000円分の食事券を

年2回進呈していますので、配当優待利回りは約3.55%となります。

業績を確認していきます。 
■2015年2月期 売上高 143億円、経常利益 2.5億円 EPS 15.9円 
■2016年2月期 売上高 150億円、経常利益 2.3億円 EPS 42.9円 
■2017年2月期 売上高 149億円、経常利益 3.6億円 EPS 74.9円 

■2018年2月期 売上高 139億円、経常利益▲0.1億円 EPS▲172.3円 

■2019年2月期 売上高 141億円、経常利益 2.2億円 EPS 49.0円 ce
□2018年8月中 売上高 71.2億円、経常利益 0.8億円 EPS 17.7円 ce

2018年2月期の売上高は前期比6.3%減の139億円、経常利益は赤転の▲0.1億円となり、

減収減益となったほか、減益ながら増収を見込んでいた期初予想を大きく裏切った形で

の落着となりました。XEX事業において、一般営業が堅調に推移したものの、ブライダル

の受注不調により既存店売上高が97.2%に沈んだほか、サルバトーレ他事業も表参道や

静岡店の閉店による減収にくわえ、店内飲食が低調に推移し、既存店売上高は92.2%と

大苦戦の落着となりました。なお両事業とも繁華街の一等地出店が多く、人件費の上昇

に売上の伸び(注:減収)が追いついておらず、利益面は一段と厳しい結果になりました。


進行期である2019年2月期の予算については、売上高は1.2%増の141億円、経常利益は

黒字転換の2.2億円と減収・増益を予想しています。XEX事業は旗艦の代官山(※後述)

の閉鎖による影響が大きいものの、そこを除いた既存店売上高は103.8%で設定しており

自律反発を見込んでいます。サルバトーレ他事業の既存店売上高前提も101.5%で設定

しており、ディナー帯の集客強化やデリバリーの価格調整、業態転換等で梃入れを図る
方針となっています。

 

実績期でここまで苦しんだのは、今年7月6日に閉鎖する「XEX代官山」の閉鎖の影響が

色濃く出ており、“今後は店が残らない”ということで、ブライダル需要を一気に取りこぼす

形となりました。当社のブライダルは披露宴も取れる代官山を核として営業していたため、

今後は大きく方針転換する予定であり、エスクリ(2196)に外注してきたとみられる本事業

を内製化し、披露宴ではなく1.5次会や2次会需要を取り込んでいく予定です。

また、この代官山はXEXのシンボルとして、流水のあるエクステリアなど美しい内外装を

誇っていましたが、閉鎖にともなって実績期に多額の減損処理を実施しています。閉鎖

はビルの建て替えを理由としており、立退きであれば補償金が特別利益で上がる可能性

もありますが、定借期間満了による閉鎖であれば、この種の補償金は戻ってきませんし、

実際に今期の予算にはそれと思しき計上もなされていないため、留意が必要です。
(※なお有報を確認する限り、代官山の減損処理はほぼ終了していると思われます)

当社はここ数期に渡って黒字基調が定着してきましたが、実績期で業績に急ブレーキが

かかってしまいました。▲1.6億円まで減少した利益剰余金欠損も、再び▲6.1億円まで

急拡大してしまい、リーチがかかっていた復配はかなり遠くなってしまった印象です。

それどころか今期で業績が反転しないと自己資本比率も2割を切ってしまう状況のため、

業績のわりに高い株価を活かした(三者割当)増資なども期待されるところです。


*参考記事① 2017-06-04 2,747円 --

剰余金欠損回復で復配リーチ圏に、ワイズテーブルコーポレーション(2798)。

*参考記事② 2016-05-29 2,656円 --

市場二部へ強制鞍替も、業績飛躍圏に突入?ワイズテーブル(2798)。

 

 

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