【2174】GCA(東証1部) ---
現在値 823円/100株 PER18.2 PBR1.47 6月・12月配当 株主優待なし
M&A助言会社。日米欧三極体制。のれん償却控除前純利益を100%還元。
配当金は6月・12月の合計35円予想のため、配当利回りは4.25%となります。
GCAは株主優待制度を導入しておりません。
業績を確認していきます。2018年12期よりIFRSに移行しており、非連続です。
■2015年12月期 売上高 131億円、営業利益 27.3億円 EPS 60.0円
■2016年12月期 売上高 185億円、営業利益 24.9億円 EPS 43.1円
■2017年12月期 売上高 197億円、営業利益 18.9億円 EPS 33.5円
■2018年12月期 売上高 266億円、営業利益 34.7億円 EPS 64.2円 IFRS
■2019年12月期 売上高 230億円、営業利益 25.0億円 EPS 44.7円 四e
□2019年6月中間 売上高 110億円、営業利益 6.0億円 EPS 5.3円 四e
2018年12月期の売上高は前期比35.0%増の266億円、営業利益は同83.3%増の34.7億円
となり、期初でのIFRS予想はなかったものの、会社計画及びコンセンサス水準を上回って
着地したものとみられます。国内においては報酬額10億円を超過するメガ案件が複数件
あったほか【例:日本製紙&丸紅(大昭和製紙)→Mercer;日本製紙&丸紅側】や、話題性の
あったところでは、【Uzabase→Quartz Media;Uzabase側】といった案件もありました。
また、米国においてもTech関連のMAで大型案件があったことや、前期にトランプ減税の
影響で先送りされた案件がクローズされたこともあり、こちらも堅調に推移しました。
進行期である2019年12月期の予算については、現時点では非開示となっているものの、
売上高は13.6%減の230億円、営業利益は27.9%減の25.0億円程度で外部予想がなされ
ています。実績期における複数のメガ案件が剥落するため、減収の公算が高いものの、
足許2019年2月時点の受注残は1年前と比べて2割増加しているため、相当程度の水準
で踏みとどまる可能性が高そうです。また、欧州においては英Altiumを中心にリストラ絡
みのMA案件の獲得を狙うほか、パリ・英リーズオフィスの開設準備を進める計画です。
当社は2008年に米SAVVIANと経営統合し、2015年8月に英Altiumを約130億円で買収
して、独立系MA助言専業会社としては異例の「日米欧グローバル三極体制」を実現し、
クロスボーダー案件の受注体制を構築しています。既に独立系の上場MA助言会社と
しては、ラザード、エバーコア、モーリス、グリーンヒル(4社はいずれも米国企業)に次ぐ
世界5位の地位を確保しています。大手の米国4社と異なり、当社はアジアに本拠地を
置く当社は、その地理的優位性を活かしたクロスボーダー案件の獲得が成長の原資と
なります。中長期的な業績の定量目標は開示していないものの、2013年12月期からの
売上高CAGRは22%と高い成長を遂げています。勿論、これには英Altiumの買収による
上乗せ分があるものの、グローバルでのプレゼンス確保という意味において売上高の
嵩を増やすことは数字以上の意義があると考えられ、「日米欧グローバル三極体制」
の確立により、(市況の変動要素が高いものの)今後も持続的な成長が期待されます。
また株主還元については、IFRS基準における親会社の所有者に帰属する当期純利益
に対して、「配当+自社株買い」の総還元性向を100%としており、そのうち配当金下限は
35円に設定しています。実績期では自社株買いを実施しなかったため、実質的な総還
元性向は47.2%に留まってしまいましたが、実はこれにはカラクリがあり、自社株買いの
発動については、複数期に跨って出来るルールになっていることが影響しています。
そのため、足許では水面下に還元余資が隠れているような状況であり、いつでも自社
株買いの発動が期待出来ます。また、当社はほぼ無借金かつ150億円超の現金が唸
る好財務企業であり、欧米の会社を買収してきた関係で外国人株主割合も高く、株主
還元のインセンティブは高い状況にあることが最大の投資論点であると考えています。
*参考記事① 2018-04-06 942円
大幅未達決算&今期予想非開示だが、高配当維持は既定路線か・GCA(2174)。
*参考記事②
英Altium買収で三極体制が完成、総還元利回り7%期待のGCA(2174)。
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