【2174】GCA(東証1部) ---
現在値 942円/100株 PER28.4 PBR1.75 6月・12月配当 株主優待なし
M&A助言会社。日米欧三極体制。のれん償却控除前純利益を100%還元。
配当金は6月・12月の合計35円予想のため、配当利回りは3.72%となります。
GCAは株主優待制度を導入しておりません。
業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 130億円、経常利益 35.9億円 EPS 85.8円
■2015年12月期 売上高 131億円、経常利益 27.3億円 EPS 60.0円
■2016年12月期 売上高 185億円、経常利益 26.6億円 EPS 43.1円
■2017年12月期 売上高 197億円、経常利益 7.6億円 EPS 2.3円
■2018年12月期 売上高 210億円、経常利益 13.0億円 EPS 21.1円 四e
□2018年6月中間 売上高 90.0億円、経常利益 2.0億円 EPS 2.6円 四e
2017年12月期の売上高は前期比6.4%増の197億円、経常利益は同71.1%減の7.6億円
となり、会社予想を大きく下回りました。米国におけるTech関連のMA市場が大きく減少
したことや、トランプ減税の動向が不透明な状況において、案件が翌期に先送りされた
影響が色濃く出る形となりました。また、国内におけるMA市場についても前期比で24%
減少したことで、人件費が利益を大きく圧迫しました。一方、欧州市場に関しては好調
に推移しており、ビッグディール(ブライトリング→CVCキャピタル;ブライトリング側)に
参加したことで、ブランド領域における当社の高いプレゼンスを示した形となりました。
進行期である2018年12月期の予算については、1Q時点で開示予定のため現状では
未定となっているものの、売上高は6.5%増の210億円、経常利益は約7割増の13億円
程度の外部予想がなされています。国内に関しては前の期の反発増、米国において
は減税確定によるMA案件の活発化と期ズレ案件の寄与が見込まれます。欧州市場
については引き続き堅調な市況環境が見込まれるほか、今期はベトナム・台湾に現法
を設立する予定であり、案件数の増加が期待されます(※基本的には1Qの開示待ち)
当社は2008年に米SAVVIANと経営統合し、2015年8月に英Altiumを約130億円で買収
して、独立系MA助言専業会社としては異例の「日米欧グローバル三極体制」を実現し、
クロスボーダー案件の受注体制を構築しています。中長期的な業績の定量目標は開
示されていないものの、米国を中心にMAにおける利益相反に関する問題意識が醸成
されつつある現状においては、金融系列に属さず、(両手)仲介もしない独立系MA助言
会社としてのプレゼンスを確立しつつある当社は、順調な業容の拡大が見込まれます。
実際、直近5期の売上高CAGRは2割を確保しているため、驚異的な伸びと言えます。
特に当社は他社よりも固定人件費率が高い(平均年収:1,559万円)とされているものの、
成果報酬部分は相対的に低いとされるため、こと利益面については、MA業界の市況
が良ければ良いほど弾力的な利益の伸びが期待出来ますが、当社開示のマテリアル
の表現は、実態より“前のめり”気味なので、多少割り引いて捉えた方が良さそうです。
また株主還元については、従来通りのれん償却の12億円を戻した"Adjused Earning"
のNon-GAAPでEPSを算出し、それに対して「配当+自社株買い」の総還元性向100%
としておりましたが、その方針を維持しつつも、配当金下限を35円に設定しています。
わざわざ配当金額に下限を設けるということで、未だ業績非開示である今期もタコ配
となる予感がしないでもないですが、無借金かつ120億円超の現金が唸る好財務の
当社は、数多の外国人株主に対して配当しない理由がなく、この35円配当に関して
ほぼ確実に担保されるであろうことが、当社株の投資論点であろうかと思います。
*参考記事①
英Altium買収で三極体制が完成、総還元利回り7%期待のGCA(2174)。
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