【3252】日本商業開発(東証一部) ---
現在値 1,496円/100株 PER12.4 PBR1.34 3月配当株主優待 9月株主優待
スーパーなどテナントの商業施設建設を前提に底地取得、売却益を狙う。私募REITも。
配当金は3月末一括の55円で、配当利回りは約3.68%となります。
日本商業開発は株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に3単元以上を保有する株主
に対して、3,000円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、3単元保有時における
配当優待利回りは約5.01%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 162億円、経常利益 29.8億円 EPS 125.9円
■2016年3月期 売上高 173億円、経常利益 56.2億円 EPS 209.0円
■2017年3月期 売上高 266億円、経常利益 51.8億円 EPS 366.8円
■2018年3月期 売上高 312億円、経常利益 30.4億円 EPS 109.6円
■2019年3月期 売上高 325億円、経常利益 32.4億円 EPS 120.6円 ce
□2018年9月中 売上高 187億円、経常利益 17.2億円 EPS 70.8円(11/12)
2018年9月中間期の売上高は前年同期比244.1%増の187億円、経常利益は同黒字転換の
17.2億円で着地し、期初予想との比較はないものの大幅な増収増益となりました。神戸の
ポートアイランド(7600坪)、博多祇園式場(500坪弱)、南青山(200坪弱)等を1Qで170億円分
の売却を済ませ、ある程度数字が出来ています。また、棚卸資産の仕入についても順調に
進捗しており、大阪日本橋(290坪)、大阪淡路(2,000坪)、さくら夙川(930坪)など、1Qの売却
額をネットしてなお90億円分の在庫を期初より積み増しています。
なお、2019年3月期の予算については期初予想を据え置いており、売上高が前期比4.0%増
となる325億円、経常利益は6.4%増の32.4億円を予想しています。今期は傘下の私募REIT
に対する物件拠出は、約200億円程度とみられていましたが、去る1月11日に総額153億円
の物件拠出が発表されており、既に決済もなされているため、これまでの利益率が確保さ
れる前提において経常利益が12~13億円程度オンされるため、今期の予算の達成はほぼ
確実になったものと推察されます。そのため、現在は3Q決算の開示待ちの状況ではありま
すが、通期の業績修正がかかる可能性も十分ありそうな情勢です。
KPIである棚卸資産残高については、1年間で456→507億円へ積み増しているほか、優先
交渉ベースでは620→780億円を確保しています。また、これはあくまで9末時点の残高で
あり、既述の上期仕入れ物件に加えて、下期には東京都の公募入札で多摩ニュータウン
に36,000坪もの巨大敷地を72億円(坪@20万円)で仕入れています。商業施設(21,000坪)と
物流施設(15,000坪)の複合開発を想定していますが、あくまで事業用定借契約の“底地”
案件の模様です。また、この他にも、LAで転売用のスターバックス店舗を仕入れるなど、
海外案件の取得も確認できるため、価格の妥当性はさておき、仕入れは順調と言えます。
なお財務については、順調な仕入れにともなって自己資本比率が30.2→26.4%、へと相応
の悪化がみられます。2014年に47億円を調達した時の公募価格@2,352円を大きく下回っ
ているため、公募増資は現実的ではなく、仕入れは手金とデットで進める必要があるため、
足許のピッチで物件の積み上げをしていくのは困難です。幸いにも、傘下の地主REITが
今期も無事に増資が出来たため、物件の拠出により期末の財務は良化する公算が高く、
取り敢えず翌2020年3月期については、2桁の増収増益路線へ復帰することが期待され
ますが、翌々期はREITの次回の増資の可否次第なので、見通すのが難しい状況です。
(※実際は地銀や信金の底地私募REITへのニーズが高いので、増資可能と思われる)
そのため、配当金については業績の如何によらず、財務体質維持のため、今期も来期も
年55円配が維持される可能性が高いと考えています(逆にこの局面で自己資本比率2割
台という状況であれば、むしろ減配してもよいくらいだと思います)。
*参考記事① 2018-09-27 1,835円 ---
1Qに案件集中で、今期業績は早くも鉄板の見通し・日本商業開発(3252)。
*参考記事② 2018-01-28 1,841円 ---
今期予算は達成確度高まるも、仕入推進で財務は悪化・日本商業開発(3252)。
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