【3252】日本商業開発(東証一部) ---
現在値 1,835円/100株 PER15.2 PBR1.62 3月配当株主優待 9月株主優待
スーパーなどテナントの商業施設建設を前提に底地取得、売却益を狙う。私募REITも。
配当金は3月末一括の55円で、配当利回りは約2.83%となります。
日本商業開発は株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に3単元以上を保有する株主
に対して、3,000円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、3単元保有時における
配当優待利回りは約4.07%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 162億円、経常利益 29.8億円 EPS 125.9円
■2016年3月期 売上高 173億円、経常利益 56.2億円 EPS 209.0円
■2017年3月期 売上高 266億円、経常利益 51.8億円 EPS 366.8円
■2018年3月期 売上高 312億円、経常利益 30.4億円 EPS 109.6円
■2019年3月期 売上高 325億円、経常利益 32.4億円 EPS 120.6円 ce
□2018年6月1Q 売上高 176億円、経常利益 21.5億円 EPS 85.6円(8/10)
□2018年9月中 売上高 200億円、経常利益 21.0億円 EPS 77.8円 四e
2018年3月期の売上高は前期比17.5%増の312億円、経常利益は同41.2%減の30.4億円で
着地し、大幅な減益となったものの、期初予想水準はクリアしました。昭和ゴム柏工場敷地
(1万坪)、神戸三宮(300坪/8層/@1千万円超)の売却を実行したほか、傘下の私募REITに
対して約170億円の物件供給を行い、15億円分の経常利益を積み上げました。然しながら、
営業外で子会社ニューリアルプロパティ(NRP)の豪州子会社が借入金利上昇による影響を
受け、関連会社株式評価損を出したため、当社は持分損失を被り、経常減益となりました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が4.0%増となる325億円、経常利益
は6.4%増となる32.4億円を予定しております。既に8月上旬に開示されている1Qで、神戸の
ポートアイランド(7.6千坪)、博多祇園式場(500坪弱)、南青山?などの大型物件が既に引渡
を済ませていることが明らかになっており、1Qの数字が大きく跳ねています。今期は傘下
の私募REITに対する物件供給は、約200億円程度とみられることから、これまでの利益率
が確保される前提で、経常利益が更に16~17億円オンされるので、今期の予算についても
私募REITが増資できる前提において、ほぼ鉄板であり、上振れ濃厚かと思われます。
KPIである棚卸資産残高については、1年間で316→410億円に積み増しているほか、優先
交渉ベースでは570億円を確保しています。既述のとおり1Qで販売が進んだものの、期末
と1Q末時点の比較では、20億円超しか棚卸資産が減っていないため、足許の仕入状況も
順調に進んでいるとみられます。具体的には、北新宿百人町の職安通り沿いで400坪弱の
商業地を確保しており、当物件はスーパーから強い出店引き合いを受けている模様です。
財務面については、自己資本比率は30.8→30.2%と横ばいで推移しています。POで良化さ
せたいところですが、2014年に47億円を調達した時の公募価格@2,352円を下回っている
状況が継続しているため、デット中心で調達していくものと推察されます。特筆すべきは、
借入期間の長期化が進んでいることや、期限喪失条項などコベナンツの撤廃に成功して
いることであり、レンダー側はリーマンショック生き残り組である当社に対して相応の信頼
を持っていることが垣間見られます。尤も、レンダー側としても、運用難の地銀等を中心に
当社の私募REITの販売先であることが少なくないとみられ、「ヒューリック=みずほ」的な
一蓮托生感はあるものの、本体は当分PO出来なくても成長できるような気もします。
なお、かような状況から増配は当分ないと思われます。年55円でも出し過ぎな位なので。
*参考記事① 2018-01-28 1,841円 ---
今期予算は達成確度高まるも、仕入推進で財務は悪化・日本商業開発(3252)。
*参考記事② 2017-07-17 1,652円 ---
今期は自信の雌伏期も、公募REITの軟調は気掛かり・日本商業開発(3252)。
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