【3048】ビックカメラ(東証1部) ---
現在値 1,414円/100株 PER14.1 PBR1.94 8月配当優待 2月配当優待
家電量販大手。ターミナル駅周辺で大型店。傘下にソフマップ・コジマ。
配当は2月末・8月末の年2回・合計20円のため、配当利回りは1.41%となります。
ビックカメラは株主優待を実施しており、2月末・8月末に100株以上を保有する株主に対し、
3,000円分(通年合計額)の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.53%とな
ります。なお1年以上の長期保有で+1,000円、2年以上の長期保有で+2,000円が追加され
るため、配当優待利回りが上昇します。
業績を確認していきます。
■2015年8月期 売上高 7,953億円、経常利益 204億円、EPS 39.2円
■2016年8月期 売上高 7,790億円、経常利益 230億円、EPS 65.9円
■2017年8月期 売上高 7,906億円、経常利益 243億円、EPS 74.2円
■2018年8月期 売上高 8,440億円、経常利益 292億円、EPS 93.6円
■2019年8月期 売上高 8,900億円、経常利益 306億円、EPS 99.7円
□2019年2月中 売上高 4,280億円、経常利益 128億円、EPS 42.5円
2018年8月期の売上高は前期比6.8%増の8,440億円、経常利益は同20.0%増の292億円と
なり、期中の増額後予算を上回り、大幅な増収増益を確保しました。昨年9月に京王電鉄
調布駅の新店が開業し、ほぼ通期で寄与したほか、JR線・東武線船橋駅にも船橋2号店
を開業しています。全般的にはスマホ・ゲーム機が好調だったほか、冷蔵庫・洗濯機とい
った白物家電も堅調に推移しました。また子会社のコジマにおいて、玩具MDを強化した
家族客の取り込み強化や高機能品の拡販に成功しており、同社の力強い回復モメンタム
が当社グループの連結業績の底上げに大きく寄与しています。
進行期である2019年8月期の予算については、売上高が5.4%増の8,900億円、経常利益
は4.6%増の306億円を予想しています。ビックカメラ単独新店で名有りとなっているのは、
町田小田急店(2019年春)のみですが、コジマとのダブルネーム店を福岡の三菱地所の
モール型商業施設へ出店を予定しているほか、これ以外にコジマ単独新店を複数店舗
出店する計画となっています。これ以外の内的な取り組みとしては、インバウンド顧客の
更なる取り込みを視野に入れた薬・化粧品・日用品のMD強化を実施する方針です。
当社グループ3社(ビックカメラ、コジマ、ソフマップ)は物流拠点統合を昨年完了しており、
今後は恒常的な物流コストの削減が効いてくるとみられるほか、これまで手薄だったEC
へ本格着手する方針です。4月に既存提携先である楽天(4755)と合弁会社“楽天ビック”
を設立しており、Amazonに出店しているコジマ店舗を引き上げます。そのため、今後は
物流よりもEC周りに設備投資費を投じる計画であり、今期は140億円を予定しています。
また、この物流とECの強化により、既存リアル店舗(レールサイド&ロードサイド)と融合
させたオムニチャネル化を推進し、傘下のBS11も活用したメディアミックス(要は進化版
のテレビ通販)を進めていくのが狙いと思われます。肝心のBS11の業績伸長が停滞気
味なのがやや気掛かりですが、そもそものEC化率が10%程とまだまだ低いので、当面の
間はEC周りに投じた“費用なり”に成長していくことが期待されます。
財務的な観点では、2014年6月に刷ったユーロ/円CB・150億円の償還(転換)残が50億
円ほど残っていましたが、実績期で全て償還(転換)を完了させています。かような背景も
あり、5月には139億円(発行済株式の5%)にも及ぶメガトン級の自社株買いを、創業者の
資産管理会社を実質的な相手先としたディスカウントTOBにて実行しているほか、まだ
未消却ではあるものの、自社株買いによる発行済株式数の実質的な減少から、実績期
から年12→20円へと大幅な増配へ踏み切っています。これで配当性向はやっと20%水準
に達したほか、EPS自体の良化も効いてくるので、オーガニックグロースによる良化分を
含めて、改めてバリュエーション面での期待が出来る状況に入ったと考えています。
*参考記事① 2018-05-18 1,740円 --
創業家への自社株買いで、総還元性向は100%近傍へ・ビックカメラ(3048)。
*参考記事② 2017-11-25 1,407円 --
業績は全般堅調も、CB残50億円の転換進まず・ビックカメラ(3048)。
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