【3048】ビックカメラ(東証1部) --
現在値 1,740円/100株 PER19.4 PBR2.40 8月配当優待 2月配当優待
家電量販大手。ターミナル駅周辺で大型店。傘下にソフマップ・コジマ。
配当は2月8月の年2回・合計12円のため、配当利回りは0.69%となります。
ビックカメラは株主優待を実施しており、2月末・8月末に100株以上を保有する株主に対し、
3,000円分(通年合計額)の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.41%とな
ります。なお1年以上の長期保有で+1,000円、2年以上の長期保有で+2,000円が追加され
るため、配当優待利回りが上昇します。
業績を確認していきます。
■2014年8月期 売上高 8,298億円、経常利益 240億円、EPS 57.4円
■2015年8月期 売上高 7,953億円、経常利益 204億円、EPS 39.2円
■2016年8月期 売上高 7,790億円、経常利益 230億円、EPS 65.9円
■2017年8月期 売上高 7,906億円、経常利益 243億円、EPS 74.2円
■2018年8月期 売上高 8,350億円、経常利益 284億円、EPS 88.6円 ce修正
□2018年2月中 売上高 4,150億円、経常利益 144億円、EPS 47.5円(4/10)
2018年2月中間期の売上高は前年同期比7.7%増の4,150億円、経常利益は同34.3%増の
144億円となり、期初予算を上回り、大幅な増収増益を確保しました。昨年9月に京王線
調布駅の再開発事業のキーテナントとして新店を開業したほか、JR線・東武線船橋駅の
直上に船橋では2号店目を開業しました。また子会社のコジマにおいて、家族客の取組
や高機能品の拡販に成功しており、同社の回復が全社業績を大きく底上げしています。
なお本中間時点で、2019年2月期通期の予算も修正しており、売上高が前期比5.6%増の
8,300億円(従予:8,300億円)、経常利益は16.6%増の260億円(従予:284億円)にそれぞれ
増額しています。ただ、上期の業績上振れ分をそのままオンしただけの修正額であり、
足許の好調なデジタル家電販売状況や、既述のコジマの回復具合を織り込んでおらず
コンサバな修正予算と推察されます。下期名有りの新店は多くなく、池袋のソフマップ、
中部国際空港内のビックカメラ、コジマとWネームの甲子園店の3店程になる見通しで、
新店の顔ぶれも小型店が中心となります。
中長期的な取り組みとして投資を進めてきたビックカメラ、コジマ、ソフマップ3社の物流
拠点の統合を昨年11月に完了し、今後は全社的な物流コストの削減が効いてくることが
期待されるほか、本年4月にはEC出店先として協業関係にあった楽天(4755)と合弁会社
を設立し、“楽天ビック”として自社ECの強化を目指します。現時点ではコジマはアマゾン
に出店しているため、そちらを引き上げて徐々に統合させていくものとみられます。また、
コジマ以外の連結子会社であるBS11(9414)は、広告宣伝費の時期ズレにより本上期は
大増益で仕上がっていますが、トップラインであるタイムの番組枠提供、スポット広告枠
も順調に推移しているため、今後も当社業績を安定的に押し上げることが期待されます。
ということで、足許も中長期も業績に明るさが増す当社ですが、子会社各社の物流拠点
統合のための資金手当てのために、2014年6月に刷ったユーロ/円CB・150億円の償還
(転換)が終わってないことが、株価的な重しとなっていましたが、未転換残額の50億円分
も8割方は転換が済んでいるようです。そういった背景もあってか、本年5月には139億円
(発行済株式の5%)に及ぶメガトン級の自社株買いを、創業者である新井氏の資産管理
会社を実質的な相手先としたディスカウントTOB(@1,497)、という形で実施しております。
そのため、今期の配当に関しては据置となる12円を予定しており、自社株買いの効果を
反映すると配当性向はおそらく12~13%に落ちると思われますが、自社株買いを含めた
今期単年の総還元性向はほぼ100%に達するものとみられるため、「増配」という形での
株主還元は来期以降になるかと思われます。
*参考記事① 2017-11-25 1,407円 --
業績は全般堅調も、CB残50億円の転換進まず・ビックカメラ(3048)。
*参考記事② 2017-06-14 1,163円 --
好立地出店進むも、見かけ以上に課題も多い・ビックカメラ(3048)。
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