【7545】西松屋チェーン(東証1部) --
現在値 1,307円/100株 PER14.7 PBR1.35 2月配当優待8月配当優待
ベビー・子供衣料と生活雑貨のロードサイド大型店を全国展開。
配当金は2月・8月の年2回計21円で、配当利回りは1.61%となります。
西松屋チェーンは株主優待を実施しており、100株を保有する2月末・8月末現在の株主
に対して、年2回・1,000円分の株主優待カードを発行しておりますので、配当優待利回り
は約3.13%となります。別途、3年以上保有を継続する株主への長期優遇制度があります。
業績を確認していきます。
■2015年2月20日期 売上高 1,285億円、経常利益 55億円 EPS 49.3円
■2016年2月20日期 売上高 1,328億円、経常利益 61億円 EPS 58.2円
■2017年2月20日期 売上高 1,362億円、経常利益 80億円 EPS 79.0円
■2018年2月20日期 売上高 1,373億円、経常利益 71億円 EPS 74.0円(4/3)
■2019年2月20日期 売上高 1,460億円、経常利益 85億円 EPS 88.9円 ce
□2018年8月20日中 売上高 725億円、経常利益 42.0億円 EPS 43.8円 ce
2018年2月通期の売上高は前期比0.8%増の1,373億円、経常利益は同11.4%減の71.3億円
となり、期初計画どころか中間時点の減額予算をも下回りました。出店に関しては、計画線
となる新店49店(純増は43店)の開業を達成し、期末の店舗数は951店まで拡大したものの、
マタニティ用品の販売不振が長期化していることや、昨年秋の台風の影響も響き、月次の
既存店売上高で前年を上回ったのが僅かに4ヶ月のみ、という苦しい結果となりました。
進行期である2019年2月期の予算については、売上高が6.3%増の1,460億円、経常利益は
19.2%増の85.0億円、と一転して大幅な増益を予想しています。出店に関しては前の期並の
新店約50店を計画しており、基本的には積極出店を継続し、今期中に展開店舗数1,000店
の超過を目指します。出店に関しては、300坪級の大型店を拡大するほか、ドラッグストア
の居抜き店舗などを狙って、出店スピードと出店コストを良化させる方針のようです。なお
月次の既存店売上高は既に3月・4月の2ヶ月が開示されており、両月ともに100%をクリア
しているため、出だしとしてはまずまずかと思われます。
当社は中期的な業績の定量目標値として、5年後となる2023年2月期に売上高1,800億円
(CAGR5.5%)、経常利益180億円(CAGR20.5%)を目指しています。基本的な戦略としては、
出店によるトップラインの増加と、PB商品自社開発による利幅確保が二本柱となります。
特にPB商品に関しては家電メーカーOBの採用を継続しており、安価で機能性に優れた
ベビー用品・玩具等を自社で開発し、開発したPB商品を1,000店が目前に迫った自社の
店舗網に乗せるとともに、店舗自体の大型化を進めることで拡販を図ります。小売業の
域を超えた所謂“SPA”を志向しており、PB商品販売のためにECにも注力しています。
店舗数の拡大による売上増はともかくとしても、経常利益率を5→10%まで引き上げない
と目標達成出来ないので、出店もPB開発も“全部うまくいく想定”の計画と思われます。
なお、財務に関しては相変わらずの無借金経営かつ470億円の現金を抱えるチタン級
の好財務で、体力を持て余しています。何故か住友不動産と大和ハウスの株式を其々
11億円ほどこの1年で買付してきており、モールへの出店や商業施設建築に絡む大和
ハウスはまぁともかくとしても、住友不動産株式を17億円も保有しているのは謎です。
配当については配当性向23.6%水準となる21円配の据置を予想しており、これとは別に
3億円ほどの自社株買いを買い切っているものの、総還元性向は29%に過ぎず、相変わ
らずの物足りなさが目立ちます。当社経営にプレッシャーを与えていた“いちごトラスト”
もほぼ居なくなり、先般の株主総会において買防策も無事に継続されたため、今後は
既存株主に対する緊張感も喪失し、同族的な“なぁなぁ経営”となる可能性もあります。
*参考記事① 2017-11-24 1,288円 ---
通期減額も、はや未達圏。株主還元強化に期待・西松屋チェーン(7545)。
*参考記事② 2017-05-20 1,202円 ---
「グロース銘柄」としての評価余地が復活か、西松屋チェーン(7545)。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
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