「グロース銘柄」としての評価余地が復活か、西松屋チェーン(7545)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7545】西松屋チェーン(東証1部) ーーー

現在値 1,202円/100株 PER13.4 PBR1.32 2月配当優待8月配当優待

ベビー・子供衣料と生活雑貨のロードサイド大型店を全国展開。
配当金は2月8月の年2回計21円で、配当利回りは1.75%となります。

西松屋チェーンは株主優待を実施しており、100株を保有する株主に対して、
2月・8月の年2回、各500円商品券を2枚ずつ(年間4枚)進呈しておりますので、
配当優待利回りは3.41%となります。別途、長期優遇制度(※3年)もあります。

業績を確認していきます。
■2014年2月20日期 売上高 1,276億円、経常利益 55億円 EPS 45.0円
■2015年2月20日期 売上高 1,285億円、経常利益 55億円 EPS 49.3円
■2016年2月20日期 売上高 1,328億円、経常利益 61億円 EPS 58.2円
■2017年2月20日期 売上高 1,362億円、経常利益 80億円 EPS 79.0円  
■2018年2月20日期 売上高 1,430億円、経常利益 88億円 EPS 89.5円 ce 
□2017年8月20日中 売上高 711億円、経常利益 43.8億円 EPS 43.4円 ce

2017年2月期の売上高は前期比2.6%増の1,362億円、経常利益は同31.8%
増の80.0億円となりました。正価販売、利幅の取りやすいPB商品の伸長や
在庫コントロール精度の向上・複数店管理店長精度による各種コスト低減策
により、利益は期初予想を大きく上回りました。なお
店舗数に関しては新店
30店・
閉店9店の純増21店となり、期末時点の店舗は908店となりました。

進行期の2018年2月期の売上高は、前の期比4.9%増の1,430億円、経常利益
10.3%増の88.8億円を予想しています。進行期についても2桁の経常増益
を見込んでおり、年間50~60店と再びハイピッチの出店を進めるとともに、
同時に10~15店を閉鎖するS&Bによる採算性向上を図る方針です。さらに
標準店をこれまでの200→300坪に拡大させ、大型店で顧客拡大を図ります。
なお1Qの開示前ですが、4月・5月既存店が94.5% の点は注意が必要です。


当社は依然として無借金の好財務体質を継続しており、また1年で40億円の
現金を
積み上げて、期末の現金同等物は496億円となりました。この好財務
に食って掛かったいちごアセットも12月9日の大量保有報告で、保有比率を
7.8%にまで減らしてきており、売り切りムードがかなり濃厚となっています。

このいちごの"売り"転換に関しては、当社側の株主還元施策に一定の進展
がみられることは決して無関係ではないと思われ、奇しくもここ数年据え置か
れていた19円配当が、前の期から21円へと一気に増配されています。また、
例年5~6億円で完全買切型で実施する自社株買いと合わせた総還元性向
も45~50%に達しており、いちごの受け皿としての役割を果たしています。

ただ会社側としては、このまま成熟→還元路線に宗旨替えするという訳でも
ないようで、上述のような激しいS&Bや、日用品卸のハリマ共和物産(7444)
の株式追加取得(5%へ上昇)など、ベビー・子供服のSPAの雄として拡大意欲
が再加速しています。今期もまた2桁の利益成長を実現するようなら、バリュー
株ではなくグロース株として当社株を評価する余地が生まれると思います。



*参考記事① 2016-11-06 1,461円 --
中間増配はいちご処分売り対策か、西松屋チェーン(7545)。

*参考記事② 2016-06-06 1,235円 --
株主還元姿勢の変化に期待、西松屋チェーン(7545)。


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