既存FC網の活用で、「サバ6製麺所」を高速展開か・フジオフードシステム(2752)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_3556.jpg

【2752】フジオフードシステム(東証JQスタンダード) --

現在値 2,091円/100株 PER28.9 PBR4.84 12月配当優待 6月優待

大阪地盤に大衆セルフ食堂『まいどおおきに食堂』全国展開。
配当は12月末一括の20円配当のため、配当利回りは0.96%となります。

フジオフードシステムは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末に100株以上を保有

する株主に対して、3,000円分の金券・自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回り

は約3.82%となります。

業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 304億円、営業利益 27.1億円、EPS 144円
■2015年12月期 売上高 333億円、営業利益 23.6億円、EPS 110円
■2016年12月期 売上高 349億円、営業利益 24.1億円、EPS 111円 
■2017年12月期 売上高 359億円、営業利益 26.0億円、EPS 67.1円

■2018年12月期 売上高 361億円、営業利益 24.2億円、EPS 59.1円ce修正
□2018年6月中 売上高 175億円、営業利益 11.7億円、EPS 27.7円 

□2018年6月中 売上高 267億円、営業利益 17.2億円、EPS 38.5円(11/9)


2018年6月中間期の売上高は前年同期比0.2%減の175億円、営業利益は同0.9%増の

11.7億円となり、増益は確保したものの、期初予算に対しては未達となりました。主力

業態である「まいど(おおきに食堂)」の苦戦が続いており、メニューの改善や積極販促、

店舗改装に注力したものの、上期6ヶ月累計の月次既存店売上高は97.0%となりました。
一方、相対的に堅調に推移していた「串家物語」についても同92.2%と落ち込みが酷く、

「串カツ田中」に代表される競合店台頭の影響をモロに受けた格好となりました。


なお、2018年12月期の通期予算については、11月9日開示済の3Q時点で減額しており、

売上高が前期比微増の361億円(従予:379億円)、営業利益は同7.1%減の24.2億円(従予

:29.5億円)へとそれぞれ修正しています。出店は新業態を中心に前年を上回るペースで

推進する計画であり、国内直営・FC合わせて60店を出店する計画であり、比較的好調な

新しめの業態である「さち福や」「(天麩羅)えびのや」を中心に、利益率重視でFCで展開

していく方針です。また、急減速した「串家物語」については楽天ポイント導入やスマート

ニュースへのクーポン配信、「まいど」については11月から“孤独のグルメ”の松重豊氏を

キャラクターに起用したTVCMを放映しており、これらの施策によりテコ入れを図ります。


今期は2017年8月に大幅に下方ローリングした上で作り直した新5年中計「FUJIO2020」

の3年目となっており、翌2020年12月期に売上高482億円(CAGR10%)、営業利益46億円

(CAGR19%)を目指していますが、上述した通り、既に今期単独でも未達ペースのため、

減額後の数値の達成にも黄色信号が灯っています。当社はかつて労務問題で当局から

刺された経緯があるため、その辺の待遇改善については他社よりも先行しているほか、

そもそもFCの店舗が多いため、原料費や人件費のコスト増加はマイルドであるものの、

やはり昨今の外食産業が置かれている構造的な苦しさが数字に表れています。


なお出店業態については、注力中の「えびのや」「さち福や」にくわえ、外部のライセンス

の新業態である米国のベーグル店「Eltana」を肥後橋、セントレアへと出店しています。

また、本年7月に関西を中心にサバ節ラーメン業態を25店舗展開する「サバ6製麺所」

をMAで取得しており、既存他業態のフランチャイジーオーナー網に乗せることで、早期

に300店の出店を目指すこととしています。特に当該業態は2016年7月の出店開始から

僅か3年程で関東を含む19店もの出店に成功しているため、相応の業態ポテンシャルを

有するものとみられ、中核ブランドへの成長が期待されます。

 

株主還元については、大局的には緩やかな増配基調が続いているものの、今期は20円

配当が据え置かれる公算が強そうです。当社は自己資本比率4割強であり、外食企業の

中では財務体質が良い方であり配当余力があるものの、今期は下方修正やMAがあった

ので、体力を温存するとみられます。おそらく今後は中小の外食企業は立ち行かなくなる

ケースが増えると思われますので、MA巧者である当社の出番が増えそうではあります。

 

*参考記事① 2018-04-18 1,940円 ---

中計下方も、“次のステージ”への移行に期待・フジオフードシステム(2752)。

 

*参考記事② 2017-10-28  1,798円 *分割修正済 ---

「まいどおおきに」浮上せず、修正予算なお過大・フジオフードシステム(2752)。

 

 

会社四季報 2018年4集秋号 [雑誌]

新品価格
¥2,060から

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 

特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村