【2762】三光マーケティングフーズ(東証2部) --
現在値 546円/100株 PER156.9 PBR1.34 6月配当優待 12月配当優待
居酒屋『東方見聞録』等を直営展開。焼き牛丼『東京チカラめし』は縮小。
配当金は6月末・12月末の合計4円配当のため、配当利回りは0.73%となります。
三光マーケティングフーズは株主優待制度を導入しており、単元株を半年以上保有
する6月末・12月末の株主に対して、飲食料金が30~35%引きとなる優待カードを年
2回進呈しております。なお、保有株数/期間に応じて、上記割引率がアップします。
業績は下記の通りです。
■2015年6月期 売上高 144億円、経常利益 0.0億円 EPS ▲45円
■2016年6月期 売上高 137億円、経常利益 3.2億円 EPS 20.4円
■2017年6月期 売上高 134億円、経常利益 0.4億円 EPS▲20.7円
■2018年6月期 売上高 124億円、経常利益▲4.2億円 EPS▲115.1円
■2019年6月期 売上高 122億円、経常利益 1.5億円 EPS 3.47円 ce
□2018年12月中 売上高 61.0億円、経常利益 0.0億円 EPS 0.0円 四e
2018年6月期の売上高は前期比7.2%減の124億円、経常利益は同赤字転落となる
▲4.2億円となり期初計画を大きく下回りました。既存業態の客離れもあり、新店の
出店を見送るケースが多かったほか、天候不順や中食(家飲み)、ファミレス等との
競合激化により、トップラインから前年を大きく割り込みました。利益面については、
賃料交渉により0.6億円の賃料削減に成功したものの、人件費・原材料・物流コスト
の増加をオフセットするには到底至らず、大赤字での落着となりました。
進行期である2019年6月期の予算については、売上高が2.1%減の122億円、経常
利益は黒字転換4となる1.5億円を予想しています。今期は新店9店を見込んでいる
ものの退店店舗数については未定、既存店売上の予算前提に関しては前年比98%
水準で置いています。当社の出店はこれまで駅前の物件を得意としていましたが、
高額な家賃支払に耐えられておらず、今期からはより本格的に家賃の安い郊外の
物件へシフトしていくとみられます。都心部はアルバイトの時給も高いため、人件費
削減効果も期待出来ますが、今後は好立地を活かしたフリー入客等は見込みずらく
なるため、今年度は改めて業態力が問われる一年となりそうです。
新店の展開業態としては、やはり価格訴求力のある「アカマル屋」「金の蔵」が中心と
なるとみられ、本来の旗艦業態であり、かつて“電車男”で一世を風靡した「月の雫」
は残しつつも、アッパー業態の両翼を担った「東方見聞録」は廃止される方向です。
「アカマル屋」はパイプ椅子等を使用して、フロアに客を目一杯詰め込んで、坪効率
を追い求める業態であり、これまで個室や半個室を活かして高単価を実現してきた
歴史を振り替えると完全に隔世の感もありますが、基本的にはテンアライドが展開
する「テング酒場」のような業態を、更に高い坪効率で展開する意図とみられます。
なお当社は中期的な定量目標として、3年後(現時点からは2年後)の2020年6月期に
売上高134→200億円、営業利益0.2→6.0億円を目指していましたが、退店の増加で
トップライン段階から無理筋な計画となっており、既に頓挫したものと捉えています。
実際、本年9月より創業家の平林一族(現社長は平林Jr.)が代表権を返上して会長に
退き、光通信出身の平取である長澤氏が社長へと昇任しており、外形上は引責辞任
した格好となっています。然しながら、平林一族と資産管理会社で過半の株を握って
いることから、実態としては平林一族による“院政入り”と考えた方がよいでしょう。
ちなみにこれだけ惨憺たる業績でも、相変わらず財務面は無借金の好財務を誇って
おり、まだまだ余裕でタコ配を継続できる水準にあるものの、ついにこの社長交代の
タイミングで減配(年16→4円)となりました。でもこの覚悟の減配で、いよいよ本格的な
リストラに着手する意志を感じたので、(傀儡政権かもしれませんが)長澤新社長には
頑張ってほしいと思います。
*参考記事① 2017-10-21 996円 --
業態の絞り込みに「迷い」も、三光マーケティングフーズ(2762)。
*参考記事② 2017-03-16 953円 --
蕎麦酒場のヒットなるか、三光マーケティングフーズ(2762)。
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