業態の絞り込みに「迷い」も、三光マーケティングフーズ(2762)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2762】三光マーケティングフーズ(東証2部) --

現在値 996円/100株 PER当期赤字 PBR1.8 6月配当優待 12月配当優待

居酒屋『東方見聞録』等を直営展開。焼き牛丼『東京チカラめし』は縮小。
配当金は年2回合計16円配のため、配当利回りは1.61%となります。

 

三光マーケティングフーズは株主優待制度を導入しておりまして、単元株

を保有する6末12末の株主に対して、3,000円の食事券を年2回進呈してお

りますので、優待配当利回りを算出すると約7.63%となります。

業績は下記の通りです。 
■2014年6月期 売上高 193億円、経常利益 ▲21億円 EPS▲329円
■2015年6月期 売上高 144億円、経常利益 0.0億円 EPS ▲45円 
■2016年6月期 売上高 137億円、経常利益 3.2億円 EPS 20.4円 
■2017年6月期 売上高 134億円、経常利益 0.4億円 EPS▲20.7円 

■2018年6月期 売上高 140億円、経常利益 1.8億円 EPS▲6.95円 ce
□2017年12月中 売上高 69.0億円、経常利益 0.0億円 EPS 0.0円 四e

2017年6月期の売上高は前期比2.2%減の134億円、経常利益は同86.8%減

の0.4億円となり、期初計画を大きく下回りました。新店が計画の15店に対

して、わずか4店の出店に留まったことが売上高未達の主な原因であり、

一方の利益面については人件費・原材料・物流コストの増加が響いたこと

により、損益均衡圏まで落ち込みました。それでも中間時点で減額した予

算は守っているため、悪いなりに黒字を確保したことは多少評価出来ます。

進行期である2018年6月期通期の予算については、売上高が前期比4.2%

増の140億円、経常利益は4.2倍の1.8億円を予想しています。今期は新店

10店・退店1店を見込んでおりますが、既存店売上に関しては前年比96%

を前提に保守的な予算組みをしているため、増収幅が限定的となります。

また本社に関しても、当社は長らくの間池袋の半地下みたいなのビルを賃

借していましたが、本年1月に中央区新川に移転したタイミングで体制の再

構築を実施しており、実際に店舗の販促費や経費コントロールの面で成果

を上げているため、これらの取り組みによる利益率の改善が見込まれます。


また、価格訴求力のある「アカマル屋」「金の蔵」業態への絞り込みを実施

していく一方で、アッパー業態の「月の雫」は残しつつも、「東方見聞録」を

廃止していく方針としています。かねてより当社店舗の出店は高い繁華性

があり、家賃も人件費も高い一等地を好む傾向がありますが、「アカマル

屋」は客席のテーブル間を詰めて、ゴリゴリと“坪効率”を追求することで、

高コストを上手く回収出来ているような印象を受けます。

 

反面、「月の雫」といった個室居酒屋は空間を詰めずに、空間のまま活か

す高単価型の業態ですので、「アカマル屋」や「金の蔵」、育成業態である

「ゑびや」などとは自ずと相容れない形となります。「チカラめし」の大損失

からいまだ再建中の当社としては、ある程度業態を絞って効率化すべきな

のですが、中途半端に「月の雫」だけを残してテコ入れしようとするあたり、

まだ会社側(端的に言うと平林Jr.)に迷いや未練の姿勢を感じます。一応、

中期的な定量目標として、3年後の2020年6月期に売上高134→200億円、

営業利益0.2→6.0億円を目指していますが、さすがに無理筋と思われます。

 

ただこのような状況でも、ギリギリ営業黒字は確保出来ており、依然として

無借金の好財務状態が継続しています。毎期のように店舗減損の特損が

あるため余裕のタコ配ではありますが、期初から最終赤字予想の今期も、

通期16円の配当予想を据え置いています。好財務は良いことなのですが

会社側はそれに胡坐をかいているフシもあるため、こと当社に関しては、

果たしてこの状態が良いのかどうかは、評価に迷うところではあります。

*参考記事① 2017-03-16  953円 -ー

蕎麦酒場のヒットなるか、三光マーケティングフーズ(2762)。

*参考記事② 2015-10-08 913円 -ー
まさかの中間増額で反転攻勢へ、三光マーケティングフーズ(2762)。

 

 

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