【2752】フジオフードシステム(東証JQスタンダード) ---
現在値 1,798円/100株 PER29.1 PBR4.71 12月配当優待 6月優待
大阪地盤に大衆セルフ食堂『まいどおおきに食堂』全国展開。
配当は12月一括の17.5円配当のため、配当利回りは0.97%となります。
フジオフードシステムは株主優待制度を導入しておりまして、6月末12月末
に100株以上を保有する株主に対して、3,000円分の自社製品などを進呈
しておりますので、配当優待利回りは約4.31%となります。
業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 304億円、営業利益 27.1億円、EPS 144円
■2015年12月期 売上高 333億円、営業利益 23.6億円、EPS 110円
■2016年12月期 売上高 349億円、営業利益 24.1億円、EPS 111円
■2017年12月期 売上高 363億円、営業利益 25.0億円、EPS 61.7円ce修
□2017年6月中 売上高 175億円、営業利益 11.6億円、EPS 30.6円(8/10)
2017年6月期中間期の売上高は前年同期比1.2%増の175億円、営業利益
は同14.5%減の11.6億円となり期初の予算を割り込みました。当上期にお
いても、主力業態である「まいどおおきに食堂」の低調推移が継続しており
既存店売上高は上期6か月全ての月で前年割れとなりました。その一方で
「串家物語」に関しては関西エリアにおけるCM投入が奏功し、前年の売上
をクリアしました。利益に関しては、原材料費・人件費の高騰が重しとなり
上期増益予想(営業利益27.3億円)から一転して減益着地となっています。
なお2017年12月期通期予算については中間時点で減額しており、売上高
こそ4.1%増の363億円を据え置いているものの、営業利益は前期比3.7%増
の25.0億円(従:27.3億円)に修正しています。前期は26店(※純増ベース)を
出店しましたが、今期は10店舗程度の純増に留まるものの、昨年ダスキン
から買収した海鮮丼チェーンの「どん」が通期で寄与するため、トップライン
を据え置いています。気掛かりなのは「まいどおおきに食堂」は中間の6月
以降も下げ止まっておらず、月次が開示されている9月まで“対前年全敗”
が続いております。そのため、上期の凹み分の利益しか減額していない修
正通期予算にはなお過大感があり、再度下ブレする懸念を孕んでいます。
今期は4年中計「FUJIO40」の2年目となっており、3年後の2019年12月期に
売上高500億円(CAGR11%)、営業利益54億円(CAGR24%)の定量目標値を
掲げていましたが、今8月に5年中計「FUJIO2020」にローリングしています
新しい定量目標は2020年12月期に売上高482億円(CAGR10%)、営業利益
46億円(CAGR19%)を設定しているため、最終年度が1年後ろにズレる上に
定量目標値がさらに下がるので、事実上の大幅下方ローリングとなります。
これは昨今の「働き方改革」のための労務面での構造改革費用の影響を
見込み、成長モメンタムより体制強化を優先させる趣旨かと思われます。
一応、独立によるFC店舗増や、海外展開、MA等による外部成長を中計の
指針としていますが、会社側としては人件費高騰やバイト採用難のリスク
をFCへと転嫁し、ロイヤリティ収入比率を高めたい意向が透けて見えます。
そんなわけで当社の中計の数値は通常ほとんど当てにならないものの、
MAや提携・ライセンスの取得には定評があり、明太子の「博多ふくいち」
株の35%取得に続き、「はらドーナッツ」「どん」の買収を済ませているほか
上場企業である「梅の花」とも10億円分の株を持ち合って、仕入の協力や
新業態の開発を進めています。また足許ではベトナムにおける当社FCの
開拓を済ませているほか、米国のベーグル店「Eltana」の国内ライセンスを
取得するなどしているため、相変わらず“種蒔き”だけは順調なようです。
なお、本年6月には1対2の株式分割を実施しており、株主優待制度を据え
置いて実質的に拡充し、“時価総額経営”の香りが多少漂ってきたものの、
昨年末まで自社株買いをしていた経緯や、なおデット調達出来る財務状況
を鑑みるに、その辺はあまり考えなくてもよいかもしれません。考えられる
他のシナリオとしては“次のステージ”ですが、直近で労務問題を起こした
経緯があるため、要件は揃っていてたとしても少し先の話と考えています。
*参考記事① 2017-04-10 1,384円*分割修正済 ---
梅の花(7604)と資本業務提携で雌伏期脱出へ、フジオフードシステム(2752)。
*参考記事② 2016-10‐22 1,297円*分割修正済 ---
「はらドーナッツ」を子会社化、フジオフードシステム(2752)。
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