中計下方も、“次のステージ”への移行に期待・フジオフードシステム(2752)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2752】フジオフードシステム(東証JQスタンダード) --

現在値 1,940円/100株 PER26.8 PBR4.57 12月配当優待 6月優待

大阪地盤に大衆セルフ食堂『まいどおおきに食堂』全国展開。
配当は12月一括の20円配当のため、配当利回りは1.03%となります。

フジオフードシステムは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末に100株以上を

保有する株主に対して、3,000円分の金券・自社製品を進呈しておりますので、配当

優待利回りは約4.12%となります。

業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 304億円、営業利益 27.1億円、EPS 144円
■2015年12月期 売上高 333億円、営業利益 23.6億円、EPS 110円
■2016年12月期 売上高 349億円、営業利益 24.1億円、EPS 111円 
■2017年12月期 売上高 359億円、営業利益 26.0億円、EPS 67.1円(2/13)

■2018年12月期 売上高 379億円、営業利益 29.5億円、EPS 72.3円 ce
□2018年6月中 売上高 184億円、営業利益 13.5億円、EPS 33.5円 ce


2017年12月期の売上高は前期比3.0%増の359億円、営業利益は同8.1%増の26.0億円

となり、期初の予算を割り込んでものの、中間時点の減額修正目標はクリアしました。

主力業態である「まいどおおきに食堂」がメニュー改善や店舗改装等の施策が実らず

に苦戦しており、月次の既存店売上高で前年をクリアしたのは1ヶ月のみとなりました。
一方、「串家物語」を中心とするその他業態は同様の施策がある程度ハマり、既存店

は概ね前年をクリアしたため、全社業績を底上げしました。なお、出店に関しては期初

段階では純増10店を見込んでいたものの、結果的には純増14店となりました。


進行期である2018年12月期の予算については、売上高が5.6%増の379億円、営業利益

は13.2%増の29.5億円を予想しています。出店は新業態を中心に前年を上回るペースで

推進する計画であり、引き続きFCを活用した利益率の改善を目指します。ただ低迷続く

「まいどおおきに食堂」はまだ下げ止まっておらず、既に月次で開示されている1Q累計

では前年割れでの仕上がりとなっているほか、堅調な「串家物語」を含むその他業態も

足許では数字が伸び悩んできているため、今期もまた期初予算の達成は不透明です。


今期は当初4年中計「FUJIO40」の3年目となっており、2年後の2019年12月期に売上高

500億円(CAGR11%)、営業利益54億円(CAGR24%)を目指していましたが、昨年8月に5年

中計「FUJIO2020」へと減額ローリングしています。新しい定量目標は、2020年12月期に

売上高482億円(CAGR10%)、営業利益46億円(CAGR19%)を設定しているため、最終年

度を1年後ろにズラした上に、定量目標値をさらに下げたので、事実上は大幅な下方ロ

ーリングを実施した格好になります。当社はかつて労務問題で当局から刺された経緯も

あり、「働き方改革」のための構造改革費用を見込まざるを得ない部分があるため、この

ような経緯になったとみられます。また、利益だけでなくトップラインから目標値を落とし

ているので、既存店の不振とFC転換の遅延、それに伴う出店数の鈍化が影響している

可能性などもありそうです。

 

一方、業態開発に関しては他社より進捗している印象であり、「天麩羅 えびのや」や、

「駅前パーラー」、「洋食フジオ軒」などの自社ブランドは、主力の2業態以外の有力な

サブブランドとして育成が進んでおり、関東・関西両方で複数出店を果たしています。

また、外部ブランドとしては、米国のベーグル店「Eltana」の国内ライセンスを取得した

ほか、一昨年にライセンスを取得したシンガポールのサラダ専門店「SaladStop!」も

六本木・表参道・神谷町といった高感度なエリアに出店して、育成を図っています。

 

当社は2017年6月に1対2の株式分割を実施しており、株主優待制度を据え置いて、

実質的に拡充しています。当社は売上規模や時価総額的にも、既にJQ市場に留ま

るような規模の会社ではなく、株主数も14千名を超えてきているような状況なので、

“次のステージ”への外形的な要件は既に揃っている状況です。おそらく労務関係

や管理体制の再構築といった定性的な部分がネックになっているとみられますが、

採用難の外食業界において、上場市場のランクは採用面で重要な要素ですので、

なんとか推進してほしいと考えております。

 

*参考記事① 2017-10-28  1,798円*分割修正済 ---

「まいどおおきに」浮上せず、修正予算なお過大・フジオフードシステム(2752)。

 

*参考記事② 2017-04-10  1,384円*分割修正済 ---
梅の花(7604)と資本業務提携で雌伏期脱出へ、フジオフードシステム(2752)。

 

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