赤字続き重要事象点灯中だが、業績自体は微拡大中・ベルグアース(1383)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1383】ベルグアース(東証JQS) ---

現在値 1,939円/100株 PER68.4 PBR 2.36 10月配当 4月株主優待

接ぎ木したトマト、キュウリなどの野菜苗を生産販売。連作障害苗に強み。
配当金は10月末一括の10円配当のため、配当利回りは0.52%となります。

 

ベルグアースは株主優待制度を実施しており、4月末の単元株主に対して、1,000円分の

クオカードか、4,000円相当の千葉県産(熊本県産)メロン、ないしは3,000円相当のトマト

ジュースを進呈しておりますので、メロン選択時の配当優待利回りは約2.57%となります。

業績を確認していきます。
■2014年10月期 売上高 40.2億円、営業利益 1.1億円 EPS 132円
■2015年10月期 売上高 42.3億円、営業利益 0.5億円 EPS 26.2円
■2016年10月期 売上高 43.9億円、営業利益▲0.9億円 EPS 11.0円 
■2017年10月期 売上高 46.2億円、営業利益▲0.5億円 EPS▲54.4円
■2018年10月期 売上高 47.9億円、営業利益 0.4億円 EPS 28.6円 ce
□2018年4月2Q 売上高 20.8億円、営業利益▲1.1億円 EPS▲53.2円

□2018年4月3Q 売上高 30.6億円、営業利益▲1.2億円 EPS▲63.6円(9/10)

2018年4月期中間期の売上高は、前年同期比1.7%増の20.8億円、営業利益は赤字幅が

縮小し、▲1.1億円となりました。主力の野菜苗事業は閑散期に当たるものの、関東向け

のピーマンやメロン苗等の出荷が堅調だったほか、全国のホームセンター向けの玉ねぎ

苗の売上が増加しました。一方、利益に関しては配送費の増加傾向がみられたたものの、

チャーター便や自社便の活用によりコスト増の抑制に努めたほか、ベルグ福島の稼働に

伴う生産能力向上による採算性の改善により、赤字幅が大きく改善しました。


なお、2018年10月期の通期予算については期初のものを据え置いており、売上高が3.8%

増の47.9億円、営業利益は黒字に転換し、0.4億円を見込んでいます。昨年1.2億円を投じ

てC棟を増設した、当社最大の茨城県常陸大宮農場がフル稼働を続けており、福島・茨城

県内向けのキュウリ、ピーマン、トマト苗の受注が順調に増加しています。またこれら以外

のナス、スイカ、メロン等についても軒並み前年を上回る売上を記録しており、既に開示さ

れている3Q累計期間の決算は(季節偏重性もあるため)依然赤字ではあるものの、今期は

いよいよ営業黒字への復帰が期待される状況です。

 

当社は中長期的な定量目標値を設定しておりませんが、定性目標として、「全国農場展開」

「多角化」「グローバル化」の3目標を掲げています。現在国内では5ヵ所の直営農場(宇和島

・長野・花巻・茨城・松山)と福島の施設を擁していますが、各施設の生産能力増強のために

設備投資を継続しているほか、接ぎ木後の二次育苗農場の開業候補地選定を行っており、

関東・中部・九州などで実際に農場開場の検討を進めています。

 

「グローバル化」、という点では昨年末に中国・河北銘福隆農業開発有限公司と合弁会社を

設立(持分は40%)し、中国において本格的に苗事業を展開する体制を構築していましたが、

ようやく現地で苗生産を始めたばかりなので、収益貢献はまだまだ先です。そもそも当社は

伊藤忠商事の資本業提携先であるタイ財閥のCPグループと中国市場で業務提携しており、

日本式の高級トマトを売り出す計画の方が順番的には先だったはずですが、目先は手掛け

やすい苗事業に注力している状況です。なお、CPグループとの合弁会社の設立は19年の

予定となっており、(その時期まで大財閥のCPのやる気が残っているかは謎であるものの)

合弁がスタートしない限りスピードも出ないと思いますので、一旦はそれを待つ形となります。

 

当社は2011年末に東証JQ市場に上場し、昨年の株主優待制度導入や、採用サイトからも

明らかなとおり、中長期的には東証一部への指定替えを志向しているものとみられます。

株価的にも上場時の公募で1.8億円を調達した水準(@740円)をクリアしておりますが、直近

2期は経常赤字のため、現実的にはかなり時間がかかるとみられます。種苗事産業自体は

成長産業であり、当社もじわじわとトップライン成長しているものの、スピード感が物足りず、

指定替えに必要な損益の黒字基調が定着するのは、どんなに早くても3年後の2021年10月

期がメドになると思われ、そこではじめて指定替え申請・・・・という流れを想定しています。

 

そのため、現在の20億円ほどの時価総額では相応の痛みをともなうものの、食品・バイオ

系などの大手事業会社に三者割当で増資を引き受けてもらうのがよいかと考えています。

資本が入るのが理想ですが、最悪業務提携でも構わないので、ネームのある事業会社と

の協業で、とにかく事業展開のスピードアップを期待したいと思います。

 

*参考記事① 2018-03-03 2,427円 --

売上順調増だが、海外展開に迷いがあるか・ベルグアース(1383)。

*参考記事② 2017-09-20 1,399円 ---
CPグループとの提携は有望も、要時間か・ベルグアース(1383)。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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