念願の初回PO実現、DPU5,700円は射程圏・投資法人みらい(3476)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_3216.jpg

【3476】投資法人みらい(東証REIT) --

現在値 194,900円/1株 PER17.4 PBR1.07 4月分配 10月分配

三大都市圏を中心とする総合型。スポンサーは三井物産とイデラCP。
予想分配金は年2回の合計11,200円配で、分配金利回りは約5.74%です。

業績を確認していきます。
■2017年4月期 営業収益 23.9億円、経常利益 10.3億円 DPU 3,260円 

■2017年10月期 営業収益 33.7億円、経常利益 15.2億円 DPU 5,174円

■2018年4月期 営業収益 39.5億円、経常利益 16.9億円 DPU 5,807円(6/13)

■2018年10月期 営業収益 42.6億円、経常利益 19.0億円 DPU 5,600円 ce

■2019年4月期 営業収益 42.6億円、経常利益 19.0億円 DPU 5,600円 ce

2018年4月期の営業収益は当初予算比との比較で2億円上振れし39.5億円、経常利益は

同0.5億円上振れして16.9億円となりました。分配金に関しては、当初予想の5,600→5,807

円となり、207円も上振れしました。主な増収要因は、昨年10月にスポンサーのイデラから

取得した天王洲の「東京フロントテラス」が巡航に入ったほか、「ミ・ナーラ」の賃料発生が

始まったことが大きく寄与しています。これまでの旗艦物件だった「品川シーサイドパーク

タワー」については一棟所有を切り崩し、本年2月に36.6%を三井物産の私募REITにシェア

アウトしたため、約13千万円の譲渡益が発生しており、DPUの増加に寄与していますが、

シェアアウトによる減収により、かなりの部分が相殺されてしまっています。

 

進行期である2018年10月期の予算は、営業収益が7.9%増の42.6億円、経常利益が11.9%

増の19.0億円を見込んでおります。本年5月に実施した第1回PO(※後述)により、名古屋

で「MIテラス名古屋伏見」を取得したほか、「ミ・ナーラ」のリースアップの進捗にともない

賃料が増加する見通しです。このほか、上野御徒町でフォーブスが運営するウイングホ

テルと、グリーンズが運営するコンフォートホテル他3物件(伊勢・長野・北上)が通期寄与

するため、「品川シーサイドパークタワー」の持分の減少を補い、増収を予想しています。

なお、分配金については譲渡益の剥落により、207円減となる5,600円を予想しています.

 

当法人は本年5月に上場来初のPOを実施しており、IPO時の公募価格である@183,000

円を微妙に下回る@176,962円で、約80億円を調達しています。上場来長らく株価が低迷

してきた経緯があり、IPO割れ&NAV割れ水準での増資となったものの、足許の株価推移

は回復基調が鮮明であり、LTVも50%まで近接していたので、タイミングとしては悪くない

ものと考えています。取得した「MIテラス名古屋伏見」という市営地下鉄東山線伏見駅/

徒歩2分の物件は、オフィスの名駅シフト傾向は気になるものの、基準階が300坪整形で

場所も日銀の近くなので、まずまず競争力がある物件と考えています。上野のホテルに

ついては鑑定NOI4.4%の取得が気になりますが、新築物件であり、宿泊特化型ホテルと

してはインバウンド客を幾らでも取れる好立地のため、こちらもまずまずだと思います。

 

なお、当法人はREITとしては異例となる中期経営計画を策定しており、2020年4月まで

の3年間で、分配金を5,100→5,700円へと1割強引き上げる目標を置いています。既に

巡航ベースで5,600円を確固たるもののしつつあるほか、売却益のあった実績期では、

5,800円オーバーを実現しており、会社側も「中計の前倒し達成に道筋をつけた」、旨を

公表していることから、初回POの実現もあり、今期での達成が濃厚かと思われます。

 

ということで、現在のところかなり順調な運用と急ピッチなDPU成長が確認出来ており、

名有りのパイプラインである「新宿イーストサイドスクエア(5%)」、「六甲アイランドDC」の

取得(※PO2回目)が待たれるところであります。残念なのは、アップサイドが減ってきた

ことであり、三井物産のクレジットを活かした資金調達も平均金利0.5%(平残は6.0年)で

引っ張ってこれているため、これ以上の金利コスト低下は望みにくくなってます。また、

LTVも下がったとはいえまだ50%弱のため、無理して手金で買えるのもせいぜい小さい

ホテル等に限られますので、足許は手掛かり材料難の状況と言えます。

 

*参考記事① 2018-02-26  187,100円  —-

念願の公募奪回でPOによる外部成長チャンス、投資法人みらい(3476)。

 

*参考記事② 2017-08-11 171,700円  —-

三井物産の総合力に改めて期待、高利回りREITの投資法人みらい(3476)。

 

 

会社四季報 2018年4集秋号 [雑誌]

新品価格
¥2,060から

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 

特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村