売上順調増だが、海外展開に迷いがあるか・ベルグアース(1383)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1383】ベルグアース(東証JQS) ---

現在値 2,427円/100株 PER85.6 PBR 2.72 10月配当 4月株主優待

接ぎ木したトマト、キュウリなどの野菜苗を生産販売。連作障害苗に強み。
配当金は10月一括の10円配当のため、配当利回りは0.41%となります。

 

ベルグアースは株主優待制度を実施しており、4末の単元株主に対して、1,000円

分のクオカード、ないしは、3,000円相当の茨城産メロンを進呈しておりますので、

メロン選択時の配当優待利回りは約1.64%となります。

業績を確認していきます。
■2014年10月期 売上高 40.2億円、営業利益 1.1億円 EPS 132円
■2015年10月期 売上高 42.3億円、営業利益 0.5億円 EPS 26.2円
■2016年10月期 売上高 43.9億円、営業利益▲0.9億円 EPS 11.0円 
■2017年10月期 売上高 46.2億円、営業利益▲0.5億円 EPS▲54.4円(12/11)
■2018年10月期 売上高 47.9億円、営業利益 0.4億円 EPS 28.6円 ce
□2018年4月中 売上高 20.5億円、営業利益▲1.2億円 EPS▲78.8円

2017年10月期の売上高は、前期比5.2%増の46.2億円、営業利益は赤字幅が縮小し、

▲0.5億円となりました。9月の3Q 時点で期初予算を修正していましたが、概ねその

水準での落着となりました。主力の野菜苗事業において、茨城県向けのピーマンや

メロン苗等の出荷が堅調だったほか、全国のホームセンター(小売)向けのタマネギ

苗の売上が増加しました。一方、利益に関しては人件費の増加がみられたたものの、

ベルグ福島の稼働に伴う生産能力向上等が寄与し、損益がやや改善しました。


進行期である2018年10月期の予算については、売上高が3.8%増の47.9億円、営業

利益は黒字に転換し、0.4億円を見込んでいます。苗生産施設であるベルグ福島の

通期稼働効果や、昨年1.2億円を投じた茨城農場の育苗能力増強(15%増)等により、

規模拡大を図るほか、生産効率の改善による損益改善を見込んでいます。ただ、

1Qから天候不順の影響が出ている可能性があり、早くも達成不透明圏と言えます。

 

当社は中長期的な定量目標値を設定しておりませんが、定性目標として、「全国農

場展開」「多角化」「グローバル化」の3目標を掲げています。現在国内では5ヵ所の

直営農場(宇和島・長野・花巻・茨城・松山)と福島の施設を擁していますが、提携を

活用した拠点数の拡大や、人工光栽培といった新領域の育成を行っています。

 

また、「グローバル化」という観点では年末に中国・河北銘福隆農業開発有限公司

と合弁会社を設立(持分40%)し、中国において本格的な苗事業を展開する体制を

整えています。そもそも当社は昨年頭に伊藤忠商事と資本業提携を実施したタイ

財閥のCPグループと中国市場で業務提携し、日本式の高級トマトを売り出す計画

だったのですが、足許の中国事業は早くも価格重視(※低価格路線)の育苗事業に

“宗旨替え”しており、海外で色々試すには企業体力が脆弱であることを考慮すると

その辺の戦略のブレはやや気になります。当初のCPグループとの合弁会社の設立

は19年の予定なので、そこを実現出来るかどうかをまずは注目したいと思います。

 

当社は2011年末に東証JQ市場に上場し、昨年の株主優待制度導入や採用サイト

からも明らかなとおり、中長期的には東証一部への指定替えを志向しているものと

みられます。株価的にも上場時の公募で1.8億円を調達した水準(@740円)をクリア

しているため、本来ならば早く二部市場に指定替えしたいところですが、直近2期は

経常赤字のため、現実的には向こう数期間に渡って指定替えは不可と思われます。

 

そのため、基本的には第2位株主でもある伊予銀行(4.7%)からのデットに頼らざるを

えず、財務維持のために現行10円の配当すらしてほしくないのですが、吐き出して
しまっているので、その辺の資本政策も微妙です。但し、良いスポンサーが付けば

一発逆転、というシナリオもなくはないので、自律成長期待よりは、被買収期待とか

大手企業による三社割の引受期待とか・・・そういう感じになろうかと思います。

*参考記事① 2017-09-20 1,399円 ---
CPグループとの提携は有望も、要時間か・ベルグアース(1383)。

 

 

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