【3175】エー・ピーカンパニー(東証マザーズ) ---
現在値 566円 PER27.1 PBR1.24 3月無配 株主優待あり
都内中心に居酒屋『塚田農場』等を展開。自社農場で地鶏を育成。
配当金の支払い実績はありません。
エーピーカンパニー株主優待を実施しており、3月末に単元株を保有する株主に対して
3,000円分の株主優待食事券を贈呈しておりますので、優待利回りは5.30%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 192億円、経常利益 14.9億円、EPS 122.0円
■2016年3月期 売上高 218億円、経常利益 8.2億円、EPS 71.4円
■2017年3月期 売上高 259億円、経常利益 5.2億円、EPS 17.3円
■2018年3月期 売上高 257億円、経常利益 5.5億円、EPS▲35.0円
■2019年3月期 売上高 250億円、経常利益 4.3億円、EPS 20.8円 ce
□2018年6月1Q 売上高 59.9億円、経常利益▲0.3億円、EPS▲12.1円(8/13)
□2018年9月中 売上高 120億円、経常利益▲0.5億円、EPS▲8.3円 ce
2018年3月期の売上高は前期比0.9%減の257億円、経常利益は同4.3%増の5.5億円となり、
辛うじて増益こそ確保したものの、計画比では大幅未達となりました。既存店の売上高は
保守的に95.0%水準で予算を組んでいたものの、これを下回る92.6%での着地となりました。
国内の外食店舗数自体は4店の純増でありながら、減収となっているため、既存店の深刻
な状況があらわとなっており、海鮮業態は比較的マシではあるものの、生産直結モデルの
要である「塚田農場」の不振のあおりで、生産事業(養鶏等)も苦戦を強いられました。なお、
ボトムラインでは国内店舗や海外事業の店舗減損を6億円計上し、大赤字になっています。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が2.8%減の250億円、経常利益は
21.8%減の4.3億円と期初段階から減収減益を見込んでいます。今期は内外合計で出店数
を5店程度まで抑制する計画となっており、生産事業の設備投資等も見送る見通しです。
ただ、予算前提となる通期の既存店売上高を96%に設定しているものの、既に開示されて
いる5ヵ月累計期間(4月~8月)の数字は90.5%に沈んでいるほか、1Q決算も赤字で通過し
ているため、減収減益予算にも拘わらず、早くも大幅未達ペースの点は要注意です。
苦戦の原因については、主力業態である「塚田農場」が、大量出店で陳腐化してしまった
ことや、接客を中心としたオペレーションに依存して高客単価を稼いでいたにも拘わらず、
人材の採用難や教育不足による客離れを起こしてしまったことが主な要因です。その後、
鳥貴族などのチェーン店の影響を受け、得意の生産事業によるマスメリットを活かせる
「やきとりスタンダード」という廉価業態の展開を模索しましたが、足許では再び高単価
路線に舵を切っています。中目黒に開業した焼鳥「つかだ」は、「塚田農場」よりもさらに
高い4,500円~5,500円に客単価を設定しており、海鮮業態で同レンジの価格帯で展開
している「日本橋墨之栄」や「魚米」での成功事例を、焼鳥業態に活かす目論見です。
また、シンガポールを中心に地鶏ガラを利用した美人鍋店舗を展開していた海外事業
は、黒字化手前まで漕ぎつけつつも、香港以外は現状維持か撤退の方向で動いており、
あくまで国内事業の立て直しを最優先にする計画です。唯一、好調と言えるのが設立
4年目を迎えた弁当事業であり、こちらは実績期で既に黒字転換を果たしていますが、
まだまだ利益の絶対額が少ない状況であるため、ひとまずは今後の生産事業の販路
拡大のための販売網(店舗立地)確保手段として、“先兵的”な役割が期待されます。
ちなみに株主還元については今期も無配を予想しているものの、今のところ毎期黒字
で業績を仕上げているので、27%超の自己資本比率を考慮すると、配当自体は可能な
水準にあるとみられます。しかしながら、まだまだ当社はリストラ期の真っ最中である
と捉えるのが自然な考え方であり、株主還元については下値での自社株買いの発動
以外は期待すべきではありませんし、実際に配当もすべきではないと考えております。
*参考記事① 2017-07-30 855円 ---
屋号を変えて高単価路線に再回帰?エー・ピー・カンパニー(3175)。
*参考記事② 2016-07-12 812円 ---
焼鳥60円の新業態を展開、エー・ピーカンパニー(3175)。
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