【3175】エー・ピーカンパニー(東証マザーズ) ---
現在値 855円 PER16.2 PBR1.6 3月無配 株主優待あり
都内中心に居酒屋『塚田農場』等を展開。自社農場で地鶏を育成。
配当金の支払い実績はありません。
エーピーカンパニー株主優待を実施しており、3月末に単元株以上を保有
する株主に対して3,000円分の株主優待食事券を贈呈しておりますので、
優待利回りは3.50%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 157億円、経常利益 12.4億円、EPS 91.9円
■2015年3月期 売上高 192億円、経常利益 14.9億円、EPS 122.0円
■2016年3月期 売上高 218億円、経常利益 8.2億円、EPS 71.4円
■2017年3月期 売上高 259億円、経常利益 5.2億円、EPS 17.3円
■2018年3月期 売上高 275億円、経常利益 8.0億円、EPS 52.8円 ce
□2017年9月中 売上高 132億円、経常利益 1.2億円、EPS 6.9円 ce
2017年3月期の売上高は前期比18.9%増の259億円、経常利益は同36.1%
減の5.2億円となり、計画比では増収となったものの、2期連続の大減益と
なりました。増収要因は主に新店の増分によるもので前期に出店した40店
が通期で寄与したことに由りますが、一方の減益要因は既存店売上高が
94.3%に低下したことが大きく、利益率の減少傾向が止まりませんでした。
前期の既存店売上高が93%だったことも考慮すると、壊滅的な数字です。
進行期である2018年3月期の予算については、売上高が5.9%増の275億円
経常利益は51.7%増を見込んでいます。今期は内外合計で出店数を17店
程度にまで抑制する計画であり、引き続き人材教育・体制再構築に注力し
既存店の立て直しを目指します。通期の既存店前提も95%であり、一見保
守的な数字にも見えますが、既に開示されている1Q(4‐6月)の月次は累計
で93%という低水準まで沈んでおり、早くも未達リスクが懸念されます。
業態の展開状況については、主力の「塚田農場」が大量出店により、目新
しさが喪失してしまったうえに、人材教育不足により高単価を維持できなく
なってしまったため、直近では「やきとりスタンダード」などの低価格業態の
展開にシフトしつつありましたが、足許では屋号を変えて高級和食居酒屋
や鴨専門店など再び高単価路線に回帰しているようです。この辺はワタミ
の戦略を周回遅れで真似して、業態戦略が右往左往しているような気もし
ますが、当社は一次産品を売りにしているので、基本は高単価路線で攻
めるべきであり、やっと本来の姿に戻りつつあると捉えることも出来ます。
唯一マシなのは海外事業であり、展開出店数も約1年で7→16店まで倍増
させています。主にシンガポールで地鶏ガラを利用した美人鍋店舗を展開
しており、これを中国やインドネシアにも展開していく計画です。既に海外
売上も32億円を超えており、先行投資も一巡しているのか黒字化手前ま
で漕ぎつけているので、当面の成長の軸は海外ということになりそうです。
ちなみに株主還元については今期も無配を予想していますが、業績的に
は一頃の勢いがないものの、毎期黒字で仕上がっているので財務的には
配当可能な水準にあります。ただ当社の場合は二次産業(加工工場)等の
段階などで設備投資が必要となるケースもあるので、無理して配当しない
方が良く、2015年のようにまた自社株買いしてくれればそれで十分です。
*参考記事① 2016-07-12 812円 ---
焼鳥60円の新業態を展開、エー・ピーカンパニー(3175)。
*参考記事② 2015-07-01 1,997円 --
高成長続くも、中計は未達。エー・ピー・カンパニー(3175)の短評。
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