【2705】大戸屋ホールディングス(東証JQS) ---
現在値 2,209円/100株 PER44.1 PBR3.57 3月配当株主優待
定食専門店『大戸屋ごはん処』を直営・FCで首都圏中心に展開。
配当金は3月末の一括25円配当のため、配当利回りは1.13%となります。
大戸屋ホールディングスは株主優待を導入しており、3月末に100株以上を保有する株主に
対して2,500円分の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.26%となります。
業績は以下の通りとなります。
■2015年3月期 売上高 246億円、経常利益 6.2億円 EPS 38.0円
■2016年3月期 売上高 260億円、経常利益 5.9億円 EPS 42.4円
■2017年3月期 売上高 256億円、経常利益 7.1億円 EPS 49.6円
■2018年3月期 売上高 262億円、経常利益 6.6億円 EPS 28.3円
■2019年3月期 売上高 274億円、経常利益 7.1億円 EPS 49.9円 ce
□2018年6月1Q 売上高 61.9億円、経常利益 0.3億円 EPS 0.9円(8/9)
□2018年9月中 売上高 135億円、経常利益 2.2億円 EPS 15.2円 ce
2018年3月期の売上高は前期比2.5%増の262億円、経常利益は同6.8%減の6.6億円となり
ました。既存店は台風や降雪などの天候影響を受けつつも入客は前年の99.7%を確保した
ものの、客単価も99.8%となったため、トータルの既存店売上高は99.5%となりました。単価
の高いメニューの増加で客離れが発生したため、廉価メニューを投入して客数増を狙った
ものの物足りない結果となりました。利益面については、人件費や水光熱費の増加が重く、
増収予想から一転して減益着地となりました。なお期末の総店舗数は、内外合計で441→
457店と16店の純増となり、出店構成比では海外店が過半を占める結果となりました。
進行期である2019年3月期の売上高は4.3%増の274億円、経常利益は同7.1%増の7.1億円
を計画しています。今期の純増店舗数は27店(出店は34店)を予定しているほか、既存店
のテコ入れ及び費用増加対策として、オーダー端末やセルフレジの導入を推進するほか、
“UBER EATS”や“fineDine”との宅配提携を進める計画です。提供するメニューに関して
も変更予定であり、駅前商業立地・ビジネス立地・ロードサイド立地の3パターンに分けて、
それぞれ商品構成を変えて客単価をの最適化を図る方針です。また、メニューにもピクトを
用いた栄養成分表示を実施し、顧客の健康志向に対する訴求の効果向上を狙います。
当社は3年ローリング形式の中計を策定しており、最終年度である2021年3月期に売上高
303億円(CAGR5%)、経常利益10.1億円(CAGR15%)を目指しています。既にローリング済の
ため見えずらくなっていますが、前年と比べると業績目標は事実上の減額修正となっており、
向こう3年の成長モメンタムも減速しています。当該中計によれば今期も“既存店テコ入れ”
期に位置付けられてしまっていますが、来期以降は出店再加速による500店体制の実現と
既存店全店黒字化、東南アジア展開の加速により表記定量目標の実現を狙います。
ただ国内外食事業については、同業他社も含めて、デフレ傾向継続により値上げしずらい
状況が継続しているほか、人件費高・原材料高・水光熱費高の三重苦となっているため、
当社の成長の活路は日本食・定食ブランドを程々に維持させつつも、東南アジア等でFCを
大量に出店し、ロイヤリティーで稼ぐのが基本戦略になろうかと思われます。
一応、国内事業では主力ブランドの「大戸屋」のほかに、「三かみ堂」という居酒屋兼用の
新業態を吉祥寺に開業したほか、「かこみ食堂」という小鉢やデザートに拘った女性向け
の新業態を池袋に開業しています。このほか、プレナスの「やよい軒」辺りをイメージした
男性向け業態の開発を予定していますが、以前武蔵境で展開していた「大戸屋キッチン」
や池袋の居酒屋「おとや」など、中途半端に派生して失敗した事例も多いので、海外への
注力を前提とするなら、主力の「大戸屋」ブランドにこだわってほしいところではあります。
*参考記事① 2017-07-14 2,033円 ---
長期優待導入は創業家の相続対策か?大戸屋ホールディングス(2705)。
*参考記事② 2016-07-21 1,911円 ---
主導権争いは一旦会社側に軍配、大戸屋ホールディングス(2705)。
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