主導権争いは一旦会社側に軍配、大戸屋ホールディングス(2705)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2705】大戸屋ホールディングス(東証JQS) ---

現在値 1,911円/100株 PER39.56 PBR3.21 3月配当株主優待

定食専門店『大戸屋ごはん処』を直営・FCで首都圏中心に展開。
配当金は3月末の一括25円配当のため、配当利回りは1.30%となります。

大戸屋ホールディングスは株主優待を導入しており、3月末に100株以上
を保有する株主に2,500円分の食事券を進呈しておりますので、配当優待
利回りは約2.60%となります。

業績は以下の通りとなります。
■2013年3月期 売上高 203億円、経常利益 4.4億円 EPS 43.9円
■2014年3月期 売上高 232億円、経常利益 7.9億円 EPS 27.9円
■2015年3月期 売上高 246億円、経常利益 6.2億円 EPS 38.0円
■2016年3月期 売上高 260億円、経常利益 5.9億円 EPS 42.4円
■2017年3月期 売上高 270億円、経常利益 7.0億円 EPS 48.6円 ce
□2016年9月中 売上高 131億円、経常利益 1.8億円 EPS 2.1円 ce

2016年3月期の売上高は前期比5.6%増の260億円、経常利益は同4.6
%減の5.9億円となり、毎度のとおり計画未達となりました。1,200円~
1,500円の高額帯の定食ライン充実させたことで客単価こそ103.4%と
なったものの、入客数は96.5%と伸び悩み、トータルの既存店売上は
昨対100%を割り込む結果となりました。

なお今2017年3月期の売上高は3.8%増の270億円、経常利益は18.2%増
の7.0億円を計画しています。今期は直営・FC・海外合わせて43店舗
の出店を計画しており、今期末の累計店舗数は472店舗を見込んでい
ます。前の期は出店計画に対して10店舗以上ショートしたので、この
新店による増収益は信頼度薄めとなりますが、足元1Q(4月・5月・6月)
の既存店売上に関しては軒並み昨年をクリアしているので、いまいま
では会社計画線レベルの業績は確保されそうな雰囲気です。

最近の大戸屋と言えばステーキや希少魚の焼魚といった高単価メニュー
への誘導が目に余る状況でしたが、流石に定食屋だけのことはあって
デフレの匂いを感じ取り、850円メニューの再充実を図っています。
(※大戸屋ランチの値段を据置いている限りは大丈夫だと思います。)

さて標題にも記しましたとおり、創業者の三森久実氏の急逝にともない
お家騒動が勃発し、6月の株主総会で三森一族と窪田社長の会社側で
主導権争いとなりました。故三森会長の長男である三森智仁氏(持分
5.63%)を窪田社長が香港子会社に出し、その後常務から平取に降格
させ、智仁氏を退任に追いこんだことなどがその原因とされています。

三森会長の妻である三枝子氏も13.15%の持分を相続等で保有している
ため、泥沼化して委任状争奪戦が必至の情勢でしたが、フタを開けて
みれば創業者側は何らアクションを起こさず、会社(窪田社長)側提案
通りの役員が、賛成票獲得率63%ほどで無事に選任されました。

これで形上は一旦幕引きとなるものの、依然として三森一族は約2割
の当社持分を有しているため、中長期的にどうなるかはわかりません。
株主としては早期の経営安定化を望みたいところですが、窪田社長や
現経営陣は殆ど当社株式を保有していないため、当面の間はいびつ
な会社運営が続きそうな印象を受けます。

*参考記事① 2015-08-11 1,903円 ---
筆頭株主の創業者が急逝、大戸屋ホールディングス(2705)。

*参考記事② 2014-10-14 1,350円 ---
新メニュー続々登場の大戸屋(2705)にひさびさ訪店。

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