【6090】ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(東マ) --
現在値 1,712円 PER当期赤字 PBR6.28 3月無配 株主優待なし
メタボローム解析試験受託事業及びバイオマーカー開発事業。
会社設立時より無配が継続しており、今期も無配予想です。
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは株主優待を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 6.8億円、営業利益▲1.0億円 EPS▲6.6円
■2016年3月期 売上高 7.8億円、営業利益▲0.7億円 EPS▲13.4円
■2017年3月期 売上高 9.1億円、営業利益▲0.4億円 EPS▲10.9円
■2018年3月期 売上高 9.3億円、営業利益▲1.4億円 EPS▲26.9円
■2019年3月期 売上高 11.0億円、営業利益▲2.8億円 EPS▲50.5円 ce
□2018年6月1Q 売上高 1.5億円、営業利益▲1.2億円 EPS▲26.9円(5/11)
□2018年9月中 売上高 4.0億円、営業利益▲1.5億円 EPS▲25.7円 四e
2018年3月期の売上高は前期比2.6%増の9.3億円、営業利益は1億円程赤字幅が拡大して
▲1.4億円の損失となりました。主力のメタボローム解析事業(以下、単に解析事業と略する)
の売上は食品業界・製薬業界からの受託の増加により順調に推移したものの、大型案件の
材料不足による期ズレ発生により伸びが鈍化したほか、バイオマーカー事業(以下、単にBM
事業と略する)についても売上が殆ど立ちませんでした。利益面については、BM事業のR&D
費用が想定より浮いたものの、解析事業でラインアップ拡充のための投資を実施したため、
これらの投資が重しとなり、予算比・前期比ともに赤字幅が拡大する形となりました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が17.2%増となる11.0億円、営業利益
は1.4億円程赤字幅が更に拡大し、▲2.8億円の損失を予想しています。主力のメタボローム
解析事業については、実績期の期ズレ案件の確保があるほか、学術ニーズ以外の食品業界
・製薬業界からの受託増加基調にくわえ、健康食品やサプリメントといったヘルスケア業界の
ニーズも漸増傾向にあり、期初時点の受注残は62%増を確保しています。一方で、BM事業に
ついては相変わらず売上はゼロとなる見通しとなっており、全社利益面についても解析事業
とBM事業の両方において、R&Dと設備投資に5.5億円を投資するため、赤字が拡大します。
定性的な進捗としては、解析事業において「Mediator-Scan」という、喘息・蕁麻疹・リウマチ
や各種生活習慣病の病態解明に活用出来る脂質メディエーターに特化した解析をリリース
しており、従来の解析メニューとの組合せで、より網羅的な解析が出来るようになりました。
また、2社の解析機器をドッキングした新型のイオントラップ型の質量分析計を開発しており
最大の競合である米メタボロン社の解析品質にキャッチアップしつつあるため、解析ニーズ
の伸びが著しい中国市場を本格的に深耕していく方針です。
また、先行投資の続くBM事業においては、血中のリン酸エタノールアミン(PEA)濃度を測定
するのに従来型機器測定法(CE-MS法)ではなく、簡易的なIC-FLD法や酵素法をベースと
した所謂「うつ病診断キット」を開発しており、既に酵素法のキットは昨年有償出荷、今年は
顧客ニーズを受けて大型検体装置用の試薬キットへの改良出荷を予定しております。既に
東洋紡と提携し、安定的に原料となる酵素の供給を受けられるようになっていることもあり、
今期以降に薬事申請、順調にいけば来期以降の上市が予定されています。
一応、会社側の青写真としては約10年後の2030年3月期の売上高目標を1,050億円(患者
3.5億人×検査数5回×単価@600円×浸透率10%)をBM事業の定量目標としていますが、
最新のマテリアルには肝心の単価が非記載となっており、(前向きに解釈をすれば)薬事が
近づいてきた印象を受けます。2016年には当社の三者割を引き受ける形で、エムスリーが
第2位株主となっており、限定的ながら協業しているフシが確認されるほか、足元では第一
生命が当社株を買い増しして第5位株主(2.9%)に躍り出ており、ネームが揃ってきたことで、
今後の営業効果の向上や側面支援が期待出来るかもしれません。
*参考記事① 2017-02-12 1,899円 --
"うつ病マーカーキット"β版をリリース、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(6090)。
*参考記事② 2014-12-24 1,197円 ---
今期も黒字予定、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(6090)から株主通信がきました。
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