"うつ病マーカーキット"β版をリリース、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(6090)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_5438.JPG

【6090】ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(東マ) --

現在値 1,899円 PER当期赤字 PBR6.32 3月無配 株主優待なし

メタボローム解析試験受託事業及びバイオマーカー開発事業。
会社設立時より無配が継続しており、今期も無配予想です。

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは株主優待を実施しておりません。

業績を確認していきます。 
■2013年3月期 売上高 4.9億円、経常利益▲0.93億円 EPS▲24.5円  
■2014年3月期 売上高 6.1億円、経常利益 0.05億円 EPS 0.4円
■2015年3月期 売上高 6.8億円、経常利益▲1.7億円 EPS6.6円 
■2016年3月期 売上高 7.8億円、経常利益▲0.7億円 EPS▲13.4円 
■2017年3月期 売上高 8.1億円、経常利益▲2.8億円 EPS▲48.4円 ce
□2016年9月中 売上高 2.7億円、経常利益▲1.5億円 EPS▲28.2円
□2016年12月3Q売上高 5.1億円、経常利益▲1.6億円 EPS▲29.2円(2/10)

2016年9月中間期の売上高は、主力のメタボローム解析事業(以下、解析事業)
の売上が
堅調に推移したものの、人材派遣事業を廃止したことによる売上の
剥落により減収となりました。利益面についても解析事業で得た利益をバイオ
マーカー事業(以下、BM事業)の研究投資に突っ込んでいるため、事業ベース
ではトントンでしたが、全社ランニング費用の分だけ赤字となりました。


なお2017年3月期通期の売上高は期初予想を据え置いており、売上高が前期
比3.8%増の8.1億円・経常利益は赤字
幅が拡大して▲2.7億円となる見込です。
既に2月10日に3Qが開示されており、主力の解析事業において営業注力中で
ある米国のみならず、韓国やシンガポールで受注が伸びているため、中間時点
よりも前同比の増収幅が拡大している点などを考慮すると、順調と思われます。

定性的な進捗としては、BM事業において血中のリン酸エタノールアミン(PEA)
濃度を機器分析法ではなく、簡易的な酵素法でうつ病を診断出来るようにした
「うつ病診断キット」が長らくの研究開発段階から、ついにβ版のリリースにま
で漕ぎつけており、今後は製品開・臨床開発→薬事→上市、といった一連の
事業化フェーズに進むこととなりました。

また、昨年6月位にはエムスリーおよび平田牧場・山形銀行・荘内銀行に総額
3.5億円(@829円)で第三者割当増資を引受させ、医療業界に太い販路を持つ
エムスリーが当社の2位株主になりました。既に10月から同社子会社のG-TAC
社からパートナー企業に「うつ病診断キット」の展開を始めており、営業的には
同社との提携効果が大きいのですが、上場時からの株主である山形銀行がこの
三者割により保有株を倍に引き上げていることや、傘下のVCを通じて投資して
いたフィデア系の荘内銀行も買い増しという形になりました。特に荘内銀行は
当社鶴岡研究所の隣地にあるスパイバーに出資していることでも知られており、
それなりに"バイオに目鼻の効く地銀"ですので、それなりに信用出来そうです。


またこうした三者割や時間経過により、上場時株主であるバイオフロンティア
パートナーズのファンドの持分が殆どなくなっており、株主分布状況が大きく改
善しているのも好材料です。会社側では約12年後の2030年3月期の売上高の
目標を1,050億円(患者3.5億人×検査数5回×単価@600円×浸透率10%;目標)
としていますが、現時点では画餅状態ですし、そこに至るまでに追加で何度も
ファイナンスをする必要が出てくると思いますが、上場して3年が経って体制
も整ってきた現在は、そういった見通しにも蓋然性が出てきたような印象です。



*参考記事① 2014-12-24 1,197円
今期も黒字予定、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(6090)から株主通信がきました。

*参考記事② 2014-01-29 3,605円 --
希少な黒字バイオ銘柄、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(6090)の投資判断。


会社四季報 2017年 1集新春号 [雑誌]

新品価格
¥2,060から
(2016/12/17 07:44時点)

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村