【8425】興銀リース(東証1部) ---
現在値 2,707円/100株 PER7.9 PBR0.78 3月配当優待 9月配当
みずほ(旧興銀)系。総合金融サービス会社化を目指す。
配当は3月末・9月末の年二回合計74円のため、配当利回りは2.73%です。
興銀リースは株主優待を導入しており、3月末現在の単元株主に対して、3,000円分の図書
カードを進呈しているほか、1年以上保有する長期株主への優遇として、1,000円分を追加
した4,000円分の図書カードを進呈しておりますので、配当優待利回りはそれぞれ約3.84%、
約4.21%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 3,537億円、経常利益 189億円 EPS 261円
■2016年3月期 売上高 3,641億円、経常利益 185億円 EPS 272円
■2017年3月期 売上高 4,294億円、経常利益 187億円 EPS 291円
■2018年3月期 売上高 3,997億円、経常利益 199億円 EPS 319円(5/9)
■2019年3月期 売上高 4,200億円、経常利益 214億円 EPS 339円 ce
□2018年9月中 売上高 1,850億円、経常利益 105億円 EPS 166円 四e
2018年3月期の売上高は前期比6.9%減の3,997億円、経常利益は同6.3%増の199億円となり
期初予想水準を確保しました。営業資産残高については16,087→16,830億円となり、前期に
鈍化した“積み上げ”ペースを回復したものの、前期に計上したREIT向けのブリッジ(ウェア
ハウジング)が剥落したため、トップラインは大幅減となりました。しかしながら、商流介在型
ビジネスが伸長したほか、航空機分野や大規模風力発電設備に代表されるエネルギー関
連の取扱いが増加したため、想定超の利益を確保しました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が5.1%増の4,200億円、経常利益は
7.2%増の214億円を見込んでおります。営業資産残高の順調な“積み上げ”が通期で寄与
するほか、前の期において不動産分野で初めて売上を計上した保育所やホテル等に代表
される新型アセットの取扱いの増加が見込まれることにくわえ、国内外における共同投資の
推進により、(単なるブリッジに留まらず)相応のリスクを取った上で利益の拡大を狙います。
今期は第5次3年中計の中間年度となり、2020年3月期の純利益ベースで、124→150億円
(+26億円)とする定量目標を置いています。前回第4次中計も目標値をクリアしているほか、
今回中計における初年度の純利益も136億円で通過し、今期末時点の予算も同145億円と
なっているため、会社側アナウンスでは「意欲的な数値」としながらも、実際は走破圏です。
取組内容としては、REIT・不動産分野の深堀り(ホテル・ヘルスケア・海外案件)や、航空機
ファイナンス等の既存重点分野に加え、医療・介護・環境/エネルギーなど“流行りの”分野
での業容拡大を図る方針です。具体的には手術室設備といった医療機器、風力発電設備、
タイ・中国・インドネシアで非日系企業(現地財閥)顧客の開拓等が主な取り組みとなります。
ちなみに原価となる有利子負債残高は、この1年で438億円増の15,362億円と小幅な増加
に留まっているものの、資金原価率に関しては0.36→0.42%と悪化に転じています。これは
金利が緩やかに反発し始めていることが要因ですが、会社側もかような状況を鑑み、調達
先を欧州等の外貨借入に拡大させ、長期化ならびに分散化を図っているため、早くも足許
では原価率の悪化に繋がっている模様です。また、既述の通り、“前のめり気味で”不動産
分野に取り組んでいることもあり、大手リース他社と比較した自己資本比率は見劣りします。
そのため、財務体質強化のため、株主還元については現行の22%弱から見直される可能性
は高くないと考えており、今期は4円増配となる74円配当を予想していますが、ここからの
積み増しもせいぜい2円程度と考えており、期末75~76円配当が関の山かと思われます。
*参考記事① 2017-08-09 2,878円 --
REITブリッジ案件増えるも、東芝向けがネック・興銀リース(8425)。
*参考記事② 2016-07-07 1,757円 ---
金利恩恵でREIT・航空機分野を活発化、興銀リース(8425)。
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