REITブリッジ案件増えるも、東芝向けがネック・興銀リース(8425)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8425】興銀リース(東証1部) --

現在値 2,878円/100株 PER9.4 PBR0.88 3月配当優待 9月配当

みずほ(旧興銀)系。総合金融サービス会社化を目指す。
配当は3月末9月末の年二回合計66円のため、配当利回りは2.29%です。

興銀リースは株主優待を導入しており、3月末現在の単元株主に対して、
3,000円分の図書カードを進呈しているほか、1年以上保有する長期株主

への優遇として、1,000円分を追加した4,000円分の図書カードを進呈して

おりますので、配当優待利回りはそれぞれ約3.33%・約3.68%となります。

業績を確認していきます。 
■2014年3月期 売上高 3,540億円、経常利益 174億円 EPS 264円 
■2015年3月期 売上高 3,537億円、経常利益 189億円 EPS 261円 
■2016年3月期 売上高 3,641億円、経常利益 185億円 EPS 272円 
■2017年3月期 売上高 4,294億円、経常利益 187億円 EPS 291円 

■2018年3月期 売上高 4,000億円、経常利益 190億円 EPS 304円 ce 

□2017年6月1Q 売上高 942億円、経常利益 49.8億円 EPS 78.6円(8/4)
□2017年9月中 売上高 1,700億円、経常利益 105億円 EPS 164円 四e

2017年3月期の売上高は前期比17.9%増の4,294億円、経常利益は同1.2%

増の187億円となり、期初予想水準を確保しました。営業資産残高につい

ては15,810→16,087億円と伸びが鈍化したものの、景気回復を背景とした

大企業・中小企業の設備投資ニーズを取り込みました。また、売上高の伸

びが異常ですが、これはREIT向けのブリッジ(ウェアハウジング)が増えた

こと等が主な要因と思われますので、利益貢献に関しては限定的です。

 

進行期である2018年3月期の予算に関しては、売上高が6.8%減の4,000億

円、経常利益は微増の190億円を見込んでおります。前の期のリース契約

高が10,654→10,920億円と甘く、積み増しが少ないため期初時点では保守

的な予想をしていると思われます。引き続き、REIT・不動産関連のブリッジ

案件の獲得に注力するほか、前期に米Aircastleと合弁で運営する航空機

ファイナンスの受注を図ります。また、過去に東芝リースを買収して子会社

化しているため、子会社における東芝向けの纏まったリース残高が存在す

るため、このクレジットコストが増加している点は割引要素となります。

なお今期は第5次中計の初年度となり、3年後の2020年3月期の最終利益

ベースで、124→150億円(+26億円)とする定量目標を置いています。前回

の第4時中計での最終利益目標120億円・営業資産残高目標15,000億円

(KPI)という、今回中計よりも意欲的な無事にクリアしているので、今回の

中計も十分走破圏であると推察されます。取組内容としては、REIT・不動

産の深堀り(ホテル・ヘルスケア・海外等案件)や、航空機ファイナンス等の

既存重点分野に加え、医療・介護・環境/エネルギーなど他のリース会社

も注力しているような分野に積極的に取り組む方針です。

ちなみに原価となる有利子負債残高は、この1年で370億円増の14,924億

円と殆ど増えておりません。一方で、金利低下の恩恵により、資金原価率

に関しては0.42→0.36%、と大きく改善しているような状況ですが、足許では

行き過ぎた低金利が是正されつつあるため、この“金利吐き出し分”による

利益良化は限定的となっている点には留意が必要かと思います。
 

*参考記事① 2016-07-07 1,757円 ---
金利恩恵でREIT・航空機分野を活発化、興銀リース(8425)。

*参考記事② 2015-07-21 2,932円 ---
ユニゾホールディングス株を約50億円分保有、興銀リース(8425)。

 

 

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