【8237】松屋(東証1部) --
現在値 1,662円/100株 PER62.8 PBR4.28 2月優待配当 8月配当
呉服店発祥の名門百貨店。銀座本店と浅草店の2店体制。独立路線。
配当金は2月8月の年2回・合計6円で、配当利回りは0.36%となります。
松屋は株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する2月末・3月末株主に対して、
利用上限のない10%割引買物カードを進呈しております。また、有料の催事が2人分まで
無料になりますので、入場料1,000円の催事に2人で年2回行った場合の配当優待利回り
を算出すると、およそ3.76%となります。
業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 816億円、経常利益 22.7億円、EPS 24.6円
■2016年2月期 売上高 929億円、経常利益 28.9億円、EPS 22.4円
■2017年2月期 売上高 863億円、経常利益 12.6億円、EPS 14.6円
■2018年2月期 売上高 905億円、経常利益 20.4億円、EPS 23.7円(4/12)
■2019年2月期 売上高 910億円、経常利益 21.0億円、EPS 26.4円 ce
□2018年8月中 売上高 430億円、経常利益 4.0億円、EPS 5.6円 ce
2018年2月期の売上高は前期比4.9%増の905億円、経常利益は同61.2%増の20.4億円となり、
期初計画を大きく上回ったほか、中間時点での増額予算もクリアしました。婦人衣料の低調
基調や8月の天候不順が響いたものの、伊高級婦人靴「ジャンヴィト ロッシ」の導入による
婦人靴の強化や、インバウンドの持ち直しが業績を大きく牽引した格好となります。銀座店
の売上高は前年比5.8%増、浅草店は同1.3%増となり、予算前提の同1.1%増を上回りました。
なお、免税品は当初やや低調に推移していたものの、特に中国人を中心とする化粧品販売
が下期に飛躍的に増加したこともあり、同118%となりました。
進行期である2019年2月期の予算は、売上高が前期比0.5%増の910億円、経常利益は2.7%
増の21.0億円と横ばいを見込んでいます。今期は子供服売場の再編を手掛ける計画であり
銀座エリアで最大級の品揃えを図ることで、(中央・港・江東在住の)富裕なニューファミリー
の取り込みや、インバウンドの買い回り強化を狙います。足許1Q(3-5月)の月次売上高も、
3ヶ月累計期間で107~108%と好調に推移しているため、現時点では上振れペースです。
なお今期(2019年2月期)は売上高980億円・営業利益30億円を目指す3年中計の最終年度
となっております。この中計自体がインバウンド華やかなりし頃(一次ブーム)に策定された
“バラ色”の計画なので、そもそも未達確実な目標となっていますが、実績期で営業利益
21.2億円まで持ち直したほか、既述のとおりインバウンド売上が復調であることを鑑みると、
ある程度いい線まではいく公算が出てきました。また、昨年3月に文具の伊東屋から銀座
店の借地権建物を110億円で取得しており、一棟所有(実はいくつかのビルからなる複合
ビルの模様)となって支払家賃が今期から完全に消えるため、これまで歩合賃料を払って
きた場合は、売上の伸びよりも利益の伸びが鋭角的となることも期待されます。
ちなみに、今期の配当予想は前の期並みの6円を予想しています。業績のわりに配当が
増えないのは、既述の借地権建物の取得に伴なう有利子負債の激増(約100億円)のせい
かと思われます。一応、来2020年2月期で創業150周年となるため、記念配が出る可能性
が高いものの、ひとまず足許では巨額な借り入れの返済が優先・・ということかと思います。
*参考記事① 2017-12-10 1,433円 --
*参考記事② 2017-06-17 1,020円 --
「GINZA SIX」からの回遊性は催事次第か、松屋(8237)。
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