【8237】松屋(東証1部) --
現在値 1,433円/100株 PER69.0 PBR3.97 2月優待配当 8月配当
呉服店発祥の名門百貨店。銀座本店と浅草店の2店体制。独立路線。
配当金は2月8月の年2回・合計6円で、配当利回りは0.42%となります。
松屋は株主優待制度を実施しており、100株以上の株主に対して、利用
上限のない10%割引買物カードを進呈しております。また、有料の催事が
2人分まで無料になりますので、入場料1,000円の催事に2人で年2回行っ
た場合の配当優待利回りを算出すると、およそ3.21%となります。
業績を確認していきます。
■2014年2月期 売上高 754億円、経常利益 15.7億円、EPS 25.2円
■2015年2月期 売上高 816億円、経常利益 22.7億円、EPS 24.6円
■2016年2月期 売上高 929億円、経常利益 28.9億円、EPS 22.4円
■2017年2月期 売上高 863億円、経常利益 12.6億円、EPS 14.6円
■2018年2月期 売上高 890億円、経常利益 18億円、EPS 20.7円 ce修正
□2017年8月中 売上高 426億円、経常利益 5.6億円、EPS 4.8円(10/2)
2017年8月中間期の売上高は前年同期比2.2%増の426億円、経常利益は
同77.4%増の5.6億円となり期初計画を超過しました。婦人衣料の低調基調
や8月の天候不順があったものの、インバウンドの持ち直しにより、銀座店
の売上高は前年比3.1%増、浅草店は同1.7%増となり、予算前提となるの1%
増を上回りました。免税品は当初やや低調に推移していたものの、アジア
圏の銀行やカード会社との提携が奏功し、免税売上は同105%となりました。
2018年2月期通期の予算も修正しており、売上高が前期比3.1%増の870→
890億円、経常利益は41.9%増の16→18億円に増額しております。上期の
上振れ分より多少強めの数字を置いていますが、足許3Q(9-11月)の月次
売上は昨対110%を超えるペースで推移しているため、10月の台風影響を
余裕で打ち返し、修正予算も超過達成圏に入ったと思われます。4月に旧
松坂屋銀座店である「GINZA SIX」が6丁目に開業したため、3丁目の当社
銀座店との“買い回り”の悪さが懸念されましたが、逆にその4月辺りから
月次の回復が確認出来るため、マイナス影響は限定的だった模様です。
今期は2019年2月期に売上高980億円・営業利益30億円を目指す3年中計
の中間年度となっており、前期にインバウンド大失速で営業利益が12.4億
円に沈み、(保守的な定量目標にもかかわらず)達成が危ぶまれたものの、
今期営業利益が更に上振れして20億円超で着地出来る場合は、いくらか
目標達成の目が残りそうです。また本年3月に文具の伊東屋から銀座店の
借地権建物を110億円で取得しているため、家賃が大きく減少しています。
従来の銀座店の変動賃料割合は不明ですが、固定賃料のみでない場合、
足許の売上復調により、利益改善が想定より伸長する可能性もあります。
また、従来からの取組ですが、当社ならではコト消費として引き続き催事に
注力しており、上期にはシナモロール展、君の名は。展、くまのがっこう展
を開催し、下期にはムーミン展(写真)、くまモン展が催行される予定です。
当社は百貨店の中でも銀座の好立地と、この催事以外は「シニア向け」
として広く認知されており、新宿の京王百貨店のような存在ですが、この
催事はヤング層(及び財布を持ってくる同伴のシニア層)やインバウンド
を誘致出来るキラーコンテンツですので、今後も期待したいと思います。
なお銀座店の上期催事売上は前年比32%増の7億円へ激増しています。
ちなみに、今期の配当は前期並みの6円を予想しています。前述の借地
権建物取得に伴なう有利子負債の激増で、金利負担が経常利益にヒット
しているため、増配についてはやや微妙な情勢です。再来期に創業150
周年を迎えることから、その辺りで記念配を含めて10円くらいが目標感
になってこようかと思われます。
*参考記事① 2017-06-17 1,020円 --
「GINZA SIX」からの回遊性は催事次第か、松屋(8237)。
*参考記事② 2016‐12‐01 1,016円 --
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