配当予想を7円まで大減配、今期予算の死守が望まれる・トライステージ(2178)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2178】トライステージ(東証マザーズ) ---

現在値 445円/100株 PER32.8 PBR1.49 2月配当株主優待 8月株主優待

テレビ通販企業に媒体選択や販促企画、コールセンター斡旋など。
配当金は2月一括の7.0円配当で、配当利回りは1.57%となります。

トライステージは株主優待制度を導入しており、2月末・8月末に4単元を保有する株主に

対して、クオカード1,000円分を年2回進呈していますので、配当優待利回りを算出した場

合、約2.69%となります。なお20単元保有の場合はクオカードが5,000円分となり、4単元の

場合と同じ利回りが確保出来ます。

業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 321億円、経常利益 9.3億円 、EPS 17.9円 
■2016年2月期 売上高 371億円、経常利益 8.9億円、EPS 17.2円 
■2017年2月期 売上高 473億円、経常利益 13.6億円、EPS 27.3円  

■2018年2月期 売上高 557億円、経常利益 9.0億円、EPS 13.2円 

■2019年2月期 売上高 547億円、経常利益 7.9億円、EPS 13.5円 ce 
□2018年8月中 売上高 264億円、経常利益 2.7億円 、EPS 4.1円ce 

2018年2月期の売上高は前期比17.9%増の557億円、経常利益は同33.5%減の9.0億円で

着地し、期初予算比では増収減益となりました。主力のダイレクトマーケティング事業に

おけるTV分野において、特定顧客に対する不適切な成果報酬型取引の販売が判明し、

売上値引(返還)せざるを得ない状況となり、収益を押し下げました。その一方、DM事業

については、日本郵便やヤマト運輸との間で取扱規模を活かした仕入を実現したほか、

顧客企業への値上げが順調に進み、当該セグは5割近い増収となりました。なお、中間

時点において、海外事業における子会社(TV Direct)の株式評価損失が発生したため、

営業外で6億円超の持分法投資損を計上していましたが、株価が減損ノックイン水準を

回復したため、期末でほぼ同額の戻し入れに成功しています。

 

進行期である2019年2月期の予算については、売上高が1.8%減の547億円、経常利益は

12.8%減の7.9億円と一転して減収減益を予想しています。ダイレクトマーケティング事業

におけるTV分野については、前の期に余らせてしまったTV仕入枠の適正化を図る方針

であり、セグメントとしては減収基調が継続します。また、成長の続くDM事業についても

今期は一服を予想しており、札証上場の代理店であるフージョン(3977)と協業してCRM

分野を強化するものの、DM仕入費用・仕入発送費用の上昇を織り込む形で減収減益を

予想しています。一方で今期良化するとみられるのはWeb分野であり、昨年11億円で買

収したアドフレックスの業績が通年寄与するほか、多少は営業シナジーが出る模様です。


実績期である2018年2月期は3年中計の最終年度であり、売上高555億円(CAGR20%)、

営業利益24億円(CAGR38%)を掲げていた定量目標は売上高のみ達成し、利益は不正

販売や海外事業の目論見外れもあり、大幅な未達となりました。今期からは新3年中計

をスタートさせており、売上高557→600億円(CAGR3%)、営業利益10.3→27億円(CAGR

38%)を新たな定量目標に掲げています。主力のTV分野とおよびDM事業の売上は殆ど

伸びない想定であり、多少の収益良化を見込んでいる一方で、海外とWeb分野に関して

は成長事業に位置付けトップラインからの伸びを見込んでいます。また全社的な取組と

してデータベースマーケティングに注力する方針であり、ロックオン(3690)と提携している

TVとWeb分野の販売成果可視化連携などを核に、事業間の有機結合を図り、売上の嵩

の拡大よりも収益性を高めていく計画となっています。

 

ということで、新3年中計上は劇的なV字回復プランになっているものの、今期はいきなり

減収減益予算を置いているため、今期は体制立て直しのための1年になるとみられます。

したがってまずは今期を予算通り仕上げられるかどうかが最大のポイントであり、前の期

に当初22.5円を見込んでいた配当を10円まで減配し、更に今期は7円にまで再減配して

‘背水の陣’を敷いている状況のため、今期の配当金が結局いくらで落着させるのかに

よって、中長期的な当社の自信度を図ることが出来ると考えています。

 

*参考記事① 2017-12-05 623円* ---

タイ子会社減損で中計頓挫も、高配当は維持か?トライステージ(2178)。


*参考記事② 2017-06-01 619円* ---
観測記事では今期も5割増益予想だが・・・トライステージ(2178)。

 

 

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