不振店閉鎖でV字回復も、DDHD傘下で“没個性化”?ゼットン(3057)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3057】ゼットン(名証セントレックス) --

現在値 994円/100株 PER23.8 PBR7.69 2月配当 株主優待 

東海、関東地区で飲食店運営。チェーン展開せず公共施設出店に注力。
配当金は2月の年1回5円のため、配当利回りは0.50%となります。

ゼットンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する2月末の株主に対して、
食事券を2,000円分を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.51%となります。

業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 96億円、経常利益 3.0億円 EPS 35.0円  
■2016年2月期 売上高 101億円、経常利益 0.2億円 EPS▲54.2円  
■2017年2月期 売上高 99億円、経常利益 3.3億円 EPS ▲102円   

■2018年2月期 売上高 92億円、経常利益 4.4億円 EPS 36.1円(4/13) 

■2019年2月期 売上高 93億円、経常利益 4.3億円 EPS 41.7円 ce  
□2018年8月中 売上高 52.3億円、経常利益 3.3億円 EPS 34.7円 ce

2018年2月期の売上高は前期比6.8%減の92億円、経常利益は32.3%増の4.4億円となり、

店舗閉鎖により減収にはなったものの、売上高・利益ともに期初予想をクリアしました。

既存店売上高は想定の100.4%を上回る101.2%を確保したほか、不振店クローズによる

採算性の向上やコスト抑制策が効き、利益は最高益水準となりました。なお、店舗数に

ついては2店を出店、8店を閉店した結果、純減6店となり、店舗数は71店となりました。


進行期である2018年8月期の予算は、売上高が1.6%増となる93億円、経常利益は2.9%

減の4.3億円を予想しています。予算前提となる既存店売上高は100.7%で設定しており、

出退店については、4店の出店・5店の退店を予定しており、今期も退店超過となります。

ただ前の期に客単価の向上を意図したメニュー改変を実施しているため、この値上効果

の寄与が期待されるほか、好調な推移が続く主力業態の「アロハテーブル」において、

類似の派生業態を廃止してブランドを統一化することで宣伝効率を向上させるとともに、

SNSでの発信を強化することで「アロハテーブル」ブランドの一層の醸成を図ります。


当社は2015年9月にダイヤモンドダイニング(DD社)が、当社創業者の稲本健一氏らから、

TOB(@790円)で当社株式の42%を取得して、連結子会社に収めています。既に稲本氏は

当社会長職からも退いていますが、DD社の持株会社であるDDHD(3073)の筆頭取締役

となっており、当社社長には生え抜きの鈴木社長が就いているものの、DDHD社の次席

取締役であり、同社の営業統括でもある鹿中氏が仕切っているとみられます。現状では

DDHDとのシナジーは、会員制ポイントである「DD POINT」を利用したり、同社の有する

予約コールセンターを活用する程度のシナジーしか見えてこないものの、本年1月末に

DDHDの入居ビルに本社移転させたので、シナジーの本格化はこれからかと思います。

 

今後の当社は、DDHD子会社になったことにともない、あくまで「アロハテーブル」を中心

とした業態特化会社変化すると推察されます。独創的な業態の開発や、これまで得意と

してきた公共物件に関しては、物件情報があってもDDHDに取られてしまう可能性も高く、

事実ここ2年間の出店は「アロハテーブル」、及び派生の業態に絞られてしまっています。

 

ただ裏を返せば、当社の役割がかなり単純化したため、効率重視で「アロハテーブル」

だけを出店し、コンスタントに利益を出して親会社のDDHDに配当するだけのシンプルな

企業体に近づいていくため、既に5円の復配がなされている配当政策に関しては、今後

も維持される可能性が高いと思われます。また、財務的には多少キツくても、場合に

っては増配して吐き出してしまうといったことも十分あり得るかと思いますので、今期は

予算達成を前提に、配当予想は会社予想の5円に対して、7円+程度を予想しています。

*参考記事① 2017-06-08 850円 --

台所事情は苦しいも、DD社のために復配か・ゼットン(3057)。

*参考記事② 2016-06-10 852円 --
有名創業者・稲本健一氏がついに退任、ゼットン(3057)。

 

 

会社四季報 

2018年2集春号 

 

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